あなたにも参入可能!? サイドビジネスで始めるキャラクタービジネス 実践編大日本技研に聞く(6/6 ページ)

» 2012年10月26日 11時02分 公開
[種子島健吉,ITmedia]
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技研の組み込み「技」

 昔のアニメに登場するロボットで良くいわれることに「関節が曲がらないのでは?」というものがあります。当時はCGがなく、すべて手描きだったのであまり複雑な機構を設定できなかったというメカデザイン上の事情があると思われますが、それでいちばん困るのは立体製品化のときです。そこでガンプラなどでは、足回りの装甲を可動式にするなどして解決してきたわけですが、昨今、技術が発達して二足歩行できるロボットが製品化できるようになったことで、またもや問題が発生することになりました。二足歩行ロボットには脚部などを駆動するためのサーボモーターを組み込む必要がありますが、スマートなアニメロボット風のメカデザインではそのスペースがないことが多いのです。

 かねてからエアガンを組み込んだモデルガンに取り組んでいる大日本技研では、そのノウハウを応用して、二足歩行のホビーロボットの外装制作も行っています。そのデザインは何気ないように見えて、実際のボリュームよりもスマートに見えるよう、目の錯覚を計算したラインやエッジで構成されています。配色も、要所に濃い色を配置することで、引き締まった印象にしています。

画像 出渕裕氏がデザイン監修した「HRP-2m チョロメテ」の外装は、大日本技研製だ。ロボットの可動に必要とされるサーボモーターなどを内蔵しつつスマートに見えるように、各パーツを構成するラインやエッジ、濃い色にする部位などを計算したデザインとなっている

画像 模型で培った知識、CADで培った知識、両方を駆使することで、内部にギミックを組み込むスペースの確保をしつつボリューム感を抑えた引き締まったフォルムを両立させている。何気なく見えるエッジの角度も、目の錯覚を計算に入れたものなのだ

※すべての画像は大日本技研、あるいは版権元に当記事で使用するための許可を得て掲載しています。転載はご遠慮ください。
(C)サイコパス製作委員会


海洋堂 総務担当 小林弘行氏に聞く:「当日版権」とペナルティ

 お話の中で田中氏も具体的には知らないということだった、「ワンダーフェスティバル」の「謎」の部分について、海洋堂の小林氏に「個人的な見解としてなら」ということで、教えていただきました。


 「当日版権」システムは、ガレージキットの展示即売会「ワンダーフェスティバル」で、マンガやアニメなどの版権作品に関する造形物を制作して、イベント当日に限り展示販売できるように生み出された特殊な版権システムです。そしてこれは、各版権元の皆さまにご理解いただいてはじめて実現しているものです。

 当然「ワンフェス」参加者の皆さまの多くは少数のキット販売ですから、許諾側の版権元の皆さまからからすれば、手続き上の人件費などを考えてしまうと利益はないに等しいのです。しかし、それでも参加者の皆さまの熱い思い、我々は「ガレージキットスピリッツ」といっていますが、それを理解してくださってご協力いただいています。

 ただ、参加者数が増えてくると、中には当日版権は取得したものの、制作が間に合わず、深く考えず簡単に「参加しません」という方もおられます。「当日版権」システムというのは、事実上「契約」ですから個人の都合でお気軽に反故にして良いことにはならないですし、なによりご厚意から協力してくださった版権元の皆さんに対しても道理が通らないですよね。

 ですから、「参加費はちゃんと払ってるんだから、参加する、しないは勝手でしょ」というような勘違いをされて、そもそもの「ワンダーフェスティバル」の趣旨や「当日版権の本質」を理解されず、結果的に責任を放棄なさるようなケースの場合、やむえず次回参加不可、悪質な場合には永久参加不可のペナルティなどが課せられる場合があります。

 「参加マニュアル」や「版権の手引き」に、ペナルティの内容が明文化されていないのは、「そんなことは、まず最初に社会的な常識として理解くださっている」のが前提だからだろうと私は考えています。

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