八戸駅「三陸産いわしの蒲焼き弁当」(880円)〜八戸駅弁伝統の味が復活!(1/12 ページ)
毎日1品、全国各地の名物駅弁を紹介! きょうは八戸駅「三陸産いわしの蒲焼き弁当」(880円)です。
【ライター望月の駅弁膝栗毛】
青森県の八戸と、岩手県の久慈の間・約65kmを、約1時間40分で結ぶJR八戸線。
昭和5(1930)年の全線開通から、去年(2020年)で90年の節目を迎えました。
八戸では東北新幹線・青い森鉄道、久慈では三陸鉄道リアス線と接続。
長年、国鉄形・非冷房の気動車が活躍していましたが、平成29(2017)年にステンレスのキハE130系気動車が投入され、八戸線の新たな顔となっています。
八戸線の魅力は、何といっても車窓に広がる三陸の海!
入り組んだ海岸に沿って走る列車からは、太平洋の水平線を望むことができます。
それゆえ、平成23(2011)年の東日本大震災による津波や、令和元(2019)年の台風19号によって大きな被害を受け、長期にわたる運休を余儀なくされたこともありました。
でも、その都度、復活して、三陸海岸の鉄道ルートの一翼を担っています。
八戸線から望む三陸沖は、寒流の親潮と、暖流の黒潮がぶつかる好漁場。
その豊かな海に育まれた数々の魚介類が、八戸の港には揚がります。
八戸を拠点に駅弁を手掛ける「吉田屋」から、去年(2020年)秋から登場した「三陸産いわしの蒲焼き弁当」(880円)は、その豊かな海の恵みを感じられる駅弁。
八戸をはじめ、新青森・盛岡など、東北新幹線の各駅で販売されています。
駅弁好きなら、“八戸、いわし”と聞けば、きっと懐かしの駅弁を思い出すはず。
2000年代初頭まで販売されていた「いわしの蒲焼き風弁当」ですね!
平成14(2002)年の東北新幹線八戸開業のころは、黄色い掛け紙をピンクの紐で綴じる形、その後はスリーブ式の包装となりましたが、長年、八戸の名物として親しまれてきました。
吉田屋によると、お客様の声もあって今回、この名物駅弁を復活させたと言います。
【おしながき】
- 白飯 海苔
- いわしの蒲焼き
- 厚焼き玉子
- ガリ
- しば漬け
身のやわらかいいわしを2尾、吉田屋秘伝のたれで、まるごと蒲焼きにしたという「三陸産いわしの蒲焼き弁当」。
今回、ご飯と蒲焼きの間には、風味を高めるため、焼海苔を敷いたとのこと。
しば漬けとガリの香の物はそのままに、おかずには厚焼き玉子が加わりました。
やっぱり、いわしの蒲焼きがよく似合う八戸駅弁、今後もリピートしていきたいものです。
八戸線の観光列車として有名なのが、「TOHOKU EMOTION」。
東北の食材を使って一流シェフが手掛けた料理をいただくことができるレストラン列車で、沿線の皆さんによる「大漁旗のおもてなし」も大きな魅力です。
乗車には旅行商品の購入が必要ですが、残念ながら現在(2021年3月)は運休中。
素晴らしい景色が楽しめる鉄道旅には、美味しい食べものが必要不可欠です。
(初出:2021年3月17日)
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/
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