日本初の乳児用液体ミルクがついに発売 江崎グリコ「アイクレオ赤ちゃんミルク」、ママ&パパの反応は?

ねとらぼ編集部でも飲んでみました。

» 2019年03月11日 19時35分 公開
[青柳美帆子ねとらぼ]

 江崎グリコは3月11日、日本初の乳児用液体ミルク「アイクレオ赤ちゃんミルク」を全国で順次販売開始しました。東京・錦糸町で、ママ・パパ・ベビーの試飲会が行われました。

グリコ液体ミルク ついに解禁された液体ミルク

 乳児用液体ミルク(乳児用調整液状乳、以下液体ミルク)は、海外では一般的な商品なのに対し、日本では「食品衛生法」「健康増進法」が“壁”となり、普及が進んでいない状態でした。2018年8月の法改正により、ついに製造・販売が解禁となっていました。

 今回、日本で初めて液体ミルクを発売することとなった江崎グリコ。開発は2016年から着手されていたといいます。きっかけとなったのは、2016年に発生した熊本地震。支援物資として、フィンランドから液体ミルクが送られてきました。

 「災害で最も弱者になるのは、唯一の栄養源がミルクである赤ちゃん。ミルクが断たれると危機的な状況になってしまいます。しかし災害時には、お母さんの母乳が出なくなったり、粉ミルクを作る際にきれいな水が手に入らなかったりといったケースがあります。

 また、東日本大震災の際は、お母さんと赤ちゃんが離れ離れになることもありました。育児に不慣れな人や初めての人には、衛生的にミルクを作るのはなかなか難しい。赤ちゃんに国産の液体ミルクを届けたいという思いで開発をスタートしました」(江崎グリコ商品開発研究所ベビー・育児グループ永富宏さん)

 液体ミルク「アイクレオ赤ちゃんミルク」は、調乳済みで常温のまま飲ませられる紙パックの商品。希望小売価格は税別200円です。「母乳に近い栄養成分を目指した」といい、母乳と同程度のミネラル含有量、ナトリウム量を調整。母乳にも含まれるガラクトオリゴ糖を配合しています。

 6層構造の紙パックに殺菌したミルクを入れる「無菌パック製法」で、常温で賞味期限6カ月の長期保存が可能。紙パック内のアルミ箔の層が光や酸素を遮断し、栄養成分の保護をしているといいます。防腐剤、保存料は使用していません。殺菌方法を工夫し、液体の「白さ」にもこだわりました。

 使用方法は簡単。(1)赤ちゃんミルクと消毒した哺乳瓶を用意する、(2)ストローをストッパー部分が隠れるまで差し込み、手前に少し戻して穴をふさぐ、(3)ストローを曲げて液体ミルクを哺乳瓶に注ぐ、(4)哺乳瓶に乳首を付ける――です。水やお湯を加える必要はなく、また常温のまま飲ませても大丈夫。慣れれば数十秒で用意しミルクをあげられます。開封後はすぐに飲む、飲み残しは捨てることようにする必要があります。

グリコ液体ミルク 液体ミルクの使用方法

 会場となった「ベビーザらス」を運営する日本トイザらスの琢磨聡さん(マーチャンダイズ本部ベビー商品部)は、自身も4歳のお子さんの親。「自分も粉ミルクを作ることがありますが、飲ませるまでに平均15分ほどかかる。液体ミルクは数十秒で飲ませることができるので、災害時のみならず、夜間や外出時にも便利。今後のみなさんの豊かで楽しい暮らし作りに一役買えるのでは」と期待を抱きます。

 体験会に参加したママ、パパは、「普通に飲んでくれました」「今までミルクづくりには短くとも4〜5分かかっていました。作りやすいので、職場復帰して忙しいときや、旅行時、外出時に使っていきたいです」とコメント。「粉ミルクとの栄養の違いや、赤ちゃんの体に影響はないのかは気になりますが、まずは使ってみたい」「1パック125ミリなのが、うちの子にはちょっと少ないかも」といった声も上がりました。

グリコ液体ミルク 試飲会のようす
グリコ液体ミルク
グリコ液体ミルク

 質疑応答では、「授乳室の自販機に置く予定はないか。試飲会で使っていた使い捨てボトル(プラスチックの殺菌済み哺乳瓶)とセットで置いてもらえると非常に便利だと思います」といった意見が。確かに、授乳室で一式がそろっていれば、外出へのハードルも下がりそうです。江崎グリコの担当者は「決まっている予定はありませんが、社内で将来的に検討します」と回答しました。

グリコ液体ミルク ベビーザらスでは大きな棚で展開されていました。各社が販売に乗りだせば、いつかはベビー用品コーナーに「液体ミルク」コーナーができるかも……

ねとらぼ編集部の育児中メンバーにも聞いてみた

 ねとらぼ編集部にも、現在0歳児を育てているお父さんが2人います。ひとりが男性管理職で社内初の育休を取得した小林伸也編集長です(もうひとりは現在育休中の加藤亘編集長)。小林編集長にも液体ミルクを使ってもらいました。哺乳瓶がなかったので、透明のカップで代用です。

編集部で小林編集長に開けてみてもらいました

 「これは便利ですね。慣れればもっと短く準備できると思う。備蓄として欲しいですね。外出時にも便利だろうなー。価格面はやはりちょっと割高に感じますね。125ミリだとうちの子には足りないし、『50ミリだけ作る』といった微調整もできないのが普段使いにはネックでしょうか。また、うちの子はあたたかいミルクじゃないと飲まないことがあるので、工夫が必要かもしれないです」(小林編集長)

 常温でも衛生面や赤ちゃんの消化機能に問題はないといいますが、赤ちゃんによっては確かに好みがありますね。その場合は、哺乳瓶などに移し替えた状態で、湯煎や電子レンジであたためることが推奨されています。

 ちなみに味はというと、普通の牛乳をやや薄めた飲み口で、甘みを感じます。小林編集長は「普段使っている粉ミルクとほとんど味は変わらないと思う。そんなに粉ミルクをじっくり飲んだことはないですが……」とのことでした。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2410/05/news022.jpg 「クレオパトラみたい」と言われ傷ついた55歳女性→カット&パーマで大変身! 「本当にびっくり」「素敵なマダムに」
  2. /nl/articles/2410/05/news040.jpg 伝説の不倫ドラマ「金曜日の妻たちへ」放送から41年、キャストの現在→75歳近影が「とても見えません」と話題
  3. /nl/articles/2410/02/news116.jpg 余りがちなクリアファイル、“じゃないほう”の使い方で食器棚がまさかのスッキリ 「目からウロコ」「思いつかなかった!」と反響
  4. /nl/articles/2410/05/news023.jpg 七五三で刀を持っていた少年→20年後には…… “まさかの進化”に「好きなもの突き進んでかっこいい!」
  5. /nl/articles/2410/05/news018.jpg 野良猫が窓越しに「保護してください」と圧をかけ続け…… ひしひし感じる強い意志と表情に「かわいすぎるw」「視線がすごい」
  6. /nl/articles/2410/05/news012.jpg 「あのお客さんに幸あれっ!」 小銭の出し方が完璧な“神客”にレジ店員感激 会計がスムーズになる配慮が参考になる
  7. /nl/articles/2410/04/news048.jpg 「こういうの好き」 割れたコップの破片を並べたら…… “まさかの発想”で息を飲むアート作品に 「すごいセンス良い」「前向きな考え」
  8. /nl/articles/2410/04/news040.jpg 50代女性「モンチッチみたいにしてほしい」→美容師がプロのワザを見せ…… 別人級の変身に「めっちゃお洒落」「すごい!」
  9. /nl/articles/2410/04/news025.jpg 「これが免許証の写真???」 コスプレイヤーが公開した“信じられない”免許証が話題 コスプレ姿との比較に「両方とも可愛いすぎる」
  10. /nl/articles/2410/05/news032.jpg 大型犬が18年間、ドアを開け続けた結果……そうはならんやろな驚きの末路に「どうしたらこんな風になるのよ」の声
先週の総合アクセスTOP10
  1. ネットで大絶賛「ブラウニー」にカビ発生 業務スーパーに7万箱出荷…… 運営会社が謝罪
  2. 「全く動けません」清水良太郎がフェスで救急搬送 事故動画で原因が明らかに「独りパイルドライバー」「これは本当に危ない!!」
  3. トラックがあおり運転し車線をふさいで停車…… SNSで拡散の動画、運転手の所属会社が謝罪
  4. 「ヤヴァすぎる!!」黒木啓司、超高級外車の納車を報告 新車価格は5000万円超 2023年にはフェラーリを2台購入
  5. そうはならんやろ “ドクロの絵”を芸術的に描いたら…… “まさかのオチ”に「傑作」の声【海外】
  6. 「ウソだろ?」 ハードオフに3万円で売っていた“衝撃の商品”に思わず二度見 「ヤバいことになってる」
  7. 「結局こういう弁当が一番旨い」 夫が妻に作った弁当に「最強すぎる!」「絶対美味しいビジュアル」
  8. “メンバー全員の契約違反”をライブ後に発表 異例の脱退騒動背景を公式が釈明「繋がり行為などではなく」
  9. 「言われる感覚全く分からない」 宮崎麗果、“第5子抱いた服装”に非難飛び……夫・黒木啓司は「俺が言われてるのかな?」
  10. 大沢たかお、広大プールを独り泳ぐ“バキバキ姿”が絵になり過ぎ 盛り上がる筋肉の上半身に「50代とは思えない」「彫刻みたい」
先月の総合アクセスTOP10
  1. “緑の枝付きどんぐり”をうっかり持ち帰ると、ある日…… とんでもない目にあう前に注意「危ないところだった」
  2. 「しまむら」に行った58歳父→買ってきたTシャツが“まさかのデザイン”で3万いいね! 「同じ年だから気持ちわかる」「欲しい!」
  3. 友人に「100円でもいらない」と酷評されたビーズ作家、再会して言われたのは…… 批判を糧にした作品が「もはや芸術品」と490万再生
  4. 高校3年生で出会った2人が、15年後…… 世界中が感動した姿に「泣いてしまった」「幸せを分けてくださりありがとう」【タイ】
  5. 「ま、まじか!!」 68歳島田紳助、驚きの最新姿 上地雄輔が2ショット公開 「確実に若返ってる」とネット衝撃
  6. 荒れ放題の庭を、3年間ひたすら草刈りし続けたら…… 感動のビフォーアフターに「劇的に変わってる」「素晴らしい」
  7. 食べた桃の種を土に植え、4年育てたら…… 想像を超える成長→果実を大収穫する様子に「感動しました」「素晴らしい記録」
  8. 「天才!」 人気料理研究家による“目玉焼きの作り方”が目からウロコ 今すぐ試したいライフハックに「初めて知りました!」
  9. 「エグいもん売られてた」 ホビーオフに1万1000円で売られていた“まさかの商品”に「めちゃくちゃ欲しい」
  10. 義母「お米を送りました」→思わず二度見な“手紙”に11万いいね 「憧れる」「こういう大人になりたい」と感嘆の声