「プラレス3四郎」の神矢みのる先生とロボットプロレス主宰ミステル・タマオ総統の「プラレスvsロボレス対談」が実現!!(4/4 ページ)

» 2012年04月13日 16時33分 公開
[種子島健吉,ITmedia]
前のページへ 1|2|3|4       
※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

マンガ、ロボットプロレスそれぞれの展望

―― マンガの世界、ロボットプロレスの世界と違いはありますが、今後の展望、これからの目標を教えていただけないでしょうか。

神矢氏 「3四郎」を描いているときは、まさかこんなに早く、ここまでロボットが動くようになるとは思っていなかったので、いまのロボットプロレスには正直ちょっとビックリしています。私としては、いまロボットプロレスが実現していることを念頭に、それを凌駕するようなものを描いて行かなければならないと思います。でも、ロボレスラーたちのパフォーマンスが一般的な読者に認知されているかというと必ずしもそうではない。だから、ロボットプロレスを下敷きに、スケールアップした物語を描いてしまうと説得力を欠いてしまうかもしれない。さじ加減が難しいところですね。そういうことを考えながら、子供たち、あるいはお父さんがたにも一緒に読んでもらえるような、半歩先のリアルな未来を描きたいと思っています。

タマオ総統 まず映像コンテンツとして良いものを仕上げたいというのがある。もちろんライブのイベントも大事だが、どうしても拠点とする関東地方の開催が多くなってしまう。映像をインターネットで見られるようにすれば、もっと多くの人に見てもらうことができる。今でもやっていないわけではないが、YouTubeにもっと映像コンテンツをアップしたいと思っている。多少、無理矢理な演出をしてでも楽しんで見てもらえるようなものをだ。お子さんだけでなく、プロレス好きな人なら、必ず楽しんでもらえるのではないかなと思っている。

 それからトップシークレットなのだが、「流血48」というプロジェクトを秘密裏に進めている。これは流血仮面のボディがKHR-3HVという市販されているロボットキットだということを活用したもので、流血仮面の衣装を日本中の、否、世界中のKHR-3HVオーナーに無償で貸し出し、モーションプログラムも複製提供するプロジェクトだ。流血仮面となったKHR-3HVと、そのオーナーが各地のロボットイベントに参加する。そうすることで、ロボットが参加できるイベントは毎月どこかで開催されているから、規模の大小はあれ毎月どこかのイベントに流血仮面が登場することになる。つまり、様々なイベントで流血仮面の露出を増やし、「会いに行けるロボット」を実現するという高尚なミッションなのだ。

 現在、衣装は数着の用意があるのだが、今のところ貸し出しの予定はない。KHR-3HVのオーナーさんは多いのだが、かなりの高確率で改造してしまっているので、衣装が合わず流血仮面に変身できないことが多いという、まことに残念な結果となってしまっている。志ある無改造なKHR-3HVのオーナーさんには、ぜひとも「できんのか!」公式ホームページに記載しているメールアドレスからコンタクトしていただきたいものだな。特に格闘技経験者やプロレスファンは大歓迎だ。

 (神矢氏に対して)今回は対談を承諾いただきありがとうございました。私はマンガ家の神矢みのるはもちろんのこと、ロボットアーティストとしての神矢みのるに対してもリスペクトしています。実は先生の制作されたロボットを拝見したことがあるのですが、見た目も動きも素晴らしいものでした。ロボットビルダーの中でも、自身でアルミ板を切り出し、自身で設計加工し、モーションプログラムも自身で組み上げるところまでできる人はなかなかいないものです。今後とも神矢先生のアドバイスをいただきながら、子供たち、観客を楽しませることができるロボットエンターテインメントの世界を表現したいと思っていますので、よろしくお願いします。

―― しかし、タマオ総統。神矢先生の前だとずいぶんしおらしいですね……。

タマオ総統 当たり前だ! 神矢先生は、日本のホビーロボットシーンでは神様のようなお方だぞ。ロボットビルダーにもリスペクトしている者が多い。今回は存外にロボットプロレスを評価していただいていることが分かり、非常に感激しているとともに身が引き締まる思いだ。これからもより多くの人に楽しんでもらえるよう「できんのか!」は日本だけでなく、世界に向けても発信していく。4月下旬にも、サンフランシスコで開催されるイベント、ROBOGAMESでロボットプロレスを開催してくるので、今後の展開に期待してもらいたい! ROBOGAMESには、先日、ITmediaで紹介されたキングカイザーの丸氏も参加しブースを盛り上げてくれる予定だ。

―― 神矢先生、最後にロボットプロレス「できんのか!」にエールを送っていただきたいというのと、実は先生もロボット制作経験がおありということですが、ロボットを操縦するのとマンガでロボットを描くのとどちらが難しいですか?

神矢氏 それはもうマンガで描くほうが簡単ですね(笑)。ロボットのコントロールは難しいです。それにロボットプロレスになると、ただ動かすのとはまったく違ってくるんですよ。まったくシナリオ通りのお芝居というのではないので……。実際、見ていると同じ対戦カードでも試合するごとに全部違う試合になります。その日の会場の状況、ロボットのお互いのコンディション、観客の反応などなど、その場の空気に合わせて選手がお互いにアドリブを効かせたり、瞬時に状況に対応して試合を作り上げている。それを実現しているのが「できんのか!」に参戦している、日本のトップレベルともいうべきロボットビルダーの方々なんですね。ロボットプロレスは彼らのロボット制作技術と操縦能力があればこそ成り立つ、非常に高度なパフォーマンスなんです。そのあたりが、私がロボットプロレスにいちばん魅力を感じているところです。インターネットで見ることができる映像がもっと増えるというのはうれしいですね。私も楽しみにしています。ロボットプロレス「できんのか!」は、マンガと同じぐらいエンタテインメントしていると思いますので、見たことがない方はぜひ一度、観戦してみてください。

画像 神矢みのる氏(中央左)とロボットプロレス「できんのか!」主宰ミステル・タマオ総統(中央右)を囲んだロボットプロレス参加のロボットビルダーの皆さんと個性豊かなロボレスラーたち

前のページへ 1|2|3|4       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/21/news027.jpg 大きくなったらかっこいいシェパードになると思っていたら…… 予想を上回るビフォーアフターに大反響!→さらに1年半後の今は? 飼い主に聞いた
  2. /nl/articles/2411/20/news049.jpg 高校生の時に出会った2人→つらい闘病生活を経て、10年後…… 山あり谷ありを乗り越えた“現在の姿”が話題
  3. /nl/articles/2411/20/news222.jpg ディズニーシーのお菓子が「異様に美味しい」→実は……“驚愕の事実”に9.6万いいね 「納得した」「これはガチ」
  4. /nl/articles/2411/20/news027.jpg 「こんなことが出来るのか」ハードオフの中古電子辞書Linux化 → “阿部寛のホームページ”にアクセス その表示速度は……「電子辞書にLinuxはロマンある」
  5. /nl/articles/2411/20/news054.jpg 「防音室を買ったVTuberの末路」 本格的な防音室を導入したら居住空間がとんでもないことになった新人VTuberにその後を聞いた
  6. /nl/articles/2411/20/news050.jpg プロが教える「PCをオフにする時はシャットダウンとスリープ、どっちがいいの?」 理想の選択肢は意外にも…… 「有益な情報ありがとう」「感動しました
  7. /nl/articles/2411/21/news083.jpg 間寛平、33年間乗り続ける“希少な国産愛車”を披露 大の車好きで「スカイラインGT-R R34」も所有
  8. /nl/articles/2411/21/news085.jpg 「もしかしてネタバレ?」 “timeleszオーディション”候補者がテレビ局を退社 ディズニーの“船長”としても話題
  9. /nl/articles/2411/18/news107.jpg 走行中の車から同じ速さで後方へ飛び降りると? 体を張った実験に反響「問題文が現実世界で実行」【海外】
  10. /nl/articles/2411/21/news018.jpg グルーミングが出来ない生まれたての子猫、とんでもない体勢になり…… 想像以上のへたくそっぷりに「どこにも届いてないww」「反則級」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  4. まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  5. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  9. ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  10. 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた