山の斜面に「普通の人」石像400体 知る人ぞ知る富山の珍スポット「ふれあい石像の里」が色々おかしい

像像像像像像像像像像像像像像像像……。

» 2013年09月16日 08時00分 公開
[黒木 貴啓,ねとらぼ]

 山の斜面に1400体もの石像がずらりと並んだ珍スポットが、富山にある。ほとんどの像は坊主頭の羅漢様だけど、なぜか中には街で普通に見かけそうなスーツ姿の男女たちの石像も。めちゃくちゃ笑顔だったりピースをしていたりと、石像にしてはなんだかフレンドリー……いったい何者?

 彼らはべつに富山の有名人というわけではない。ある実業家さんが個人的にお世話になったという理由で、記念写真を元に勝手に石像にされてしまった方々なのだ。そんなとんでもない石ゾーン「ふれあい石像の里」と「おおざわの石仏の森」を訪ねてきた。

画像 ずらっ……まだこんなものではない

 「ふれあい石像の里」「おおざわの石仏の森」は、富山市街から車で約15分、神通川第2ダム(富山市大沢野町周辺)のほとりにある無料施設だ。経営は富山県の医療法人・社団城南会。会長である古河睦雄さんが、観光名所になればと石文化への趣味も交えつつ、中国の彫刻家に依頼して1989年に創設した。費用は6億円……いろいろスケールが突き抜けている。

画像 富山市の大沢野町近く、牛ヶ増という地域にある。車でないとなかなかアクセスしづらい

 心優しい富山市猪谷住まいの女性ドライバーに拾ってもらい、41号線を走りながら大沢野町あたりで窓の外を眺めると、神通川の向こうに例の石像たちが現れた。山のふもとあたりの一帯に白っぽいのがぎっしり。目をこらすと多くがこちらへ顔を向けていてちょっと怖い。

 富山の知り会い5、6人に聞いても誰も知らなかったが、運転手いわく国道を使う地元民の間では有名なスポットとのこと。夜はライトアップされ、初めて見た人はたいてい驚くと笑っていた。うん、絶対怖いだろう。ネットでは富山の珍スポットとしてたびたび話題に上がっているので、どうも知る人ぞ知るニッチな施設のようだ。

画像 対岸に白いかたまりが見えてきた!!

 目的地のすぐ対岸に下ろしてもらい、さっそく石像の里へ。石像の森には羅漢像が500体ほど並び、そこから800メートルほど離れた里の方に、お目当てのまったく知らない人たちの像……会長さんの先生、友人、親族といった身近な人たちの像があるらしいのだ。

画像 名前が彫られた石塔は木で隠れちゃってるけど、「ふれあい石像の里」に着いた

画像 ふぁっ!?

画像 あたりには像! 像! 像!

画像 像像像像像像像像像像像像像像像像……像! 多すぎるよ!!

 里に着いてみると、その多さに苦笑い。石畳の空き地をコの字に囲むように、山の斜面や原っぱにずらっと、知らない人の像400体と羅漢像300体、総勢700体が並んでいる。神社に石像が1体あるだけでけっこうな存在感なのに、ところによってはパチスロ台みたいにぎっちり密着して並んでいて、とんでもない威圧感だ。みなさん中央の空き地を向いていて、そこに立つと視線の集中砲火、ものすごく落ち着かない。ていうかどこにいてもそわそわするよ。

 会長さんにとっては大切な、僕にとっては全然知らない人の像を、1つ1つ鑑賞していく。笑顔でピースサインを決めているおばちゃんに、口をぽかーんと開けて突っ立っている女の子。記念写真から作られたためか、ほかの観光地ではまず見られないような石像と何度も出くわし、飽きが来ない。一応どの台座にも「保」「ヤスコ」など名前らしきものが彫られているけど、知ってもしょうがないよ、シュールすぎるよ。

 ではここから、気になった石像の写真を紹介していきたい。

画像画像 ばっちり笑顔でピースサイン

画像画像 めっちゃ焦っている人とめっちゃ安心している人

画像画像 ものすごくつまらなそうな女の子(左)と男の子(右)

画像 変なの持ってるシリーズ1.「車のハンドル」 運転中の写真使われちゃったのかなぁ

画像 変なの持ってるシリーズ2. このおじさんが持っているのは何かな……?

画像 「八万」でした。八万かー、そっかー

画像 変なの持ってるシリーズ3.「ペガサス」 もはや何でもあり

画像画像 トラやヒツジにスーツ姿で乗ってる女性もいましたよ

画像画像 山となってくると、ツタまみれになっちゃうおじさんも。右のおじさんは鼻にミノムシがついて、鼻毛が生えている感じになっているという自然の驚異

 妙なテンションのまま敷地を駆け巡り、珍石像ツアーは1時間弱であっという間に終了。元の写真にアレンジが加えられたのか、ヒツジやトラに乗ったスーツの女性や、小さなペガサスを抱えたシャツ&ネクタイの男性など、たまにあった動物コラボものが忘れられない。

画像 羅漢像にも不思議なものが。原監督ばりのガッツポーズを見せる羅漢様

画像 ペットが懐いていることアピール

画像 奥でサボっている人もいました。ゆ、ゆとり羅漢??

 ちなみに大量の羅漢像は、寺院などによくある五百羅漢にならい、石仏の森と合わせて300体多い「八百羅漢」として設置されている。僧の中でも尊敬に値する者としてお偉いはずの羅漢様。数が多いせいなのか、ガッツポーズをしたり自ら頭をつかんで首をのばしたりとちょいちょいおちゃめな羅漢様がいて、こちらの方も見所というかツッコミどころがあった。

画像 石仏の森のほうも羅漢像いっぱいだったよ、石像酔いしそうだったよ

 数から種類まで、型破りな石像たちにハラハラし通しだった石像の里と石仏の森。徒歩だと最寄り駅のJR笹津駅から約30分くらい。駐車場もあるので、車で通りがかった際には一度そのスケールの大きさに興奮してみては。

画像 羅漢様も首を長くして待っています!

関連キーワード

写真 | 文化 | 観光地


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2505/13/news020.jpg 小5のときに描いた絵→4年後…… 「ねぇ何があったん?」「鳥肌立った」中3になって描いた絵が160万再生
  2. /nl/articles/2505/15/news047.jpg コンビニコーヒー「Sください」と言ったのに…… “店員のミス”を指摘もまさかの赤っ恥に「これは絶対に間違える」「私もやった」
  3. /nl/articles/2505/13/news104.jpg 「娘の目が大きいのは赤ちゃんだから」と思っていたママ、成長すると…… 驚きの姿に「ディズニープリンセスだ」【海外】
  4. /nl/articles/2505/15/news034.jpg ショウガを土に埋めて水やりすると……「すごすぎる!!」 想像もつかなかった、とんでもない状態に37万再生
  5. /nl/articles/2505/13/news195.jpg ママ「保育料の口座にお金入れて」→よく見ると……  パパ絶叫のやり取りに「スゴー!」「振り込め詐欺かとww」
  6. /nl/articles/2505/15/news024.jpg 高校生息子にリクエストされたお弁当を作ったら…… 驚きの出来上がりに「えっこれ全部息子さんの分?」「うらやましい」 話題になった投稿者に聞いた
  7. /nl/articles/2505/13/news015.jpg ジブリパークで「シータだ、かわいい!」と言われまくった9歳娘→思わず納得の見た目に「久々ときめいた」「完璧」
  8. /nl/articles/2505/15/news144.jpg 7歳だった“乃木坂46ファン”が7年後……“白石麻衣とのエモすぎる会話”に「すごい話だ……」「受け継がれるアイドル」と感動広がる
  9. /nl/articles/2505/13/news058.jpg 猫の“今にも抜けそうな毛束”を引っ張ったら……「思ってた抜け方と違う」 420万再生の光景に「ふぉぉぉ!」「マジで全然違った」
  10. /nl/articles/2505/14/news015.jpg スーパーで買ったアサリの殻を開けたら…… もぞもぞ動く“寄生者”が「初めて見た」と話題 あれから生き物はどうなった?
先週の総合アクセスTOP10
  1. 急性骨髄性白血病で闘病中だったVTuber、死去 「復帰を目指して闘病」 専門学校の講師としても活動
  2. 万博の“着物ショー”に天皇陛下だけ許される「装束」登場で物議…… 「深くお詫び」主催者謝罪
  3. 「腹筋捩じ切れましたwww」 夫が塗った“ピカチュウの絵”が……? 大爆笑の違和感に「うちの子も同じ事してたw」 投稿者に話を聞いた
  4. 大人なら解けないと恥ずかしい? 「(1/8)−(1/8)」を計算せよ!【算数クイズ】
  5. 「女の子みたいな顔だね」と言われ続けた男の子、20歳になったら→「神がかってる」姿に驚がく 「人体の不思議」「オーラが凄い」
  6. 使わなくなったカラーボックス→“ずぼらシンママ”が簡単DIYしたら…… 天才的な仕上がりに「かしこーい!!」「これ作ってみよう」
  7. クリスマスに出会ったギャルとギャル男が21年後…… 誰も予想できない現在に「素直に凄い」「人に歴史あり」と称賛の声
  8. カルディ全店で販売の生ハムから「サルモネラ属菌」検出…… 「心よりお詫び」7万個自主回収
  9. マクドナルド、次回ハッピーセットコラボに「待ってました!」 人気作の登場に混乱の懸念も「すぐ売り切れそう」「初週ヤバいぞ」
  10. お隣さんから丸見えの土地→巨大ウッドフェンスを7日かけてDIYしたら…… 雰囲気ガラリで「すごい大作ですね」「ワクワクした」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 築53年家賃4万円・何てことない団地のドアを開けると…… まさかの空間出現に驚きの声「素敵」「ここまでお洒落に」
  2. 小学生時代「こんなプラモ誰が買うんだよw」→40年後…… “大人になった”を実感するエピソードに「分かる」「特大ブーメランw」
  3. 49歳病没の大宮エリーさん、生前開催の個展で「体調も万全でなかったので不安」 3カ月前には苦しげな姿も「声が出にくい」
  4. 自販機に“1000円”を入れたら……? 出てきた“とんでもないお釣り”にお口あんぐり「こんなん初めて見た」
  5. 自宅の犬小屋に住み着いた野良猫、1年後の姿に「泣いた」と大反響 それからどうなった?現在の様子を聞いた
  6. 100万円の“錦鯉”を自宅の池に入れたら…… 「おかしいでしょ」3日後、まさかの事態に「鯉は難しい…」「信用が大切ですね」
  7. パパに、保育園へ行く娘のヘアアレンジを任せたら…… ママがひっくり返った“仕上がり”が400万表示「重力どこ?」「頑張った感がいい!」
  8. 「成長したらそのうち襲ってくる」と言われたワニ、16年後……→ 280万回再生を突破した驚きの姿に「初めて見た」の声
  9. 人里離れた山にカメラを設置→1週間後…… 「なんで?」映っていた“意外すぎる住人”に「笑った」「実在していたのか!」
  10. 「神パンツきた」 ユニクロ新作“3990円パンツ”が品切れラッシュの大人気 「過去イチかも」「本当にこれは買い」