順天堂大医学部入試の「女子はコミュ力が高いので減点」ネットの反応は?
何を言っているのか……わからねえ……。
「女子は男子よりも精神的な成熟が早く、受験時はコミュニケーション能力も高い傾向にあるが、入学後はその差が解消されるため補正を行う必要があった」――12月10日に明らかになった順天堂大学医学部の不適切な入試基準に、批判が殺到しています。
第三者委員会の報告書によると、順天堂大は、主に面接などが行われる二次試験で「女子はコミュニケーション能力が高い」ことを理由に、女子の基準点を0.5点引き上げていた(男子と比べると、一律0.5点減点。面接点は5点満点)といいます。その結果、2017年・18年で本来合格基準にあった計165人が不合格となっています。第三者委員会は「合理的な理由なく、女子や浪人回数の多い受験生を不利に扱っていた」と指摘しています。
医学部の性別・年齢に関する不適切な点数調整は、10月23日に東京医科大学が公表して以降、さまざまな医大が同様の問題を抱えていることが判明しています。今回の順天堂大は「コミュ力が高いので減点」というパワーワードにより、一時はTwitterなどのトレンドを席巻しました。
ネットの反応はどのようなものだったのか。ねとらぼ調査隊が調べました。
盛り上がり
記者会見があったのは12月10日夕方。各紙・各メディアが会見の内容を報じると、ネット上では大きな話題に。深夜から翌朝にかけても盛り上がり、10〜11日に“山”ができています。
ポジティブ? ネガティブ?
ツイートのポジティブ/ネガティブ判定は、99%はネガティブ(本件に対して批判的な立場)。ねとらぼ調査隊ではさまざまな話題について調査してきていますが、これまでで一番ネガティブの割合が高い結果になりました。
注目ツイート
では、どのような批判がされていたのか。注目されたツイートを見ていくと、「日本の10代女子はハードモードすぎる」といった意見や、「コミュニケーション能力が高い医者にかかりたい(コミュニケーション能力が高い方を順当に評価するべき)」といったもの、「女子と男子のコミュニケーション能力の差はエビデンスがあるのか」といったものが並びます。実際、統計的に0.2点ほどの差はあるものの、「0.5点減点」にはエビデンスがないという結果が調査報告書には記載されています。
ネガティブなツイート
また、順天堂大のアドミッションポリシーにツッコミを入れる人も。同学は「柔軟性と強調性を備えた高いコミュニケーション能力を有する人」を求めています。しかし実際は「(女子に限り)コミュ力が高いので減点」という措置をしているわけで……どういうことなんだ……?
共起ワード
一緒に投稿されていたワード(共起ワード)は、「減点」「補正」など、報道の際に見出しに使われた言葉が多い結果になりました(多くのTwitterユーザーが、メディアの報道のURLととともにツイートしていたからであると考えられます。特に朝日新聞デジタルの記事が拡散されたようです)。
「コミュ力orコミュニケーション力」とよく呟かれていた言葉の中には、「言い訳」「ひどい」「差別」といった言葉も。記者会見での言い分に怒りや衝撃を覚える人が多かった結果になりました。
言い訳
酷い
差別
男女比と年齢層
男女比は
女性に対する減点のため、女性からの注目が高いのでは――と思いきや、男女比は、男性49.8%、女性50.2%とほぼ同数。女性だけではなく、男性からも驚きや呆れの声が上がっています。
年代は
年代はというと、10代:8.2%、20代:38%、30代:30.4%、40代:18.4%、50代:5.1%、60代:0.4%。20〜30代の注目度が高いです。
まとめ
医学部の不適切採点の問題にこれだけ多くの人が反応し怒りを覚えるのは、「入試は学力で公平に判断される場である」、いわば“聖域”であると考えられていたからではないでしょうか。12日には日本大学の医学部も不適切な合否判定があったことが判明し、まだまださまざまな学校に問題が残っていると思われます。平成が終わる前に、膿を出し切ることはできるのでしょうか……。
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