小浜良いとこ「アメリカ大統領選挙」:ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(1/3 ページ)
今回はヘクトの「アメリカ大統領選挙」。現実の選挙から1カ月近く経って、やや旬を逃したような気もしますけど、ここで取り上げなかったら次は4年後なので。もちろん今回行ったのは、あの町です。
大統領選挙翌日の小浜市の風景
11月5日午後1時(米国時間11月4日午後11時)。アメリカ合衆国大統領選挙において、民主党のバラク・オバマ上院議員が当選確実と報じられた。
テレビでそのニュースを見届けて、わたしは一路京都へ向かった。1泊して翌6日に、国鉄カラーの特急雷鳥で敦賀へ移動。普通電車に乗り換えて西へ。
敦賀からしばらくは、雄大な山々が町を囲むような風景。やがて山の切れ間から少しずつ、海が姿を現す頻度が増える。
着いた所はJR小浜駅。そう、「オバマ候補を勝手に応援する会」でおなじみ、あの小浜市にやってきたのだ。
駅の改札は一時的に混雑。これから帰るケニアの方とおぼしきお2人とすれ違った。
駅前の商店街では全店舗に、オバマ氏の大統領当選を祝う貼り紙が出ていた。偶然、取材中のTKOさんを見かけてびっくり。まさかこういう場所で芸能人を見られるとは思わなかった。
商店街や再開発ビルの「つばき回廊」では、いくつか空き店舗も見受けられる。市の名前がアメリカの次期大統領と同じ名前というのは、ささいなことかもしれないが、それでもいいから市の名前をアピールして、経済活性化のきっかけにしようと考えるのも無理ないと思う。
毎回この連載では、取り上げるゲームにゆかりのある場所へ行って写真を撮るのだが、毎回“ゆかりのある場所”の設定がかなり強引なので、仮に現地がこういう盛り上がり方をしていなかったとしても、わたしはやっぱり小浜に来ていたとは思うけど……。
オバマ氏みたいな候補者が!
さて、今回取り上げるゲームは、ファミコンの「アメリカ大統領選挙」。ヘクトから1988年10月28日に発売された。アメリカ大統領候補となって、党の予備選、全国党大会、そして本選を勝ち抜き、大統領を目指すゲームである。
1988年には実際に大統領選挙が行われている。本選の投票日は11月8日。このゲームはまさにその直前を狙って発売されたというわけだ。もっとも、そのために発売日が、あの「スーパーマリオブラザーズ3」のわずか5日後となってしまうのだが……。
プレイヤーは大統領候補6人のうちひとりを選び、その人物となって大統領選を戦う。プレイしてみて驚いたのだが、その中のひとりであるザクソン候補が、民主党の候補で47歳の黒人、しかもイリノイ州選出。つまりオバマ氏とまったく同じプロフィールだったのだ。
もちろんこれは偶然で、ザクソン候補には実在のモデルがいる。当時の民主党候補のひとりだった、ジェシー・ジャクソン氏だ。牧師兼人権活動家で、実際の1988年の大統領選挙では、民主党の党大会で第2位となった。
私はアメリカ大統領選挙でザクソン候補を選択してみた。1988年の選挙で“Change”を起こしてみよう。“Yes, We Can.”
予備選は州単位で行われる。最初はアイオワ州だ。まず州のデータと、その州における各候補の支持率を確認する。それらと候補自身のポリシーを参考に、48ある政策の中から3つを選び、その政策に対する考え方“政策値”を決定する。政策値はゲージになっていて、その政策に対してどのくらい賛成か反対か、推進するか阻止するかを決めるのだ。
政策値を決めたら、演説会を何回行うかと、テレビCMにいくら予算をかけるかを考える。演説会は多いほど支持率が上がるが、その代わり体力を消耗する。テレビCMは、州ごとに異なる視聴率を見極めて、各局に予算を配分するのが得策らしいが、短い選挙運動期間でそれを見極めるのは難しい。また、予備選挙ではなくて党員集会で代議員の配分が決まる州もあり、そこではテレビCMを打つ必要がない。
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