「月50万使う太客には“獲りやすく”アシスト」「裏側を見たら絶対プレイしない」 元従業員が語るオンラインクレーンゲームの闇と法の未整備(2/4 ページ)
――遠隔操作での不正については心当たりがありませんか。
Aさん:ねとらぼさんが記事化していたところを含めて、他社のオンクレが「遠隔操作しているらしい」という黒いうわさはよく聞きましたね。しかし遠隔操作をするためには、すべての筐体と管制をつなぐ必要があり、設備にものすごくお金がかかりますし、私が勤務していたころは古めの筐体がメインで稼働していましたから、遠隔操作というのはできませんでした。
しかしゲームセンターでもおなじみの「連続プレイ中の何回目にアームパワーが強くなる」といった設定ができる筐体、通称「確率機」を導入したときには、もちろん「30回目にアームパワーが入る」とか、そういう設定をしていましたよ。この30回目というのは、単純に回数の場合もありますし、同一プレイヤーが30回連続でプレイした場合(コンティニューを繰り返したらパワーが入る)というのもあります。
「景品が足りなくなってメルカリで購入」
――Aさんはバイトリーダーとして勤務されていたとのことですが、筐体の設定なども担当されていたのでしょうか。
Aさん:はい、やっていました。新しい設定を思いつくと格安のプレイ料金で台解放を行うんです。それで数百回稼働したのを確認してから原価率を計算し、うまくいっていれば正式稼働という形で通常景品などを投入します。
もちろん自分でもプレイして獲れるかどうかを確認するんですが、設定を考えた本人というのは、攻略法を分かった状態でプレイしますから、お客さまを使ってテストプレイを行うのが最も効果的なんです。またお客さま自身も安い金額でお菓子などの景品を獲得できるかもしれませんし、楽しんでいただけていたと思います。あくまでも「獲らせないようにする設定」ではなく、「獲るまでの過程が楽しい設定」を作るように心掛けていました。
――他のオンクレでは獲得景品の配送遅延が大きな問題になっていますが、Aさんの勤務先ではどうでしたか。
Aさん:景品を獲得されたお客さまから発送依頼がきたら、基本的には当日中に送るようになっていましたから、手元には2〜3日以内に届いていたと思います。しかし、配送前に「景品の箱がつぶれていた」とか「在庫がなくなっていた」など、景品に関する不備が発覚した場合には、お客さまにご連絡したうえで少しお時間をいただいていました。
そうなった場合は正規ルートで景品を作っているメーカーさんに新しい景品を送ってもらうように依頼するのですが、どうしても手に入らないときは、ネットオークションやメルカリで景品を購入してから、お客さまにお送りしていました。
――一度は人手に渡った中古品を新品景品と偽って発送するということですね。だからフリマサイトで「同一景品10個セット」などの変わった出品物が売り切れていたり、「届いた景品がどうみても開封済みだった」という報告があったりするのでしょうか。
Aさん:おそらくはそうです。他のオンクレでもそういうことをやっているところは少なくないと思います。
――筐体の不具合が発生したときには、補償等していましたか。
Aさん:不具合にはかなりていねいに対応していました。例えばボタンを押しているのに動かない、アームが下りない、お客さまがボタンを離してから筐体のクレーンが止まるまでにタイムラグがありすぎる。そういう場合は基本的にポイントの返還を申し出ていました。
大体は管制でそういった不具合を見つけることができていたので、お客様から連絡が来る前にこちらからお詫びの連絡を入れるという形で、とにかくクレームを最小限にしようという意識がありましたね。お客さまとしても「ポイントが返ってきたんだからまあいいか」となりますし、トラブル対応は本当に時間が取られるので、なるべく避けたいという運営会社側の意向もあったと思います。
――いろいろとお話をうかがってきましたが、Aさんはオンクレの問題点はどこだと思いますか。
Aさん:法の整備が追い付いていない、規制をすり抜けているということに尽きると思います。リアルのゲームセンターでは風営法の関係で基本的に「景品は1つ800円以下のものにしましょう」ということが暗黙のルールとして決められています。しかし私が勤務していたころは、何万円もするゲーム機や家電、ブランド品、超高額商品が目玉景品でした。また普通のゲームセンターは24時間営業できないのに、なぜかオンクレは24時間年中無休でプレイできてしまうんです。
こうした状況について運営は「オンクレは風営法の対象外だから」という認識でしたから、次々に高額商品を景品投入し、釣られたお客様が月に100万以上のプレイ代金を支払ったケースや親のクレジットカードでプレイ代金を課金しまくって問題になったお子さんもいらっしゃいました。こういった状況はもはやゲームの域を超えたギャンブルですよ。
社員が長時間働いているところなども見て、会社のブラック運営に不安を感じた私はオンクレ業界から離れましたが、裏側を見た自分は絶対プレイしないですし、オンクレが適正に規制され、被害者が減ることを強く願っています。
続いてお話をうかがったのは、Aさんとは別のオンクレ運営で勤務していたBさんです。
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