「渋滞」はなぜいつも同じ場所で起こるのか? 発生のメカニズムを解説する
渋滞を引き起こす「サグ」とは?
ゴールデンウィークなどの大型連休の際には、帰省や旅行をする方も多いと思います。車での移動を考えたときに、避けては通れないのが“渋滞”です。
ニュースなどで渋滞情報を見ていると、「いつもここで渋滞が発生しているな……」という場所があるはずです。今回は「渋滞はなぜいつも同じ場所で起こるのか」について、原因を調べてみました。
渋滞のメカニズム
渋滞はさまざまな要因で引き起こされることが分かっていますが、中でも「交通量が多すぎる」ことが原因の「交通集中渋滞」が全体の約65%を占めています。こうした交通集中渋滞のうち、約60%が上り坂や「サグ」と呼ばれる部分で起こる渋滞です。
「サグ」とは、それまで下っていた道路が上り坂になり、凹のような形になっている部分。ここでは、上り坂に切り替わったことに気付かずに、速度を変えずに運転しているつもりが、実際には速度を落としてしまう車が出てきます。
速度が落ちた車にあわせて、後続の車が次々とブレーキをかけることで、渋滞が発生するというメカニズムです。いわゆる「渋滞の名所」(?)と呼ばれる場所には大体サグがあります。
また、交通集中渋滞のうち約20%が「トンネルの入り口」付近で起きています。トンネルの入り口に差し掛かった車は、暗さや圧迫感から速度を落とし、これに合わせて後続の車が次々とブレーキを踏んで……というメカニズムです。
「合流部」でおこる渋滞も交通集中渋滞の15%を占めています。インターチェンジなどで本線に合流する車は。速度を落として本線に合流することが多いからです。その他の例では、車線が減少する「ボトルネック」なども渋滞の原因となります。
ニュースなどでは「○○自動車道で事故のため××キロの渋滞」などと聞くことが多いように思われますが、意外にも、事故などのアクシデントが原因となる渋滞というのはそれほど多くはないのですね。
とはいえ、今は「渋滞の名所」と呼ばれている場所でも、今後さまざまな理由でスムーズに通れるようになるかもしれません。
かつて渋滞が多発していた料金所が、ETCの普及により停止せずに通れるようになったことで、渋滞が激減したというケースもあります。他にも車線の増設や新しい道路の開通など、渋滞を減らすべくさまざまな対策が進められています。交通情報の常連ポイントも、いずれはその名前を聞くことがなくなるかもしれませんね。
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