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» 2022年04月29日 19時30分 公開

劇場版「名探偵コナン」が25作目でたどり着いた新境地! コナンファンが語り倒す「ハロウィンの花嫁」赤いシャムネコ・将来の終わりが語る(2/3 ページ)

[赤いシャムネコ, 将来の終わり, 青柳美帆子,ねとらぼ]

どうしても言いたい「揺れる警視庁」への複雑な思い

――ここまでよかったポイントを聞いてきましたが……実は将来の終わりさんも赤いシャムネコさんも、本作には複雑な思いを抱えているとか。

終わり:そうですね…………。

シャム:………(うなずく)。僕と終わりさんは「揺れる警視庁」ガチ勢なんですよ……。「揺れる警視庁 1200万人の人質」は、原作でいうと36巻から37巻にかけて収録された、屈指の名作エピソード。アニメでは2時間のテレビスペシャルとして、2003年の正月に放映されました。

終わり:本作は、そんな「揺れる警視庁」の爆弾魔が脱獄するところから始まる。もう、出てきた瞬間背筋が伸びます。「仲間が死んだ原因である警察に復讐する」という、共感できる動機、シンプルだからこそ強い憎悪と、手口の残酷さ。そして松田と萩原を殺したという因縁深いキャラクター。

シャム:「揺れる警視庁」の原作が掲載されていた頃、毎週『週刊少年サンデー』を楽しみに読んでたんです。あれから20年経って、あのときの松田の知られざるエピソードが語られる、しかも佐藤たちが追い詰めた爆弾版との新たな対決、言ってしまえば「揺れる警視庁」の続編が見られるんだ……! と期待して行ったら……。

終わり:爆弾魔、早々に退場しますからね。エンドクレジットも「男 中田譲治」という簡素さで。

シャム:悲しかった……。「揺れる警視庁」の爆弾魔は、自分の仲間が警察に殺されたと思い込んで復讐してくる犯人。身体能力が意外に高いけど、姑息な小市民ぽさもあって、コナン犯人の中でも特に印象に残るキャラクターなんです。用いる時限爆弾も凶悪で、わずかな振動で爆発してしまう「水銀レバー」、みんなテンション上がりましたよね!?

終わり:さらにワードセンスもある。あの予告状がめちゃくちゃ好きで……。

シャム:あのみんな覚えてるやつね。やたらとかっこいい暗号文で爆破予告をしてくるんですよ。「俺は剛球豪打のメジャーリーガー さあ延長戦の始まりだ」。松田が受け取った方の「我は円卓の騎士なり 愚かで狡猾な警察諸君に告ぐ」も大好き。

終わり:みんなは覚えていないが……。でもあれくらいかっこいい予告状を見たかった。今回、最後まで予告状出ませんでしたからね。

シャム:「揺れる警視庁」は、同僚かつ思い人だった松田を殺された佐藤刑事が、同じく仲間のための復讐を果たそうとする爆弾魔と対峙しながらも、高木刑事の一言によって、復讐の連鎖を断ち切るという美しい構図でした。もちろんこのエピソードは安室の登場前に掲載されたものなので、爆弾魔への安室の感情は描かれていません。けど、警察学校時代の仲間2人を爆弾で吹き飛ばした犯人に対して、安室が複雑な感情を抱いていることは間違いない。そんなキーパーソンの再登場と顛末に対して、高木も佐藤も、そして安室も、大きなリアクションをしないんです。

――好意的に解釈すれば、あの犯人に関しては既に気持ちが整理されているという風にも言えるのではないでしょうか?

終わり:確かに「揺れる警視庁」と、さらに対になるエピソード「命を賭けた恋愛中継」で、佐藤刑事の気持ちの整理はかなり描かれていたと思う。「死神の呪い」は本来、佐藤刑事が能動的に高木を救うあのエピソードで打ち破っているはず。でも今回についていえば安室の、“降谷”としての反応も描けたはずで……!

シャム:それだけの因縁がある爆弾魔を簡単に退場させて、劇場版オリジナルの爆弾犯・プラーミャが物語のメインになっていく。でもプラーミャは、過去に安室と邂逅はあったといえど、爆弾魔・CV:中田譲治と比べれば重要性が高くないはずなんですよね。

 高木・佐藤に至っては、プラーミャとお互いに一切の因縁なし。プラーミャ側も高木たちに対して何の興味もない。なので、待望の「高木と佐藤がメインの劇場版」なのに、後半は刑事組の存在感が薄くなってしまった。そこは正直、ちょっと寂しかったです。もちろん見せ場は要所要所に用意されてはいるんですが、2人はもっと掘り下げがいがあったんじゃないかな、と。高木は伊達との関係もあるし、佐藤の劇場版スケールのアクションも見たかった。

終わり:「警視庁の前で謎の男が爆死する。彼は3年前に死んだ松田刑事の名刺を持っていた。なぜ?」というつかみは物凄くよかったです。松田の「やっぱ普通じゃないな、この街」のセリフも笑えましたし、事件の導入はめちゃめちゃ魅力的なんですよ。ただ解決を見ながら、じゃあ犯人のこの行動は論理的におかしくないか? その状況でこれはどうやったんだ? とか、いろいろ目についてきてしまう……。

シャム:プラーミャ、考えれば考えるほど、何がしたいのかがよく分からない犯人だよね……。繰り返しますが、安室さんと警察学校組はよかったんですよ。「揺れる警視庁」が好きだからこそ、複雑な思いが残っているんです。

――とはいえ、「揺れる警視庁」のストレートな続編にすると、映画ファンが置いていかれてしまう可能性があるように思います。

終わり:確かに劇場版コナンは、年一のお祭りムービーの側面もあるから、「コナンと蘭と高木くらいしか知らない」という人も楽しませる必要があって。「揺れる警視庁」を前提にしすぎる、つまり「揺れる警視庁2」をやってしまうと観客を絞りすぎてしまうというのもあります。

シャム:あるけど……今回は劇場版に合わせて、4週連続で「揺れる警視庁」のデジタルリマスター版を放送したり、金曜ロードショーの「本庁の刑事恋物語」内でも総集編的にまとめてやっていたり、前提知識の事前周知が積極的に行われていた印象で。そういった広報戦略から、期待がふくらんでいったところはありました。

 予告編も、風見の「この男なんですよね。降谷さんの同期を」に続いて「突如安室さんの前に現れた因縁の相手」と言われたら……CV:中田譲治だと思うじゃん! 「同期のうち4人は亡くなっているんだよね」「命懸けだったんだ。無駄にはできない」ここもミスリードでは!?

25秒付近から流れる「同期のうち4人は亡くなっているんだよね」〜「命懸けだったんだ。無駄にはできない」の巧妙な編集

終わり:いわゆる「予告詐欺」は毎度のことですが、今回のは「天国へのカウントダウン」「業火の向日葵」並みかも。毎年劇場版コナンは、原作の人気エピソードをいかに映画へと引き継がせるかに挑戦していて、例えば「から紅の恋歌」では「そして人魚はいなくなった」、「紺青の拳」では「怪盗キッドVS京極真」を劇場スケールでやっている。

 だから「揺れる警視庁」もそういう流れで接続したといえるんだけど……自分の気持ちには応えてくれなかった、とはやっぱり思ってしまう。でも劇場版コナンも25周年で、前提となる予備知識がかなり必要なキャラクターたちをメインに据えた挑戦をしているところは賭けというか、えらくはあるよね。

シャム:今回の映画については、そもそも原作における警察学校組の登場回が少ない分、案外予習必須の範囲は狭いんだよ。最低限、4月に発売された「警察学校セレクション」1冊を読んでいけば十分かなと思いました。ハードルが高いようでいて、実は予習がしやすくて、そこはいいことだと思います。

終わり:「緋色の弾丸」は赤井ファミリーの紹介、相当大変そうでしたからね。

これからのコナンへの期待

――複雑さは消えないおふたりですが、今年のコナンの心残りは来年のコナンに託すしかない! 今後コナン映画に期待するものはなんでしょうか。

終わり:やっぱり僕は「異次元の狙撃手」で、それまでの映画とアニメがパラレルではなく「映画が原作を進めた」というのが印象深くて。漫画・アニメ・映画が絡み合って進んでいくのが僕はすごく好きなので、今後のコナン映画にもそういったものを期待しています。原作をちょっと進めるような話があるとうれしくなっちゃうだろうな。

シャム:期待するものは……爆破ですね。コナンはメインキャラクターによって爆破のスケールが変わってくるんです。来年の映画では、一段大きくなったスケールの爆破を見せてほしいと思います。

終わり:つくづく思うのは、コナンってコンテンツとしてめちゃくちゃ強い。軽いラブコメをやってもコナンだし、非常にシリアスな話をやってもコナン。幅が広いんですよね。原作で「殺人ラブコメ」を名乗って長いけど、シリアスとコメディの間を往復しながら、多くの人に受け入れられているのがすごいところ。

シャム:もうさ……来年の映画が死ぬほど楽しみなんだよ。来年は待望の「あの人」にスポットが当たる作品になることが予想されてますけど……「天国へのカウントダウン」から何年ぶりだ?

終わり:一応「純黒の悪夢」でもスポットが当たってなくもないですが、メインは本当に久々ですね。

シャム:あと1年、頑張って生きよう。本当によかった。

終わり:なんだかんだ言って、毎年こんなに楽しみにできる映画があるのは、本当によかった。

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