「女だてらにゲームなんか」と言われた女の子 ドラクエが「女の子も冒険していい」と教えてくれた思い出描いた漫画に反響

性別も年齢も関係なく、誰かの「好き」を大事にしたい。

» 2019年08月12日 08時00分 公開
[ねとらぼ]

 「女だから」という理由で、ゲームで遊ぶことを否定された女の子が、「ドラゴンクエスト」に勇気づけられた体験を描いた漫画が反響を読んでいます。

「女の子は冒険に出ちゃダメなのか」に答えをくれたのが……

 小学生のころ、ぜんそくがひどくて寝込みがちだった作者のかずさ(@kazusa_pb)さん。子どもが受験生になるという親戚が、ファミコンとたくさんのゲームを譲ってくれたのがゲームとの出会いでした。

 いろいろなゲームを遊んだ中で、特に楽しんだのが「ドラゴンクエストII」。家の中にいるかずささんには最高の冒険で、ドラクエ風の漫画を描くほどはまっていました。しかし学校で男子にドラクエの話をしても、女だからと仲間に入れてもらえません。母親に話しても「女だてらにゲームなんかするから」。

 当時、ゲームで冒険に出るのは男の子ばかりで、女の子はサポート役か助けられる役ばかり。「女の子は冒険に出ちゃだめなのか?」とそれ以来一人でこっそりゲームをしていたかずささんに“最高の答え”をくれたのは、弟が買ってもらった「ドラクエIV」でした。勇者を男女両方から選べて、「勇者が女の子でもいい」「女の子が大きな化け物を倒してもいい」と教えてくれたのです(※「ドラクエIII」も主人公の性別を選べましたが、買ってもらえなかったとのこと)。

 さらにドラクエVIは女の子のアリーナ、マーニャ、ミネアが活躍し、おじさんのトルネコ、おじいさんのブライも登場する、多様なキャラが特徴のゲームでした。その後の「ドラクエV」ではフローラがかずささんのお気に入り。戦闘に向いてないお嬢様だったフローラが最後に強くなるのが好きだったそうです。

なおドラクエIV(1990年)後にリリースされた初代ポケモン(任天堂、1996年)では男の子しか選べなかった。「MOTHER2」(任天堂、1994年)のCM「大人も子どももおねーさんも」もドラクエIV・V(1992年)のあと。エニックス(現スクウェア・エニックス)は女の子ユーザーへの対応が早かったとかずささん

 ゲームが大好きなまま大人になったかずささん。今では子どもが男女問わずポケモンの絵を描いてほしいと頼んできます。女の子がゲームをやってもおかしくない、女の子も冒険に出る時代がきたことに、「ありがとうエニックス。私の冒険はドラクエが最初でした」と感謝の言葉で締めくくっています。

 この漫画は、しばらく前に「女の子が特撮ものを見ていたら泣くまで馬鹿にするべき。男の子向けのコンテンツに間借りさせてもらっていると認識させなければならない」といった内容の発言が物議を醸したときに、かずささんがショックを受けて描き始めたもの。かずささんは「おかしな風潮や、よくわかんない偏見はちゃんと変えていけるから、好きなものをちゃんと好きでいいんだと、エニックスは教えてくれた」というコメントを漫画に添えています。

 性別や年齢を理由に「好き」を認められないのは悲しいもの。昔とはかなり変わりましたが、偏見がなくなったわけではありません。みんながみんなの「好き」を大切にできるよう世界になってほしいと願わずにはいられない漫画でした。

 Twitterでは、かずささんと同じような経験をした人、男女問わずゲームの話ができる環境だったという人、さまざまな人が子どものころの思い出をリプライで寄せています。女の子も好きなことに挑戦できる今はいい時代だ――そんな声も聞かれました。

画像提供:かずさ(@kazusa_pb)さん

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/19/news150.jpg 「情報を漏らされ振り回され……」とモデラー“限界声明” Vtuberのモデル使用権を剥奪 「もう支えられない」「全サポート終了」
  2. /nl/articles/2411/20/news028.jpg 「うどん屋としてあるまじきミス」→臨時休業 まさかの“残念すぎる理由”に19万いいね 「今日だけパン屋さんになりませんか」
  3. /nl/articles/2411/20/news224.jpg “ドームでライブ中”に「76万円の指輪紛失」→2日後まさかの展開に “持ち主”三代目JSBメンバー「誰なのか探しています」
  4. /nl/articles/2411/19/news169.jpg 高畑充希と結婚の岡田将生、インスタ投稿めぐり“思わぬ議論”に 「わたしも思ってた」「普通に考えて……」
  5. /nl/articles/2411/20/news031.jpg 「本当に同じ人!?」 幼少期からイボをいじられていた男性→美容師の“お任せカット”が衝撃 「めちゃくちゃ大変身」
  6. /nl/articles/2411/19/news022.jpg 「おててだったのかぁああああ」「同じ解釈の人いた笑笑」 ピカチュウの顔が“こう見えた”再現イラストに共感続々、464万表示
  7. /nl/articles/2411/20/news042.jpg 「腹筋崩壊」 ハスキーをシャンプー&パックしたら…… “予想外のハプニング”に「こ〜れは大変だわ」「沼にでも落ちたのかとwww」
  8. /nl/articles/2411/20/news216.jpg “歌姫”ののちゃん、6歳現在の姿に驚きの声「あれっ!?」「ビックリしてます!」 2歳で「童謡こどもの歌コンクール」銀賞受賞
  9. /nl/articles/2411/20/news041.jpg 黄ばみのある68年前のウエディングドレスを修復すると…… 生まれ変わった姿に「泣いた」「受け継ぐ価値のあるドレス」
  10. /nl/articles/2411/18/news107.jpg 走行中の車から同じ速さで後方へ飛び降りると? 体を張った実験に反響「問題文が現実世界で実行」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  4. まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  5. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  9. ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  10. 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた