「幅は1.7メートルだ。貴様は通れるか?」 最狭の険道「神奈川県道515号」、やっぱり絶対に通れなかった(2/4 ページ)
現れた超狭ゲート! そして本当に「極狭」の山道
それにしても「最大幅1.7m」規制とは……! 道幅の頼りなさと反比例するように、物々しい内容の標識や可動式ゲートもズズン、ドバンとたくさん出現するようになります。
県道515号は2019年10月に上陸した台風19号で被害を受け、2019年12月上旬まで通行止めになっていました。2020年1月現在は無事復旧。しかし横の道路情報板には「通行止め」標識が表示されたままでした。
「連続雨量100mm以上 時間雨量20mm以上 その他異常時には全面通行止になります 神奈川県」と書かれた標識もありました。時間雨量20ミリとは、気象庁「雨の強さと降り方」によると、運転中に「ワイパーを速くしても見づらい」くらいの雨量です。つまり、比較的すぐに通行止めになることが伺えます。
駐車禁止の標識の下には「この場所は、車両の引き返しの場所です」と書かれています。
そして現れたのが屈強な「幅1.7メートルの門番」! デデン! 以前紹介した県道518号の門番は幅2メートルでした(関連記事)。今回のは……2つの「幅1.7m規制標識」が目玉のようで不思議と愛嬌を感じてしまいますが、もっとやばいボスキャラクラス。県道518号が雑魚クラスに思えてきます(決してそんなことはない)。
「そんな大げさに言ってるけど通れるでしょー。オレ運転には自信があるし」なんて軽い気持ちで行くと本当に危ないです。まー、幅1.48メートルの軽自動車ならば通り抜けるくらいはできるでしょう。でも、ですよ。前進するだけならばまだしも「すれ違い」が発生したらどうなると思います? 場合によっては、「1.7メートル幅で片側が崖の道を100メートルほどバックで戻らなければならない」可能性があるのです。考えただけで「ひっ」となります。
この道は名手集落に住む人々の大切な生活道路。約100メートルおきに退避スペースがあるのが救いです。しかし、それにしても決して大きな余裕はありません。
退避スペースには「退避所につき駐車絶対禁止」と書かれた標識があります。「絶対」。行政が設置したとは思えないほどに強い口調の注意です。同時に次の退避所までの距離もわざわざ明示されています。他の道では見ることのない「ていねい」さ。それがこの県道515号の「最強、いや最狭(さいきょう)っぷり」を物語っていると言えます。
擦り傷だらけのガードレールが激狭っぷりをさらに物語る でも津久井湖を臨む景色は超きれい……
県道515号は津久井湖の湖畔を高度を上げていくように通る道です。ところどころに眺めがいい場所があります。もっとも、クルマだとそんな余裕はないでしょうが……。
何せ、約100メートルおきにある退避スペース以外はクルマの幅とほぼ同じ完全1車線。カーブはもちろん、曲がりながら登ったり下ったり。まるでジェットコースターのようです。
最狭箇所のガードレールにはドライバーの焦りと苦労、そして無念と後悔を示す擦り跡が無数にありました。
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