ヒーロー系ロボット、キングカイザーがメディアミックス展開!?二足歩行ロボット

モーションキャプチャ操縦に瓦割り、毎度ながら驚かせてくれるヒーロー系二足歩行ロボット、キングカイザーですが、今度はなんと日韓のテレビ番組に出演、ゲームとアニメにも登場していたんです!

» 2012年12月03日 11時27分 公開
[種子島健吉,ITmedia]

キングカイザーがテレビで、ゲームで大活躍!

 ITmediaでも何度か紹介している、ヒーロー系二足歩行ロボットのキングカイザーですが、日韓のテレビに出演し、ゲームにも登場していたのはご存じでしょうか?

 まずは9月12日に放送された、NHK「大!天才てれびくん」です。放送局に確認したところ残念ながら再放送、NHKオンデマンドでの配信予定はないそうですが、放送技術研究所のコーナーに登場し、主任、ふかわりょうさんをはじめとした出演者の前でパフォーマンスを披露しました。この回のテーマは「無線操縦」ということで、キングカイザーも参加した「RoboGames2012」の映像も紹介されました。

 まずキングカイザーを紹介する映像が流れ、実際にキングカイザーが出演者の前に登場、ホビーロボット競技会に出場する本格的な二足歩行ロボットを目にしたことがなかったふかわさんたちがその動きとパワーに驚いたところで、出演者の一人である島田太一君が操縦体験してみるという内容でした。

 出演者の子供たちが「スゴイ!」「カッコイイ!!」を興奮気味に連呼し、撮影時間の都合で操縦体験できなかった子が「操縦したかった……」と心底残念そうにしていたのが印象的でした。

画像 キングカイザー登場シーンの撮影が終わり、体験操縦シーンの撮影に入るためにセッティング中の様子。左からキングカイザー制作者の丸直樹氏、放送技術研究所主任役のふかわりょう氏

画像 スタンバイ中のキングカイザーと丸氏、そして同行の息子さんでメインパイロットの健太君(収録は学校がお休みの休日に行われた)。収録では丸氏が操縦したが、健太君はアシスタントを務め、難易度の高い動作が必要になったときのために待機していた

 さて次に9月29日に韓国SBS放送で放送された「スターキング」です。撮影は、韓国のスタジオで行われました。収録は丸氏と三男の飛夢馬君が現地におもむき、キングカイザーと飛夢馬君のダンス、丸氏による人間の体の動きをトレースして操縦するマスタースレイブシステムの実演、韓国のアイドルによる操縦体験、映画「リアルスティール」を彷彿させるリングのようなセットで韓国のお笑い芸人とボクシング対決、そして最後にこちらでも紹介した瓦割りという盛りだくさんのプログラムで、韓国の皆さんを大いに楽しませたそうです。

 そして、9月18日に放送されたフジテレビの「めざましテレビ」にも出演。マスタースレイブシステムでキングカイザーを操縦しながら竹内友佳アナウンサーが登場し、キングカイザーと竹内アナが握手した後、瓦割りのデモンストレーションをしました。筆者は丸氏から、キングカイザーを囲んで記念撮影した竹内アナと飛夢馬君の3ショット画像を見せてもらったのですが、フジテレビジョンに確認したところ、アナウンサーの画像、映像の使用に関して社内の厳しい運用基準があるとのことで残念ながら掲載不可でした。

 テレビだけではありません。実はゲーム「ロボティクス・ノーツ」にも主人公たちに立ちはだかるライバル、デビルストロンガーとして、キングカイザーをモデルとしたロボットが登場しています。ちなみにキングカイザーをモデルとしたロボット登場の経緯は、ゲームの開発関係者がロボット競技会の映像などでキングカイザーの活躍を目にし、「ぜひ登場させたい」と思ったというものだそうです。10月から放送中のアニメ版「ロボティクス・ノーツ」でも、その姿を見ることができます。

メディア出演の意味

 しかし、ホビーの二足歩行ロボットビルダーにとって、ロボットの競技会「ROBO-ONE」の準備でいくら時間があっても足りないという時期に「なぜテレビ収録に応じたのか?」を丸氏に確認したところ、「ホビーロボットの素晴らしさを、なるべく多くの人に知ってもらいたかったから」という答えでした。

 また、連日尖閣諸島問題の報道がなされる状況で「なぜ韓国でのテレビ収録に応じたのか?」も確認したところ、「ホビーロボットに国境なし!」という答えが返ってきました。キングカイザーのパフォーマンスに驚愕し、拍手する観客の姿は日本でも、アメリカでも変わらず、それは韓国でも変わらなかったそうです。

 また解説を担当していた韓国のロボット工学の専門家も「キングカイザーを最初に見たとき。企業や大学の研究チームのように何人かのチームで開発されたものだと思った。これを個人が作り上げたとは驚きだ。技術力うんぬんでなく親の子供に対する愛情のようなものが作り上げたのだろう」と評価したということも、それを証明しているのではないでしょうか。

 すごいものはすごい。見たことのない想像を超えた性能を持つロボットは素直に賞賛する。そういった人間の本質的な部分はどの国の人も変わらないし、どこの国の人が作ったからといったことは些末なことである。そう感じさせてくれるポテンシャルがキングカイザーにはあるのかもしれません。

 「スターキング」放送後、ロボットコンテスト「IRC 2012」にも招待され再び韓国に渡ったキングカイザーでしたが、そこでも大人気で、「スターキング、ミマシタ!」と日本語で声をかけられ、記念撮影してほしいという観客や参加者がたくさんいたそうです。

画像 韓国のロボット工学の専門家が「このロボットは、子供達に夢を与えられるロボットである」とコメントしたキングカイザー。その「夢」がこのトランクいっぱいに詰まっている、という梱包中の貴重なショット

画像 実は、キングカイザーの頭部と拳はこちらでも取材した、大日本技研の田中誠二氏が制作協力したものなのだ。キングカイザーの精悍な面構えの秘密はプロの技にもあった

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