「なんで女の子なのに女の人の裸を観に行くの?」 不思議な芸能“ストリップ”の魅力を語りつくす『女の子のためのストリップ劇場入門』作者インタビュー(1/2 ページ)

作者・菜央こりんさんにインタビュー。【前編】

» 2020年09月19日 11時30分 公開
[池田智ねとらぼ]
※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 「きれいな女の人の身体が見たい!」――そんな動機で訪れたストリップ劇場で、次々とカルチャーショックを受け、ストリップのとりことなった菜央こりんさん。

 「ストリップの魅力を伝えたい」と発行した同人誌が出版社の目に留まり、青年マンガ誌『イブニング』(講談社)でのエッセイマンガ連載『女の子のためのストリップ劇場入門』がスタート。7月に単行本が発売されました。

 今回のインタビューでは、同人誌時代からの菜央こりんさんの読者であり、ストリップ客仲間である記者が、「なぜそんなにストリップに心惹かれるのか」じっくり話を聞きました。昭和の遺産、滅びゆく芸能と捉えられがちな「ストリップの今」に迫ります。

「若くなくちゃ」「きれいじゃなきゃ」から解放された

――菜央さんは2017年からストリップ劇場に行き始めています。きっかけはなんだったのでしょうか?

 女友達から「ストリップ行った。すごくきれいでよかった」という話を聞いたのがきっかけです。それまでストリップって、自分の頭の中では架空の存在だったんです。「そもそもまだあるんだ」「女の人も入っていいんだ」みたいな。最初は見世物小屋みたいな想像をしますよね。あとドリフの「ちょっとだけよ」とか。ちょうどそのときすごく美意識が高まっていて、「きれいな女の人が見れる!」という気持ちで訪れました。

――初めて見たときの感想はどんなものでしたか?

 最初はただ「裸を見るところ」というイメージだったので、「裸が来るぞ」という気持ちで見ていたら、とてもきれいな衣装の女性が出てきて、まずそれにびっくりしました。それから、ダンスがうまい! まず本格的なダンスが出てくるって思わないですよね。しかも、若くてきれいな子なんですよ。そして、脱いだら「毛穴がない!」。最初はそんなことにびっくりしました。

菜央こりんさんインタビュー 本格的なダンスと豪華な衣装にびっくり!

――「ダンスパートが長い!」は初見あるあるですね。

 はい、それからどんどんハマっていって。そうして観ていくうちに、いわゆる若くてきれいな子だけでなく、年齢も体型もさまざまな人がいることがわかってきたんです。

 私は年齢で判断されることや、見た目をとやかく言われることが多くて、以前は「若くなきゃ」「きれいな身体でいなきゃ」という気持ちが強かったんです。だからこそ「きれいな身体を観てみたい」という気持ちがあった。今思うと、最初に見に行った時の「美意識が高かった」というのは「若くなきゃいけない」という気持ちの現れなんですよね。

 女の人って身体のパーツを世間にジャッジされるじゃないですか。おっぱいの大きさとか、ウエストとか。でも、ストリップを見ていると、私だったら気にするだろう部分、世間からあらと言われるような部分が目に入ってきます。セルライトや整形のあと、リストカットも。

――ステージも近いので、身体のすみずみまで目に入りますね。

 だけど、たとえ世間から見てあらと言われるような部分があっても、その時私たちはその人のステージへの姿勢、演目への工夫、笑顔とかさまざまなものを同時に見ている。その瞬間にその人のすべてを受け取っているから、世間からあらと言われる部分があったからと言って、その人のことを馬鹿にしたり、嫌いになったりはしない。そういうふうに思えたし、「他の人もそうなのかもしれない」って思えたことはすごく力になりました。

マンガにしたら伝わるかもと同人誌を作成、『イブニング』での連載へ

――本書はもともと同人誌で発表されたもので、コミティアなどで評判になったことをきっかけにイブニングでの連載が始まりました。同人誌にするまでの流れを聞いていいですか。

 ストリップを友達に教えてもらって、すごく衝撃を受けたし、さっき話したように心が軽くなった部分もあったから「みんなに教えたい」と思いました。でも、言葉で説明してもそのすごさがあまり伝わらなかった。それ以前にも同人誌を作ったことはあったんですが、「ストリップを伝えるにはマンガの方がいいかもしれない」と思って、2017年に最初の同人誌『女の子のためのストリップ劇場入門』を発行しました。

――出してみての反応は?

 ZINEの販売店に20冊ほど委託したら、ストリップが好きな方たちが気づいて買いに来てくれたようで、すぐになくなりました。それからコミティアに出したら、ストリップ好きな方はもちろん、タイトルから興味を持ってくださった方も買ってくださって、「もっと作ってみては」と言われたんです。ストリップ好きな人は、ほかの人が書いたストリップの感想をとても喜んでくれる感じがします。

――確かに。私もストリップ好きな人の話を聞くことがありますが、資料が残しづらいし、男性は“エロオヤジ”と思われがち。皆さん魅力が伝わらないのをはがゆく思っているようで、一見さんが楽しんでいたり、感想を書いたりすることをとても喜ぶ傾向がありますね。

 はい、今、同人誌は友人と共同で出したものも含め、7冊出しているんですが、そうやって喜んでくれる人がいるから続けられたように思います。

――『イブニング』での連載はどういう経緯で始まったのでしょうか?

 ありがたいことに引き合いはいろいろな会社からあったんですが、何がしかの原因でうまくいかないことが何度か続いて……。講談社の担当編集さんとは、一緒に浅草ロック座の千秋楽を見に行く機会があったんです。楽日ということで、踊り子さんも涙を流しながら手を振っているし、お客さんもすごい熱気でした。そこで編集さんもすごく感動してくれて。他社での企画がなくなった時に連絡したら、すぐに連載を決めてくれました。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2403/03/news009.jpg 田舎道を車で走っていたら、白鳥がのんびりと…… 見送ったあとのまさかの出来事が100万再生「えっ?って声に出た」「なんて平和なんだ」
  2. /nl/articles/2403/03/news012.jpg 築56年の小さな平屋→扉を開けると…… “予想もつかない内装”のレトロ物件に仰天「ギャップがすごい」
  3. /nl/articles/2403/03/news007.jpg 泣き出した1歳妹、理由を察した5歳兄が近づいて…… スマートなサポートに「優しくて良い子」「ホンマに素敵な兄妹やなー!」
  4. /nl/articles/2403/01/news052.jpg スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  5. /nl/articles/2403/02/news025.jpg イケメンを自覚しているインコの登場シーンに「歩き方がww」「10回はリピート」 笑いをこらえきれない姿がSNSで話題
  6. /nl/articles/2403/03/news019.jpg 犬「あやしいやつだ」→キツネに吠えてみようとした結果…… まさかの先制“口撃”に柴犬タジタジ「キツネの鳴き声初めてきいた」
  7. /nl/articles/2403/03/news010.jpg わらべうたで遊んでいた兄妹、次の瞬間まさかの展開に……! 240万再生の入れ替わりに「大爆笑した」「めっちゃ可愛いイリュージョン」
  8. /nl/articles/2403/02/news028.jpg □に入る漢字はなんでしょう 空欄を埋めて熟語を作る“漢字パズル”に挑戦しよう
  9. /nl/articles/2402/29/news183.jpg 少女がメンズカットにした結果……! 劇的なイメチェンに「イケメンすぎる!」「絶対モテる」と大絶賛
  10. /nl/articles/2403/01/news159.jpg 薬剤師は「医者憧れ」「そいつが見たって薬変わらへん」 バラエティー出演芸人の発言に批判殺到 かまいたち濱家らが相次ぎ謝罪
先週の総合アクセスTOP10
  1. 小泉進次郎、生後3カ月の長女を抱く姿に「貴重なパパの顔」 2023年末には小泉元首相の“幸せじいじ姿”も話題に
  2. 庭にアジサイがあるなら知っておくべき!? 春になる前に急いでやりたい“大きな花を咲かせる”お手入れ術に反響続々
  3. 生まれたばかりの孫に会いに来た両親、赤ちゃんを見た瞬間号泣し…… 幸せあふれる光景に「一緒に泣いちゃいました」
  4. つんく♂、「僕の大好きな妻」と元モデル妻の貴重ショット公開 「めちゃくちゃお綺麗」と反響
  5. 小泉純一郎元首相、進次郎&滝クリの第2子“孫抱っこ”でデレデレ笑顔 幸せじいじ姿に「顔が優しすぎ」「お孫さんにメロメロ」
  6. 「ずっと手を触って」「強烈な口説きが」 グラドル、元K-1王者のセクハラ行為を“告発”→反論しバトルに 「引っ込んどけよロバは」謎の容姿罵倒で流れ弾も
  7. 2歳娘、帝王切開で入院するママの前では強がっていたが…… 離れてから号泣する姿に「いじらしくて可愛くて朝から泣いた」
  8. 業務スーパーの“高コスパ”人気冷凍商品に「基準値超え添加物」 約1万5000個販売……自主回収を実施
  9. 長女と赤ちゃんの夜のルーティンが「可愛いしか言えん」 愛が強すぎな姉から逃げる姿に「嫌いじゃないのねw」「素敵な姉妹」
  10. 「ほんと愛でしかない」「心から尊敬します」 “6男7女の大家族”うるしやま家のスーパーママ、“15人分のお弁当作り”が神業レベルで称賛の声
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
  2. パーカーをガバッとまくり上げて…… 女性インフルエンサー、台湾でボディーライン晒す 上半身露出で物議 「羞恥心どこに置いてきたん?」
  3. “TikTokはエロの宝庫だ” 女性インフルエンサー、水着姿晒した雑誌表紙に苦言 「なんですか? これ?」
  4. 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
  5. 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
  6. 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
  7. 67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と称賛 センス抜群の着こなしが参考になる
  8. “双子モデル”りんか&あんな、成長した姿に驚きの声 近影に「こんなにおっきくなって」「ちょっと見ないうちに」
  9. 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
  10. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」