ハレの日のご飯を作り続けてきた老舗駅弁屋さんが、体に優しい「日常のご飯」を作ってみた!

京阪神地区を拠点とする神戸駅弁の淡路屋が、高槻阪急のデパ地下につくった「櫻小路」ブランド。どんなお弁当なのでしょうか。

» 2021年10月23日 12時00分 公開
[ニッポン放送(1242.com)]
ニッポン放送
駅弁 神戸 櫻小路「しょうゆ糀鶏天弁当」
駅弁 神戸 駅弁 神戸 駅弁 神戸 駅弁 神戸 駅弁 神戸 駅弁 神戸 駅弁 神戸

【ライター望月の駅弁膝栗毛】

「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。

「駅弁」は、どこかへ出かけるときにいただく「ハレの日」の食べ物という方も多いですね。ターミナル駅ではブランド食材を使った1000円以上の駅弁が、比較的よく売れています。しかし、コロナ禍では、どの駅弁屋さんも需要が落ち込んだこともあり、弁当作りの原点を見直す機会となりました。京阪神地区を拠点とする神戸駅弁の「淡路屋」も、その取り組みから、大阪郊外のデパ地下に、新たなブランドを立ち上げました。

駅弁 神戸 683系電車・特急「サンダーバード」、東海道本線・島本〜山崎間

コロナ禍における、老舗駅弁店の挑戦(後編/全2回)

大阪と金沢・和倉温泉の間を結ぶ特急「サンダーバード」が、大阪と京都の府境を駆け抜けて行きます。いまの主力・683系電車は平成13(2001)年のデビューですから、活躍期間は、早いもので20年になるんですね。先頭車は流線形と貫通形の2種類。平成29(2017)年からは、朝晩の一部列車が高槻にも停車しており、大阪・北摂地域から北陸方面へのアクセスが便利となっています。

駅弁 神戸 高槻駅前

いまは新快速も停まる高槻。日中は新大阪まで10分、大阪まで15分、京都へ13分と鉄道移動はとても便利です。ほぼ並行する阪急の高槻市駅とJR高槻駅の間は、歩いて数分の距離。ただ、令和元(2019)年にオープンした「高槻阪急」はJR駅前にあります。こちらはもともと、西武高槻店だったところ。阪急や西武と聞くと、昔からのパ・リーグファンは、何となくシンパシーを覚えてしまいますね。

駅弁 神戸 櫻小路「豚のしょうゆ糀焼き弁当」

この高槻阪急の地下1階に、今年(2021年)春から「櫻小路」というブランドのお店が、新たにオープンしています。コチラのお店、神戸を拠点に京阪神の駅弁を製造している「淡路屋」が新たに立ち上げたお店です。コロナ禍で改めて弁当作りの原点を見直すなか、ハレの日の食事・駅弁だけでなく、日々の食事を支えてこそ食のインフラになり得るとの考えから、こちらのお店を立ち上げたと言います。

駅弁 神戸 櫻小路「豚のしょうゆ糀焼き弁当」

「櫻小路」の弁当は、メインの食材、副菜の大半にも、塩糀や醤油糀、あま糀や味噌などを用いて発酵・熟成の作用を活用したおかずを盛り付けているのが特徴。普段の食事であれば、少しでも体にいいものをということで、100年を超える駅弁屋さんのさまざまな技のなかから、「発酵」と「熟成」に注目したのだそう。ご飯には寒天入り雑穀ご飯が使われ、お浸しには甘糀を使用、ポテトサラダと奈良漬けの組み合わせも面白いですね。

駅弁 神戸 櫻小路「塩糀からあげ弁当」

総菜では定番のから揚げ弁当も、糀を使ったものになるとヘルシーな食感。今回は肉のお弁当を選びましたが、鯖や鮭など魚の弁当もあって、いずれも1000円以内。加えて、日本有数の酒どころである京阪神を拠点とする駅弁屋さんが、酒造りのベースにある「発酵」「熟成」をキーワードとした弁当作りを行っているのも、食文化として興味深いところ。この新ブランドもじっくり“熟成”させて、地元の皆さんの暮らしに定着して欲しいものです。

駅弁 神戸 289系電車、東海道本線・山崎〜島本間

新大阪から特急「こうのとり」として北近畿方面へ向かう289系電車が、京都の車庫から出てきました。“コロナ禍”で気軽に出かけられない方が多いため、地方も苦しい状況が続きます。そこで、淡路屋では9月3日から都市部でも駅弁を通じて地方の食文化に触れてもらう「駅弁食べて地方へGo」という新企画もスタート。第1弾は京都・伊根の舟屋をモチーフとした「丹後 伊根の舟屋寿し」を開発しました。改めて感じるのは「苦しいときは挑戦ができるとき」だということ。淡路屋の次なるアイデアに期待が高まります。

(初出:2021年9月8日)

連載情報

photo

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史

昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。

駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/


「駅弁膝栗毛」バックナンバー



おすすめ記事

Copyright Nippon Broadcasting System, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/27/news008.jpg 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
  2. /nl/articles/2404/29/news009.jpg 天井裏から変な音がする→スマホを突っ込んで撮影したら…… 映った“とんでもねぇ”モノに「恐ろしい」「何これ」と騒然の196万表示!
  3. /nl/articles/2404/27/news009.jpg しぶとい雑草“ドクダミ”を生やさない超簡単な方法が115万再生! 除草剤を使わない画期的な対策に「スゴイ発見」
  4. /nl/articles/2404/29/news012.jpg 0歳赤ちゃんの手をママがにぎった瞬間、いとおしすぎるリアクションが! 「かわいいな〜〜!」ともん絶する人続出
  5. /nl/articles/2404/29/news022.jpg 1歳娘とママの前に虫出現!→叫びながら必死で退治していると…… まさかの結末に「爆笑」「2人ともよく頑張った」
  6. /nl/articles/2404/28/news005.jpg 「とんでもないものが売ってた」 ハードオフに“33万円”で売られていた「まさかの商品」に思わず仰天
  7. /nl/articles/2404/29/news004.jpg アルミ板に水銀を垂らしたら……? 5000万再生の“衝撃的な実験結果”に「不気味」「一生忘れられない」
  8. /nl/articles/2404/27/news066.jpg 東京駅の中身ってこうなってたんだ! 豆知識が詰まった手描きの断片図に「これ凄い!」「見ながら散策したい」の声
  9. /nl/articles/2401/18/news035.jpg 「起動しません」 ハードオフで4000円のジャンクPS4購入→電源入れると“驚きの結果”に「そんなことあるんだ」
  10. /nl/articles/1901/08/news126.jpg 正体不明の「なにかふしぎなもの」がハードオフで販売→Twitterで情報集まり正体が判明
先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」