よく考えると謎ネーミングの「食パン」 由来は「パンはパンでも食べられないパン」との区別から?

食べられないのは、フライパンだけじゃなかったのか。

» 2017年10月01日 09時00分 公開
[ねとらぼ]

 パンはパンでも食べられないパンといえば、フライパン。反対に、食べられるのはカレーパン、アンパン、フランスパン……と挙げきれないほど思いつきます。

 では、どうして食パンだけに「食」という字がつくのでしょうか。その理由は、パンの歴史をさかのぼることで見えてきます。今回は、そんな語源に関するトリビアをいくつかまとめてご紹介。

主食用だから食パン? それとも、食べられるから食パン?


「食パン」の語源をたどると、実は略語?

 日本にパン文化が広まる際に、食パンは海外で主食とされていたことから「主食用パン」と呼ばれていたといわれています。その後、省略表現にあたる「食パン」だけが定着し、元の表現が忘れられた結果、「自ら『食』と名乗る不思議な食べ物」になってしまったというわけです。

 また、デッサンで消しゴム代わりに使われるパンを「消しパン」、食用のパンを「食パン」と呼び分けていたとする説も。この考えに基づくと、「パンはパンでも食べられないパン」が本当にあったため、「食べられるパン」をはっきり示す言い方が存在していたということになります。


「食パン」の語源をたどると、実は略語? 食べる以外の用途で使用する「消しパン」。画像は「デッサン 消しパン」Google検索画面より

マルコ・ポーロが日本に来なかったから、日本は「JAPAN」と呼ばれるように

 「日本」が英語で「JAPAN(ジャパン)」と呼ばれるのは、かつて探検家マルコ・ポーロが「東方見聞録」を書いた際、日本のことを「ジパング」という名称で記載していたから、というのが通説です。


「食パン」の語源をたどると、実は略語? マルコポーロ(左)、東方見聞録(右)

 では、そのジパングはどこから来たのでしょうか。実はマルコ・ポーロは日本を訪れたことがなく、中国で聞いた情報をもとに「東方見聞録」を書いていました。当時の中国では、日本を「ジーヘン」と発音していた可能性があることから、「ジーヘン → ジパング → ジャパン」と音が変わっていったとする説があります。

カキは「牡(オス)しかいない」と思われていたから「“牡”蠣」

 貝類のカキを漢字で書くと「牡蠣」。性別を表す「牡(オス)」という字が当てられていますが、これはその昔、カキにはオスしかいないとされていたから。

 本当はメスもいるのですが、カキの性別判定には顕微鏡が必要で、かつては鑑定することができませんでした。そのため、今では理解しがたいことですが、「どのカキも白子(魚類の精巣)に似ているから、すべてオスだろう」と考えられていたのです。


「食パン」の語源をたどると、実は略語? なぜ、メスはいないことにしてもいいと思ったんだ……

 なお、サザエは内臓が白いとオス、緑色の場合はメスと一目で分かります。昔の人からしたら「同じ貝類なのに、こんなに性別判定の難易度が違うなんて理不尽だろ!」という話なのかもしれません。

「青春」がピンクでも黄色でもない理由は、古代中国までさかのぼる

 「青春」に「青」という字が使われているのは、古代中国の思想では黒、青、白、赤の4色が方角、季節などと結びつけられていたから。

  • 黒:冬/北
  • 青:春/東
  • 赤:夏/南
  • 白:秋/西

 この組み合わせから、色と季節名をセットにした言葉「玄冬」「青春」「朱夏」「白秋」が発生。本来は季節を表す表現だったのですが、「人生の春」という意味で若い時期を「青春」と呼ぶようになりました。

 ちなみに「玄武」「青龍」「朱雀」「白虎」という中国の神獣と言葉のつくりが似ているのは、これら4種も方角や季節とひもづけられているため。

ポップ体の「ポップ」は「購買時点広告」の略語


「食パン」の語源をたどると、実は略語?

 フォントの「ポップ体」は、ポップな雰囲気が出せるからポップ体と呼ばれている……と思っている人がいるかもしれませんが、これは誤り。正しくは、「購買時点広告」に由来します。

 購買時点広告は、英語では「Point Of Purchase Advertising」と表現され、略称は「POP(ポップ)広告」。本屋やドラッグストアでよく行われている、商品のおすすめポイントを示した飾り付けなどを店頭に設置する販促方法を指します。その際に使われていたフォントが、ポップ体と呼ばれるようになりました。

制作協力

QuizKnock


関連キーワード

略称・通称 | 由来 | 文化 | 歴史 | トリビア


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  2. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  3. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  4. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  5. 田代まさしの息子・タツヤ、母の逝去を報告 「あんなに悲しむ父親の姿を見たのは初めて」
  6. 「遺体の写真晒すのはさすがに」「不愉快」 坂間叶夢さんの葬儀に際して“不適切”写真を投稿で物議
  7. 大友康平、伊集院静さんの“お別れ会”で「“平服でお越しください”とあったので……」 服装が浮きまくる事態に
  8. 妊娠中に捨てられていた大型犬を保護 救われた尊い命に安堵と憤りの声「絶対に許せません」「親子ともに助かって良かった」
  9. 極寒トイレが100均アイテムで“裸足で歩ける暖かさ”に 今すぐマネできるDIYに「これは盲点」「簡単に掃除が出来る」
  10. 「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
  2. パーカーをガバッとまくり上げて…… 女性インフルエンサー、台湾でボディーライン晒す 上半身露出で物議 「羞恥心どこに置いてきたん?」
  3. “TikTokはエロの宝庫だ” 女性インフルエンサー、水着姿晒した雑誌表紙に苦言 「なんですか? これ?」
  4. 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
  5. 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
  6. 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
  7. 67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と称賛 センス抜群の着こなしが参考になる
  8. “双子モデル”りんか&あんな、成長した姿に驚きの声 近影に「こんなにおっきくなって」「ちょっと見ないうちに」
  9. 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
  10. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」