冒険者大興奮の市街戦「ビシージ」とは?――「FFXI」:「ファイナルファンタジーXI アトルガンの秘宝」(2/2 ページ)
ついに蛮族軍がアルザビに侵攻!……そのとき、冒険者は?
蛮族軍がアルザビの街に到達すると、街には第一級戒厳令が発令される。アルザビエリアにいると自動的にイベントが始まり、それが終わると街の中に大量のモンスターが出現するのだ。戦いの火蓋が落とされると、いたるところで魔法が飛び交い、武器がうなりをあげる。ビシージではパーティに関係なく、その場にいる全員で同じ敵に攻撃することができるのだ。また、冒険者が多くて確認しずらいが、皇国軍のNPCたち――ゴブリンの傭兵や、封魔堂を守る五蛇将なども戦闘に参加している。敵はなかなか手強く、束になってかかった冒険者たちが、強力な範囲攻撃によって一斉に戦闘不能になる場面もちらほら……。それでもめげずに戦い続け、ある程度のモンスターを殲滅すると、蛮族軍は撤退する。しかし、もしも五蛇将をすべて倒されてしまった場合は、魔笛は蛮族軍に奪われ、防衛失敗となってしまうのだ。
蛮族軍が撤退すると、冒険者たちによる勝利の雄叫びがアルザビ中に響き渡る。参加者は活躍に応じた経験値と皇国軍戦績を獲得できるといううれしいおまけもある。だが、まだ安心はできない。蛮族軍が撤退した場合でも、冒険者たちの健闘具合によっては、アルザビ内のNPCが、蛮族軍の捕虜として蛮族拠点に連れ去られてしまうのだ。捕虜となるNPCはショップの店員であったり、合成ギルドの職人であったり、競売所や宅配の係員であったりと、街の機能の一端を担う人ばかり。そして、それらのNPCのなかでもっとも冒険者たちから安否を心配されているのは……なんといっても、ジュノ近辺へ無料でワープさせてくれるShihu-Danhu氏、通称:デジョンタルタルだ。
アルザビに隣接するアトルガン白門にも、ジュノへのワープをしてくれるNPCはいるのだが、こちらは利用料を徴収される。しかし、アルザビの彼は魔法の練習中の身ゆえに、冒険者を実験台として無料で飛ばしてくれるのだ(ジュノ内に飛ばされることはまれで、たいていはジュノに隣接するエリアのどこかだが……)。このため、冒険者たちはビシージ終了後には、まず彼をチェックする。無事が確認されると、「【デジョン】【タルタル】【見つけました!】」と誰からともなく定型文を使った報告のシャウトが起こり、ほかの冒険者たちも「【やったー!!】」と、それに応えるのだ(英語版プレーヤーからは、「【Warp】【Tarutaru】【Found it!】」「【All right!】」と見える)。ちなみに、もし捕虜が発生したり、魔笛が蛮族軍に奪われてしまった場合は、冒険者たちが蛮族拠点に取り返しに行く必要がある。
これからの「ビシージ」はどうなる?
もともと冒険者たちの強い要望から始まった要素であることもあり、ビシージに対する冒険者たちの関心は非常に高い。そのため、ビシージが発生するたびにかなりの数の冒険者が参加し(筆者が参加したものでは、最高で750人の冒険者がアルザビに集結した)、現在のところは防衛が失敗するという状況は起こりにくくなっている。しかし、バージョンアップで蛮族軍の強さなどの調整がたびたび行われているため、今後も状況は変化していくことだろう。魔笛が蛮族軍に奪われた場合の展開など、非常に興味深いところである。
ビシージは、一種のお祭り的な高揚感を感じさせてくれる。行軍開始のアナウンスが流れると、冒険者たちはともに蛮族軍を撃退する仲間を集め始め、いやがおうにも士気が高まる。普段のレベル上げでは、ジョブや役割を考えて行うパーティ編成も、ビシージではその場にいる人が適当に組むし、いまいち冒険者のあいだで定着していなかった「おまかせパーティ編成機能」(同一エリア内で参加希望を出している人を、ある程度バランスの取れたジョブ構成で、自動でパーティにする便利な機能)も、ここにきて大活躍だ。日本人も外国人も、言葉の壁など関係なくはしゃぎまわり、無事に勝利したあかつきには皆で防衛成功を喜ぶ、非常に楽しいイベントであるといえる。蛮族軍の強さ的に高レベル向けの要素ではあるが、まだ体験してない冒険者は、ぜひ味わってみてほしい。
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