暇を持て余した神々の殴り合い イエスやブッダが戦う“神”格ゲー「Fight of Gods」プレイレビュー

頬を差し出して殴られたところにカウンターをたたき込むイエス。【訂正】

» 2017年09月07日 16時55分 公開
[コンタケねとらぼ]

 Steamで早期アクセス(開発途中版)として販売を開始した、「Fight of Gods」が盛大にやらかしていると登場数日にして一部のマニアを熱狂させています。オーソドックスな対戦格闘ゲームなのですが、タイトルの通り登場キャラがイエス・キリストやブッダなど“神”ばかりなのです。これは神ゲー(物理)ですわ……。


Steam Fight of Gods 神ゲー まだタイトル画面的なものはないようで最初からこの画面

 神話などの登場人物が元ネタになっているゲームは多数ありますが、同作は「磔の十字架をへし折ってトンファー的な武器として使うイエス」や「座禅を組んだまま空中に浮かんで戦うブッダ」などちょっと歴史を学んだ中学生が即興で作ったような限りなくステレオタイプなキャラデザインとなっています。この2人が対峙しているだけでひどい絵面に。


Steam Fight of Gods 神ゲー コラ画像感に満ちあふれている


Steam Fight of Gods 神ゲー 十字架をへし折るイエス


Steam Fight of Gods 神ゲー なんか神の力っぽい“光”を放ち戦うイエス


Steam Fight of Gods 神ゲー YOU WINじゃないんだよ

 「右の頬を殴られたら左の頬を差し出せ」という有名なイエスの言葉がありますが、このイエスは右の頬を差し出しながら殴られそうになるとカウンター攻撃をたたき込むというあんまりな技まであります。作者には一度天罰が下ったほうが良いのではないしょうか。


Steam Fight of Gods 神ゲー 頬を差し出すイエス


Steam Fight of Gods 神ゲー 殴られそうになったところをドーーーーン!!

 公式のスクショを見ているだけでも古今東西の神々に向かって「許し給え……」と祈りそうになりますが、毒を食らわば皿までということで実際に購入して遊んでみました。どんなぶっ飛びゲーでも驚かない覚悟を決めて、いざプレイ開始!


Steam Fight of Gods 神ゲー 公式スクショその1。滝を割って津波を起こすモーセ


Steam Fight of Gods 神ゲー その2

おかしいな普通だぞ……

 同作で使用できるのは、全10キャラ。モーセやアヌビス、関羽などさまざまな神がいます。日本からもアマテラスが出演。イエスやブッダに比べると、他のキャラのデザインは割りと落ち着いた仕上がりになっています。グラフィックは700円台にしてはそこそこ。しかも全キャラボイス付きで、アマテラスはちゃんと日本語(やや片言)です。


Steam Fight of Gods 神ゲー オーディンと関羽


Steam Fight of Gods 神ゲー ゼウスとアテナ


Steam Fight of Gods 神ゲー アヌビスとアマテラス


Steam Fight of Gods 神ゲー シフとモーセ


Steam Fight of Gods 神ゲー 理由については語らないが日本で人気が出そうなシフ

 ゲームシステムはオーソドックスな格闘ゲームで、コマンドも「ストリートファイター」シリーズによくあるものとなっています。特徴として、技ゲージとは別にもう1本ある特殊なゲージがMAXになると、キャラに応じた特殊な能力を一定時間発動できます。


Steam Fight of Gods 神ゲー イエスの技表。技が3つのキャラが多いがイエスは少し多い

 操作性は比較的良好で、なかなか動かしやすい感じ。コンボも多彩でコマンドさえあっていればちゃんとつながってくれますし、攻撃がヒットしたときの効果音や重厚感もちゃんとしている……あれ、おかしいな、見た目に反してちゃんと「格ゲー」してるぞ……?

 もっとこう、「無重力空間かのようなもっさりバトル」とか「弱パン連打で無限お手玉コンボ」とか「投げたら地中に埋まってハマる」とか「仏の顔の数だけ無料で遊べちまうんだ!」みたいなガンジーでも勢いつけて殴るレベルのものが出てきて「ジーザス・クライスト!」と叫びながらアンインストールして終わるつもりだったのですが……。

 というわけで、意外にもちゃんとできています。細かい部分では判定が小さ過ぎる攻撃があったり“昇竜コマンド”が出しにくかったり一部のキャラで10割コンボが確認されていたりと調整が甘い部分はまだまだありますが、世紀末バスケとか戦国陸上とかに比べれば「格ゲー」していると思います。まだ早期アクセスですしね。

サマーソルト燕返し斬空波動拳

 せっかくなので、まずはアマテラスを使用してアーケードモードをプレイしてみました。前述の通りイエスやブッダに比べると普通なデザインになっており、弓矢で戦うという地味っぷり。どうやら制作したのが台湾のチームらしく、関羽と並ぶ無難キャラに仕上がっています。

【訂正:2017年9月7日18時00分 初出で中国のチームと表記しましたが、正しくは台湾でした】


Steam Fight of Gods 神ゲー アマテラスの戦闘前ムービー。中国製のゲームにしては洋げーチックな顔立ち

 まあ、アマテラスもアマテラスで「燕返し!」と叫びながらサマーソルトキックをぶちかますという、やはり微妙にズレた日本感が出ていますが。佐々木小次郎が大激怒しそうです。


Steam Fight of Gods 神ゲー アマテラスの対空技「燕返し」。何もかもが間違っている

 性能としては、弓を射る技は弱で真っすぐ、中で斜め上、強でほぼ真上に射って時間差で落下させることができる他、無難な対空の燕返しと、迎撃技の水鏡の盾の3つが使えます。特に弓を射る技は空中で撃つことができるうえ、全盛期の豪鬼の斬空波動拳みたいな軌道で飛んで行くため高性能。


Steam Fight of Gods 神ゲー 空中射撃。良い角度で飛んでいく高性能技

 しかも同作は宙に浮く技のほとんどが落下中に攻撃が出せる仕様になっているため、アマテラスは「昇竜(燕返し)で対空しながら落下中に斬空波動拳」みたいなことができ楽しい感じ。また、CPUが飛び道具に弱いため、最高難易度でも楽に勝てます。聖なる力で戦うイエスも、仏パワーで戦うブッダも、古代エジプトパワーで戦うアヌビスも弓矢の前にひれ伏しました。

 ただアマテラスはコンボの威力が全然出ないようで、上級者同士の対戦になるとつらいキャラかもしれません。このゲームで上級者同士の対戦が実現することがあるのかは不明ですが。ちなみに現在ネットでは、ブッダが強キャラと評判です。

神々の塩試合

 全10キャラを倒すと、ラスボスが出現。神々を超えるラスボスって一体誰なんだろうと思ったら、名前が「BOSS」のなんかよく分からないやつでした。ま、まあ早期アクセスですしね。きっと今後ちゃんとしたキャラ付けがなされるのではないでしょうか。


Steam Fight of Gods 神ゲー 謎の「BOSS」。めちゃんこ強い

 ちなみにこのラスボス、「ザ・キング・オブ・ファイターズ」シリーズのラスボスのごときとんでもない攻撃力と防御力に設定されており、まともに戦うと非常に厳しい戦いとなります。が、例によって飛び道具に弱いCPUが仇となり矢を全然飛び越えることができず、文字通り的状態になってしまうのでした。

 しかし防御力が高い+飛び道具の威力が低いせいで、ワンサイドゲームにもかかわらずKOできずタイムアップ勝ちという結果に。神々の最終決戦は、見るにたえない塩試合となりました。しょっぱい試合ですみません。


Steam Fight of Gods 神ゲー やたら硬いラスボスを低火力技でちびちび削ってタイムアップ勝ち。格ゲーにありがちな光景がここでも繰り広げられた

オンライン対戦実装予定! やるなら今だ!

 Steamの商品情報ページによると、次回のアップデートでは公式に日本語に対応する予定とのこと。さらに、正式版ではオンライン対戦も実装! 熱い! 世界中で「ブッダ強キャラ過ぎ修正しろ」とか「イエスの10割コンボまじうぜぇ」とか語られるようになるわけです。考えただけで震えが止まりません。

 日本では新作のリリース数が全盛期に比べ随分と減ってしまった格ゲーですが、「Fight of Gods」がまた盛り上げてくれるかもしれません。ネタゲー愛好家だけでなく、オールドタイプなゲーマーも触ってみてほしい一作です。

 定価は798円ですが、9月12日まで478円で購入できます。

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