キャラも音楽も良いけど…… 「ダンキラ!!! - Boys, be DANCING!」は音ゲー部分がひたすら虚無モバクソ畑でつかまえて

ゲームの部分以外は高評価。

» 2019年06月02日 18時00分 公開
[怪しい隣人ねとらぼ]

 誰もがダンスを踊れる時代となり、ダンスと「キラートリック」によって勝敗を競う競技「ダンキラ」が世界中で大流行している! ……という設定のゲーム「ダンキラ!!! - Boys, be DANCING!」がKONAMIから5月21日にリリース。個性豊かなキャラクターと独特な世界観を武器にリリース前から話題となり、リリースされた現在もモデルのダンスや曲のクオリティーが高い評価を得ているようです。



 そんなダンキラがリリースされた直後、“モバクソゲー”の収集癖を持つ「怪しい隣人」@BlackHandMaiden)さんから「ダンキラの記事が書きたくて仕方なくなってしまった」とメッセージが送られてきたため、その魅力を解説してもらうことにしました。「こんなにテンションが上がっているのは『ときめきアイドル』関連記事以来」との不穏な言葉も残していましたが……。

ライター:怪しい隣人

モバクソ畑でつかまえて

出来の良くないソーシャルゲームを勝手に「モバクソゲー」と名付けて収集、記録、紹介しています。モバクソ死亡リストは500件を超えました。年々ソーシャルゲームが複雑になり、ダメさを判定するのに時間がかかるのが最近の悩みです。本業はインフラエンジニア。そのためソーシャルゲームの臨時メンテは祭り半分胃痛半分な気分です。




濃すぎるキャラとストーリー

 先日5月21日にKONAMIから「ダンキラ!!! - Boys, be DANCING!」がリリースされました。このゲーム、最初はスルーしようと思っていましたが、いろいろとあってプレイしてみることになりました。結果、そのキャラクターと世界観に「あまりにもツボにハマったのでレビューを書きたい」と編集部に連絡をすることになる始末。1年ちょっと前に「ときめきアイドル」のときも全く同じことをやっている自分、全く成長しません。ですが、レビューを書かせてほしいとお願いしてから数日間プレイした結果、いろいろと問題点も見えてまいりました。今回はそのあたりも含めて語らせていただこうと思います。

 そもそもタイトルのダンキラとはなんなのか。ダンスとキラートリックという派手なアクション技を組み合わせた競技で、その由来は「7人の創世神が3対3に分かれてダンスで戦った」という故事によります。これらを授業で学んでいたということから、自分はその学校の生徒であることが数クリックのうちに理解できます。


ダンキラ この文章がはじめに出てきます。「こうして」から過去の文章はありません。

ダンキラ 神話とおもいきや歴史の事業でした。

 分からない、という方もいるかも知れませんが、このゲームに頻出するキーワードは「君も知っているとおり」です。劇中で語られるもろもろの知識は皆さんご存じというていで話が進みますので、話は飲み込んでください。そして続く「危険なダンキラをしている生徒を止めてくれ!」と続くスピーディーな展開。そして全ての判断基準がダンキラなところ、まさしくホビーアニメの王道という感じで大変好みです。ここでいうホビーアニメは「商品を売るための作品なのでその商品が作品内の大きな行動基準になっている」ぐらいの意味で捉えていただければと思います。これらを教えてくれる教師も大変ハイテンションで、チュートリアルの間はコンボをつなげたりパーフェクトを取ったりするとこのピンクのおじさんが「いいぞ!」「すばらしい!」と褒めたたえてくれます。


ダンキラ この後バンバン出てくる「君も知っているとおり」

ダンキラ 危険なダンキラという普段使わないような単語も受け入れてください

 チュートリアルでは5組のダンスチームから好きなメンバーを選んでプレイできるのですが、ここまででその5人について詳細な情報は得られませんので、見た目で選ぶしかありません。適当に選ぶかと思っていたのですが、「三白眼の白髪」「露出度の高いロン毛」「露出度の高い金髪褐色マッチョ」という濃い目の3人組が。コレがホビーアニメなら間違いなく悪役。名前も「TOXIC」とあまりにストレートなそのユニット。


ダンキラ 一目ぼれしたTOXICの皆さん

 チームそれぞれが「ヒップホップ」「バレエ」と得意なダンスがあるのですが、このTOXICの得意技は「ヴォーグダンス」というジャンル。いわゆるジョジョ立ちの元ネタといえる『VORGE』のモデルのポーズを源流とするダンスなので、ダンスそのものを知らない私からすると「露出度の高い衣装をまとったイケメンがジョジョ立ちをキメながらくねくねと踊る怪しいダンス」に見えて、これもまた大変魅力的。メンバーも「自分のデザインした服を宣伝するためにダンキラに参戦しているファッションデザイナー」「筋トレ大好きで乱暴だが根はいいやつな雇われモデル1号」「美に男も女も関係ないという京都弁の中性的な雇われモデル2号」という濃いメンツ。


ダンキラ 怪しげな見た目に反して仲良し

 こんな連中が大活躍するのかと思いましたが、チュートリアル終了後閲覧できるストーリーモードはユニットの1つであるメリーパニックがメインとなります。彼らは彼らで「施設出身で、入学金はなんとか稼げたが特待生になれないと授業料が払えないので即日退学」というなかなかに人生ハードモードな連中。コーチである自分は成り行きから彼らと行動をともにすることになり、そんな中で他のユニットとも交流を薦めていきます。メリーパニックは特待生への昇格で敗退するものの、「可能性を感じた」という理事長の鶴の一声で採用されて学園の特待生になることになりました。そして、彼らの力を認めるだけではなく、それを否定しようとする連中も現れ始めます。……というところまで現在話は進んでいます。そこから先もだいぶ実装されてるようなのですが、自分のレベルを上げないと先が読めない仕様のため最後まで行くのはだいぶ先になりそうです。


ダンキラ あっという間に判明する事情

ダンキラ ストーリーモードの中心になるユニット・メリーパニック

ダンキラ メリーパニックの超えるべき目標であり先輩・シアターベル

ダンキラ メリーパニックを認めようとしないライバル・エトワール

音ゲー部分がひたすらに虚無

 レベルを上げるには、ダンキラをプレイしなければいけません。このダンキラがゲームとしての魅力の1つでもあり、最大の欠点でもあります。確かにモデルやダンス、曲のクオリティーは大変よいです。スキップチケットもついていて見るだけモードでダンスだけを堪能可能。「一度クリアした曲じゃないとフリープレイは不可」などというケチなことはありません。スキップチケットは定期的に入手することが可能です。

 ですが、そのゲーム部分がストーリーとほとんど関係ないのは問題です。ガチャで引いたダンサーは設定のユニットを無視してスコアのために組むことになりますし、ユニットごとにきっちり設定された曲とダンスを、それらの適当なユニットで延々と周回することになります。この辺はどの音ゲーも変わらないところではあるのですが、このゲーム、曲が7曲しかありません。今のところ増える気配もありません。この手のゲームだと「レベルが上がると解放される曲」というのがモチベーションの1つになるのですが、それが一切ないので音ゲー部分がひたすらに虚無なのです。クリア後にキャラが出てきて喋ったりするのですが、曲に合わせたキャラが出てくる仕様なのか、自分が使っていたキャラが喋ってくれるわけではないのもまた残念です。


ダンキラダンキラ 曲が現在これだけしかありません。

 音ゲーそのものも、売りであろうキラートリックが大変微妙です。音ゲーで落ちてくるノーツがいったん途切れたころに使うというのになかなか慣れません。キラートリックを行うキャラを選び、次に相手になるキャラクターを選ぶというテンポの悪さも引っ掛かかるところがあります。これはぜいたくかもしれませんが、「オートキラートリックモード」みたいなものが欲しいなと思います。オートプレイではキラートリックを使うかどうかをON/OFFできるので、タイミングを見て自動的に発動するような機能があればうれしいのですが。


ダンキラ キラートリック発動は真ん中の3つのキャラから選ぶようになっている

ダンキラ 発動後、どのキャラを相棒にするかを選ぶ

ダンキラ オートプレイモードでは多彩な選択が可能

 キャラクター育成部分も悪い意味でなかなかの濃さ。キャラクター育成はときおり見かけるスキルツリーを順番に埋めていく方式なのですが、横に長い長い。最高レアの星5のものでも同じカードを何枚も引いて重ねて育成するのが前提みたいな状態になっています。一体何の冗談だ。先の遠征も含め、プレイを繰り返すとキャラクター同士の好感度が上がることで、物語が解放されたりする要素は大変楽しいのですが。レベルも上がりづらくなり、ストーリーを読み進めるのに時間がかかるに連れ、最初に感じていた熱狂が冷めていくのを感じます。


ダンキラ この画面が横に6画面分ある育成画面

 以前レビューを書かせていただいた「ときめきアイドル」は「ゲームシステムが良いのにキャラやストーリーが薄い、キャラの魅力にたどり着くまでが遠い」というゲームでしたが、「ダンキラ」は逆に「キャラやストーリーは濃くて触れやすいのにゲームシステムが大変残念」という代物です。どうしてこう、うまくバランスが取れないのかという気分でいっぱい。キャラも世界観もストーリーも大変楽しく、ダンスも音楽も良いだけに、このままでは「ゲーム部分ですぐ飽きる」作りになりかねません。今後、早急に手が入ることを願ってやみません。それまでは地味にレベル上げをして過ごそうと思います。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. /nl/articles/2412/14/news019.jpg ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. /nl/articles/2412/15/news011.jpg 「懐かしい」 ハードオフで“30年前のPC”を購入→Windows 95をインストールしたら“驚きの結果”に!
  4. /nl/articles/2412/16/news107.jpg 「靴下屋」運営のタビオ、SNSアカウント炎上を受け「不適切投稿に関するお詫び」発表 「破れないストッキング」についてのやりとりが発端
  5. /nl/articles/2412/15/news035.jpg 餓死寸前でうなり声を上げていた野犬を保護→“6年後の姿”が大きな話題に! さらに2年後の現在を飼い主に聞いた
  6. /nl/articles/2412/15/news002.jpg 毛糸でフリルをたくさん編んでいくと…… ため息がもれるほどかわいい“まるで天使”なアイテムに「一目惚れしてしまいました」「うちの子に作りたい!」
  7. /nl/articles/2412/10/news133.jpg 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  8. /nl/articles/2312/15/news032.jpg 放置された池でレアな魚を狙っていた親子に、想定外の事態 目にしたショッキングな光景に悲しむ声が続々
  9. /nl/articles/2412/15/news028.jpg 脱北した女性たちが初めて“日本のお寿司”を食べたら…… 胸がつまる現実に考えさせられる 「泣いてしまった」「心打たれました」
  10. /nl/articles/2412/16/news023.jpg 父「若いころはモテた」→息子は半信半疑だったが…… 当時の“間違いなく大人気の姿”に40万いいね「いい年の取り方」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  2. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  3. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  4. 高校生のときに付き合い始めた2人→10年後…… 現在の姿に「めっちゃキュンってした」「まるで映画の世界」と1000万表示突破
  5. 大谷翔平の妻・真美子さん、ZARA「8000円ニット」を着用? 「似合ってる」「シンプルで華やか」
  6. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」 投稿者に感想を聞いた
  7. 高校生時代に父と撮った写真を、29年後に再現したら……再生数1000万回超えの反響 さらに2年後の現在は、投稿者に話を聞いた
  8. 散歩中、急にテンションが下がった柴犬→足元を見てみると…… 「そんなことあります?」まさかの原因が860万表示「かわいそうだけどかわいい」
  9. コメダのテイクアウトで油断して“すさまじい量”になってしまった写真があるある 受け取ったその後はどうなったのか聞いた
  10. 「やめてくれ」 会社で使った“伝言メモ”にクレーム→“思わず二度見”の実物が200万表示 「頭に入ってこない」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」