インタビュー
» 2008年09月08日 18時37分 公開

「日本はもうゲーム先進国ではない」――岡本吉起氏が語る“世界に通用するゲームプロデュース”CEDEC 2008特別インタビュー(1/3 ページ)

日本最大級のゲーム開発者カンファレンス「CEDEC 2008」で講演を行うゲームリパブリック社長の岡本吉起氏に、講演内容として「いま、必要とされるゲームプロデュース」を選んだ理由や、ゲームリパブリック立ち上げから5年間が経っての今を振り返ってもらった。

[池谷勇人,ITmedia]

 9月9日から11日にかけて開催される、日本最大級のゲーム開発者カンファレンス「CESA DEVELOPERS CONFERENCE 2008(CEDEC 2008)」。その開催に先駆け、「いま、必要とされるゲームプロデュース」という内容で講演を予定している、ゲームリパブリック社長の岡本吉起氏にインタビューする機会を得た。

 岡本氏と言えば、カプコン時代には「ストリートファイターII」シリーズや「バイオハザード」シリーズ立ち上げの功労者として知られ、独立した現在は経営者という新たな立場からゲーム業界に深く携わってきている。その岡本氏から見た“ゲームプロデュース”とは一体何なのか。CEDEC 2008開催前に、その講演内容について少しだけ語っていただいた。

あえて今、プロデューサーを再定義する

photo 岡本吉起氏

―― 今回、なぜプロデュースについて語ろうとしたのか教えてください。

岡本吉起氏(以下、敬称略) プロデュースと一口に言うけど、各会社で役割も違うし、定義も曖昧じゃないですか。だからこそ、あえて“プロデューサーって何ぞや”というのを、一度ハッキリ言葉にしておかなきゃいかんのかなと考えたんです。

―― 現場でも、厳密なプロデューサーの定義はないんですか?

岡本 ないでしょ。だからこそ一石を投じたい。と言っても、そんなにすばらしいことを言うつもりはなくて、こいつ当たり前のこと言ってるよとか、そうじゃないよとか思ってくれて構わない。これを叩き台にして、みんながプロデュースという仕事について考えて、話し合ってくれたらそれでいいんです。

―― 池にポチャンと石を投げ入れて、波紋が広がるのを見るような感じでしょうか。

岡本 そうそう。後は順番ですかね。ゲーム作りについては「GDC 2008」でもう語ってしまったんで、次は何にしようかなと考えて、やはりプロデュースだろうと。

―― 岡本さんの場合、カプコン時代と現在とでプロデュースへの関わり方ってかなり異なっていますよね。

岡本 独立してからは、ゲームのプロデューサーは一度もやったことないですよ。

―― え! そうなんですか?

岡本 エグゼクティブディレクターぐらいですかね。でもエグゼクティブ何とかなんて、実のところは“あんまり作業してませんよ”って意味じゃないですか(笑)。

―― そうですね(笑)。では、CEDEC 2008ではカプコン時代の話が中心になるのでしょうか?

岡本 いや、今回は“人や会社をプロデュースする”ってところに話を持っていこうと思っていて、単体のゲームタイトルについてのプロデュースにはあんまり触れるつもりはないんです。人を、会社をプロデュースするのもプロデューサーの仕事なんですよ。

―― 現在は立場上、会社をプロデュースしていると。

岡本 そうそう、そういう話です。ゲームを売ろうと思ったら、それを作ってる人も売っていかないと、結果的にゲームも売れないんですよ。カプコン時代にも「今日からプロデューサー制度を取り入れるからね」と言われて、一気に7人くらいプロデューサーを売り出すことになった。一方では僕自身も自分で自分をプロデュースしなきゃならなくて。後は会社のブランディング。例えば昔のカプコンは“2D格闘一色”みたいなところがあった。そこに次世代ハード(当時のプレイステーション)へ軸足を移していくにあたって「バイオハザード」みたいなタイトルを投入していくとか、そういうのも一種のプロデュースと考えられますよね。

―― いろんなプロデュースの定義や見方があるんですね。

岡本 プロデューサーの根底はこれじゃないんですかって話から入って、後は分かりやすい参考例なんかを挙げながら語っていこうと考えてます。

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