バキ世界におけるルビの使用(つか)い方講座、開始(はじ)めいッッ!刃牙×ねとらぼ『男雄漢比較べ』

臀部(けつ)で炸裂(はじ)けた人たちへ捧呈(ささ)ぐッ!

» 2017年10月17日 11時00分 公開
[にゃるらねとらぼ]

 にゃるら(@nyalra)です。前回のバキ記事が好評だったようで第二弾です。

 さて、今回はバキ独自のルビの使い方になる訳ですが、手っ取り早く理解(わか)る代表的な例として……


グラップラー刃牙 30巻 8-9P

 「開始(はじ)め」があります。

 この読み方はバキを読む上での基本中の基本でして、試合時に「開始(はじ)めいッッ」の叫びから開幕する事は珍しくありません。恐らくバキ読みの中で最も多用されている表現ではないでしょうか。

 個人的に一番好きな「開始め」は


バキBAKI 26巻 50-51P

 郭海皇 対 範馬勇次郎戦での見開きです。宙を舞う車椅子とただ立ち尽くす勇次郎の構図が素敵。ちなみにバキ世界ではセックスも試合の1つなので、当然性行為前にも「開始(はじ)め」が使用(つか)われています。


グラップラー刃牙 30巻 80-81P

 と思いきや、普通に「始め」が出てきたりで、やはり板垣先生の深い考えを理解し切るには、まだまだ一般読者では到底遠く及ばなかったり。


グラップラー刃牙 42巻 138-139P

 他にも代表的なルビとして「守護(まも)る」「理解(わか)る」「続行(つづけ)る」などもありまして、難しいところとして「敗北」「敗北(まけ)る」でなく「敗北(やぶ)れる」だったります。更に「理解(わか)る」が「実(わか)る」に変化(かわ)ったりなど、ルビもグラップラーたちと共に成長していくのです。

 この読み方に慣れてくると、友達とのLINEも「今期のアニメ視聴(み)たか?」とバキ風になってきたり。


グラップラー刃牙 42巻 61P

 このルビの使い手は歴戦のグラップラーたちのみでなく、バキ世界では恐らくアシスタントが描いたであろうタッチの違うモブですら使用(つか)います。「接近(ちか)づくのが見えないッッ」、なんともバキらしい良い盛り上げ方ですね。


バキBAKI 27巻 162P

 個人的なひいきでまたまた郭海皇なのですが、「また闘(や)ろうや」はシンプルながらも痺れるルビでして、「戦い」でなく「闘い」である意識の違いがはっきり伝わります。

 バキ中には「たたかい」もどんどん進化していきまして、中には「葛藤(たたか)って」「闘争(たたかい)」「格闘(たたか)わ」「親子喧嘩(たたかい)」と多種多様。


グラップラー刃牙 1巻 10P

 記念すべき初の特殊なルビは「達人(センセイ)」。まだ主人公であるバキすら登場していない頃から、漢字のよみをただ読むだけではない方向性が決定(きま)っている事が理解(わか)ります。


グラップラー刃牙 2巻 90P

 初期で好きなルビは、ボクシング部の高山さんが言い放った「女(キミ)」。この回の前にバキが地上最強の男について語る部分からつながり、グラップラー刃牙が無謀で馬鹿な男たちの物語であることを印象づけます。

 ちなみに女のルビは後にSAGAでの「女(イロ)」も詩的で美しく、他にもSAGAには勢い良く乳首を吸いながらの「的確(ただし)かった」「快感(ダメージ)」など素敵ルビのオンパレード。

 バキ世界でのルビも最新に近づく程に進化していき、範馬刃牙での親子喧嘩(たたかい)では、もはや普通に読むパターンの方が少ないのではレベル。


範馬刃牙 30巻 178P

 「臀部(けつ)で炸裂(はじ)けた…人類(ひと)ならぬモノの衝撃…………」

 逆に衝撃はしょうげきで良いんだと安心してしまうくらいの、激しいルビの乱舞ッッ!


範馬刃牙 30巻 119P

 名シーンである「イヤミか貴様ッッ」の前にも、わざわざ「十八(18さい)」とルビが振られている勇次郎のおちゃめさも語るに外せません。


範馬刃牙 31巻 127P

 更には地上最強の親父からの制裁時(こういうとき)にふさわしい鞭打を喰らった際にバキが発した「いたい」の連呼も堪りません。これほどに親のしつけを痛そうに描ける作家がいるでしょうか。


範馬刃牙 37巻 43P

 しかし、このルビの進化のゴールとも評すべき最終形態として、地上最強の親子喧嘩の終幕である『範馬刃牙』最終巻に使用(つか)われた「男雄漢比較(おとこくら)べ」は、もうここまで読んできた読者としては感涙モノです。

 ここまで散々男とはなにかを積み重ねてきたからこその「男雄漢比較べ」。これほどに範馬親子の喧嘩に適した表現はない。

 現在連載中の「刃牙道」でも、さらなるルビの発展を見届けていきたいです。

にゃるら


(C)板垣恵介(週刊少年チャンピオン)



Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. /nl/articles/2412/14/news019.jpg ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. /nl/articles/2412/15/news011.jpg 「懐かしい」 ハードオフで“30年前のPC”を購入→Windows 95をインストールしたら“驚きの結果”に!
  4. /nl/articles/2412/16/news107.jpg 「靴下屋」運営のタビオ、SNSアカウント炎上を受け「不適切投稿に関するお詫び」発表 「破れないストッキング」についてのやりとりが発端
  5. /nl/articles/2412/15/news035.jpg 餓死寸前でうなり声を上げていた野犬を保護→“6年後の姿”が大きな話題に! さらに2年後の現在を飼い主に聞いた
  6. /nl/articles/2412/10/news133.jpg 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. /nl/articles/2412/15/news002.jpg 毛糸でフリルをたくさん編んでいくと…… ため息がもれるほどかわいい“まるで天使”なアイテムに「一目惚れしてしまいました」「うちの子に作りたい!」
  8. /nl/articles/2312/15/news032.jpg 放置された池でレアな魚を狙っていた親子に、想定外の事態 目にしたショッキングな光景に悲しむ声が続々
  9. /nl/articles/2412/15/news028.jpg 脱北した女性たちが初めて“日本のお寿司”を食べたら…… 胸がつまる現実に考えさせられる 「泣いてしまった」「心打たれました」
  10. /nl/articles/2412/16/news023.jpg 父「若いころはモテた」→息子は半信半疑だったが…… 当時の“間違いなく大人気の姿”に40万いいね「いい年の取り方」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  2. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  3. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  4. 高校生のときに付き合い始めた2人→10年後…… 現在の姿に「めっちゃキュンってした」「まるで映画の世界」と1000万表示突破
  5. 大谷翔平の妻・真美子さん、ZARA「8000円ニット」を着用? 「似合ってる」「シンプルで華やか」
  6. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」 投稿者に感想を聞いた
  7. 高校生時代に父と撮った写真を、29年後に再現したら……再生数1000万回超えの反響 さらに2年後の現在は、投稿者に話を聞いた
  8. 散歩中、急にテンションが下がった柴犬→足元を見てみると…… 「そんなことあります?」まさかの原因が860万表示「かわいそうだけどかわいい」
  9. コメダのテイクアウトで油断して“すさまじい量”になってしまった写真があるある 受け取ったその後はどうなったのか聞いた
  10. 「やめてくれ」 会社で使った“伝言メモ”にクレーム→“思わず二度見”の実物が200万表示 「頭に入ってこない」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」