痛みを抑える鎮痛剤が、激しい頭痛を引き起こす――「薬物乱用頭痛」に陥った体験談漫画に身が凍る
薬も過ぎれば毒となる……医薬品は用法用量を守って正しくお使いください。
ひとたび発生すると何も手に付かなくなる厄介な症状、頭痛。原因はさまざまでしょうが、慢性的な頭痛に対抗するべく、市販の鎮痛剤を常用されている方は少なくないはず。
ですが「ロキソプロフェン(ロキソニン)」や「イブプロフェン(イブ)」などの鎮痛剤を、用法用量を超えて常用し続けると、ときに「薬物乱用頭痛(薬剤の使用過多による頭痛)」という、日常生活が困難になるほどの激しい慢性頭痛を引き起こすことがあります。
頭痛を解消するために鎮痛剤を使っているのに、その鎮痛剤がより激しい頭痛を引き起こす原因となる……。今回ご紹介する作品は「頭痛持ちの人が薬物乱用頭痛に至った経緯と、それがどのような症状を引き起こすか」という、非常に重い体験を描いたエッセイ漫画です。
漫画の作者はほくろ(@hokuro_90)さん。Twitterにてエッセイ漫画を精力的に投稿されています。
ほくろさんは昔から片頭痛や生理痛がひどい方でしたが、薬に頼ってはいけないと思い、あまり薬は使わなかったと言います。ですが社会人になってからは「頭痛で仕事が進まない」とは行かず、嫌々ながらもロキソニンを服用するようになったそうですが……。
頭痛がなくなり仕事がはかどる、痛みがないってすばらしい、ロキソニンってすごい! と感動したほくろさん。はじめは用法用量を守っていたのですが、徐々に服用量は増えていきました。やがては「ロキソニンがないと不安になるから常備する、頭痛がないときでも未然に防ぎたいから服用する」という依存状態となり、ほぼ毎日のようにロキソニンを服用してしまいます。
ほくろさんの頭痛はどんどんひどくなり、死を覚悟するほどの激しい痛みとなっていました。頭痛を抑えるためにロキソニンを服用したが効果が出ず、ロキソニンを追加で服用し、一時は治まるもののさらに激しい頭痛に襲われ、使用量はどんどん増え……悪循環はとどまるところを知らず、ついにロキソニンが効かなくなるところにまで至ってしまいます。
激しい頭痛が日常生活に支障が出る状態となったほくろさんは、ひとまず内科へと向かいます。ですが身体に異常はなく、勧められた精神科にて「ロキソニンの過剰な使用状況」を控えめに話したところで、ほくろさんはついに「自身が薬物乱用頭痛に陥っている」と知るのでした。
医師から「ロキソニンは禁止、鎮痛剤のたぐいは極力避ける。どうしても我慢できないときは処方した別成分の鎮痛剤を服用するように」と、ほくろさんは指導を受けます。それを守って6日後のこと、ほくろさんを悩ませ続けた頭痛はピタリと治まったのでした。
薬物乱用頭痛に関して取り上げた以前の記事においては、ロキソニンの発売元である第一三共ヘルスケアの担当者から「症状が出たら我慢せず、すぐ服用するのが効果的だが、それでも使いすぎてはいけない。用法用量はかならず守るように。薬の使い方は薬剤師と相談してほしい」とコメントを受けています。
薬剤の種類にもよりますが、一般的な目安としては「市販の鎮痛剤の使用は月に10日まで」。それ以上になると過度な服用となり、薬物乱用頭痛を引き起こす原因となりかねません。ほくろさんの体験談を反面教師として、くれぐれも鎮痛剤・医薬品は薬剤師の指導を受けた上で、用法用量を守って正しくお使いください。なお、ほくろさんが使用していたロキソニンは1回2錠のものでしたが、1回1錠のものもあるのでその点も注意したいところです。
慢性的な頭痛にはなんらかの原因があります。「頭痛ぐらいで……」と思わないで、我慢せず早めの受診をお勧めします。
薬物乱用頭痛になる社畜
作品提供:ほくろ(@hokuro_90)さん
たけしな竜美(@t23_tksn)
関連記事
月10日以上の鎮痛薬で陥る可能性がある「薬物乱用頭痛」ネットに衝撃 本当なのか第一三共に聞いてみた
知らないうちに薬物乱用していたという声も。何年も治らない“心の風邪”、「治る力」を感じるための自傷行為 エッセイマンガ『うつを甘くみてました』 作者インタビュー
双極性障害の闘病生活を当事者/家族視点で描いたエッセイマンガシリーズ。本編を一部掲載医師「我慢するしかない」→我慢してたら盲腸が破裂寸前になった話 実録漫画が教えてくれる、「痛みを我慢しない」という教訓
痛みが続いていたら我慢しちゃダメ!血液検査の結果の紙、どうしたらいいの? そんな悩みを解決してくれる漫画が役に立つと話題
捨てるに捨てられないあの紙の活用方法。「大丈夫だと思うけど念のため」が奏功 「妊娠中、自覚症状がないけど大変だった」経験を描いた漫画に反響
ちょっとでも違和感があったら病院に相談することが大切。「生理は病気じゃない」けれど……病気でもないのに地獄が毎月やってくるつらさを描く漫画に共感集まる
同性にも伝わらないことが……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
昨日の総合アクセスTOP10
「訃報」「愛猫」「手風琴」って読める? 常用漢字表に掲載されている“難読漢字”
美大生が作った「回転する油絵」がどゆこと???となる不思議さ 作者に仕組みを聞いてみた
“可愛すぎる売り子”ほのか、事務所社長を怒らせ活動制限 「事実を受け止め、反省しています」と謝罪
【漫画】ネトゲで告白してきた美少女が中身ヤンキー男子高生だった! ぶっ壊れ性能なギャップに「かわいい」が止まらない
「天才か」「真似したい」 キャンドゥのアイテムで作る額縁風「ディスプレイボックス」がお手軽かわいい
“龍が巻き付いた剣のキーホルダー”はなぜどの観光地でも売られている? 製作会社に話を聞いてみた
元欅坂46・今泉佑唯、YouTuberワタナベマホトと結婚発表 「お腹の中に愛おしい命を……」と“Wおめでた”を告白
「UUUM」解雇のワタナベマホト、YouTubeチャンネル停止処分で“泣きっ面に蜂”状態
ヒト「お布団にどーぞ!」猫「……なんかちがう」 冬の夜、お布団に入ってほしい人間と猫の駆け引きを描いた漫画
【なんて読む?】今日の難読漢字「輿論」
先週の総合アクセスTOP10
- 「訃報」「愛猫」「手風琴」って読める? 常用漢字表に掲載されている“難読漢字”
- 安達祐実、グレー髪への“勘違い指摘”に「白髪は悲しくないですよ」と切り返し 加齢の考え方が称賛を呼ぶ
- “東大王”鈴木光が『CanCam』デビュー “美しすぎる東大生”の新たな一面
- 柴犬たちが追いかけっこしていたら…… ワンコの“突然の裏切り”に「声出して笑った」「4コマみたい」の声
- 「えっ!? おきゃくさまっ!」 スターバックスでやけに長いレシートに遭遇 店員さんのテンションがすごかったエッセイ漫画
- 東大王・鈴木光、司法試験の結果は「私は残念ながら」 報告の仕方に人間性が表れていると話題に
- えっ、これのどこが……? 「オシャレに見せかけたオタク部屋」の写真が「理想」「住みたい」と喝采浴びる
- 筑波大学、合計20トンの食料を学生に支援 想像を超えるクソデカ配給に「笑うしかない」とうれしい悲鳴も
- 父の再婚で女子高生に“すごいアホそう”な8歳弟ができる漫画が笑いと涙 「最後持っていかれた」「尊死」
- 下着泥棒? と思って防犯カメラを見てみたら―― 体験漫画「フォロワーさんのゾッとしたお話」が本当にゾッとする
先月の総合アクセスTOP10
- 「訃報」「愛猫」「手風琴」って読める? 常用漢字表に掲載されている“難読漢字”
- 井上咲楽、“太眉”を人生初カットで別人に 「可愛いすぎます」「さらにファンになりました」と大反響
- 元「うたのおにいさん」今井ゆうぞうさんが脳内出血で急逝 生前最後のブログには“目の異常な充血”
- 2021年夏の祝日、東京五輪で変更 カレンダーの更新を
- 太眉卒業した井上咲楽、美しさ光るアップショットに大反響 「大人っぽーい」「すっかり美しい路線に」
- 「逃げ場のない恐怖」「爆発音で目が覚めた」 JAL904便がエンジントラブルで緊急着陸、乗客が撮影した映像が怖すぎる
- マックポテト「Mサイズのみ」味が変との声がネットであがる マクドナルドに話を聞いた
- 「これは天才」「来年のノーベル賞候補」 ホットサンドメーカーで焼く「ホットサンドケーキ」が悪魔的サクサク感で話題に
- 保護した子ネコに「寂しくないように」とあげたヌイグルミ お留守番後に見せた子ネコの姿に涙が出る
- アロンアルフアは5秒で接着→「時間が余ったので猫動画をご覧ください」 15秒CMのペース配分がおかしい