青森県オリジナル手帳「青森県民手帳」があれば、手帳を開くたびに青森県に思いをはせることができる
県民の県民による県民のための手帳。
来年の手帳を考える季節。毎年のことながら、ズラリと並んだ新しい手帳を前に、どれにしようか悩んでしまう人も多いはず。そんななか、青森県から「青森県民手帳」なるものが発売されているのを発見。気になるので、販売先の「青森県統計協会」事務局長・稲宮さんに話を聞いた。
この手帳、1960年から発売されており、2016年版で57年というロングセラーを誇る。当初は一般の人ではなく、ある人たちのためにつくられたものだった。
「実は県内で統計調査を行っている調査員のためにつくられたのが始まりなんです。昔から県の人口や交通マップは載っておりましたが、その用途は調査員が記録するために使う手帳だったのです」(稲宮さん)
その後しばらくの間、一般には発売されていなかったが、少なくとも1987年(平成元年)あたりから一般の人向けに発売されていた。“あたり”という表現は、あまりにも歴史が古いために、当時の手帳開発者がすでにおらず、正確な年数は誰も把握していないのだという。ただ、「私はこの手帳を20年以上も使い続けている」というヘビーユーザーの職員がいることから、一般販売開始は上記の時期だったのではないかと推測される。
手帳としての内容は一般的な手帳と変わらないが、青森県のお得情報を盛り込んでいる。「あおもり 旬のカレンダー」にはどの季節に何がおいしく食べられるかが記載されている。生産量第1位のりんごに関しては、開花時期を紹介。さらに、過去5年間の青森地方の天気情報に加え、2016年版では新たに過去1年の最高・最低気温情報も載せている。寒さが厳しい青森では、気温の変動を確認するのは大切なことだという。
また、セットで付いている「別冊 ふるさと便利帳」には統計分析課が作成しただけあり、青森の統計データで県の魅力を紹介。「資料編」「名簿編」「生活編」「ふるさとピカイチデータ」に分けられており、観光から話題のネタとして重宝できるとのこと。「意外と県民でも知らないことがあるとのお声を聞き、作り手としてはうれしいですね」と稲宮さんは声を弾ませる。
売上も好評で、2007年ごろからの「県民ブーム」をキッカケに、毎年2万部の手帳がほぼ完売するという。今年は5色から7色のカラーバリエーションとなり、5000部を増刷しての発売となっている。
これだけ青森の魅力が詰まった手帳、「欲しい」と思った県外の人もいるはず。実は、県外の人でも買うことができる。ひとつは青森県統計協会に電話で注文する方法。もうひとつは「有楽町ロフト」「渋谷ロフト」や「みちのく夢プラザ(福岡県)」でも販売されているというので、こちらで購入するのもありだ。すでに在庫切れのものがあるので、売り切れにはご注意を。
県民手帳は青森県以外でも北海道・東京都・神奈川県・京都府・大阪府・兵庫県を除く県で販売されている。それぞれの県民手帳を使用し、興味をもった都道府県の見聞を広めるのも良いかもれない。
初掲載時、三重県に県民手帳がないとしていましたが誤りでした。お詫びして訂正します。
(隈崎大樹/LOCOMO&COMO)
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