ブームから2年越しに考える、なぜ「どうぶつタワーバトル」は“次世代eスポーツ”と呼ばれたのか:このeマイナースポーツがスゴい(1/2 ページ)
今なお続くトッププレイヤーたちの戦い。
2017年末に大ブームを巻き起こし、「どう森(どうぶつの森)を超える神ゲー」「次世代のeスポーツタイトル」などと注目を集めたゲーム、覚えていますか?
スマートフォン向けの対戦ゲームで、動物を積み上げていくだけのシンプルなゲーム性。変な姿勢のヤギやゾウ、シロクマなどが重なるシュールな絵面。そして、一度始めるとなかなか辞められない中毒性の高さ……。
そう、「どうぶつタワーバトル」です。
本記事は、改めてどうぶつタワーバトルの可能性を考える連載企画。今回は基礎編として、2年前のブームから現在までの流れを振り返ります。
「どう森(どうぶつの森)を超える神ゲー」と呼ばれた理由
どうぶつタワーバトル(略称:DTB)から離れてしまった読者もいると思われるので、まずは同作のブームを振り返ってみましょう。
制作者・Yuta Yabuzakiさん(@planet12app)のブログ記事によれば、バージョン1.0が登場したのは2017年3月30日末。大学中退、「ニート・ひきこもりのような生活」を経て制作した個人開発ゲームで、初期は「昼間でも誰も対戦相手がいないというのは普通」「(オンライン対戦ゲームなのに)友達としかマッチングしない」ほどプレイヤーが少なかったといいます。
DTBのブームが起こったのは、登場から半年以上たった2017年11月末のこと。それまで日の目を見なかった同作に、突如としてネット上の注目が集まった理由を、Yabuzakiさんは「任天堂さんの『どうぶつの森 ポケットキャンプ』のリリースに伴いアプリストア内の『どうぶつ』関連のワードの検索数が上がった」と推測しています。
このような事情も手伝ってか、ネット上では「どうぶつタワーバトルはどうぶつの森を超える神ゲー」と評されたことも。初めはネット民にありがちな大げさな冗談だったのかもしれませんが、DTBの人気はあまりにも爆発的なものでした。
同年12月4日、どうぶつタワーバトルは「どうぶつの森」を押さえて、App Storeの「無料総合ランキング」1位に。瞬間風速とはいえ、半年近く人気のなかった個人開発ゲームが、本当に任天堂のビッグタイトルを超えてしまったのです。
それから約2年たった現在。ブームは落ち着いたものの、人気は一過性のものではありませんでした。
例えば、2019年10月末からは「シーズン2」がスタートしたのですが、同期間における筆者の記録をランキングページで見てみると、最高レート(1712)は約5万位、最高連勝数は(5回)12万位台にランクイン(執筆時点)。
アプリをダウンロードしただけでは、筆者の成績を上回ることはできません。シーズン2が始まってから数カ月のあいだに、10万を超えるプレイヤーの記録が現れているのです。
「どうぶつタワーバトル」は本当に“次世代のeスポーツタイトル”だったのか
ブーム当時、DTBやり込んでいたをやり込んでいた人なら、「殺意のカメ立ち」「ラムセウム・テンティリス」「守りの2キリン」といったフレーズに聞き覚えがあるはず。にわかに攻略Wikiが現れ、DTBのテクニックが広まっていきました。
ブーム期に登場したテクニック
- 殺意のカメ立ち:亀を回転させて、ヒレと頭で立つように落下させる。上に動物を積むのが難しい、攻撃的な置き方
- ラムセウム・テンティリス:「△」に近い形をしたシロクマの上に、逆さにしたシロクマを重ねる。バランスが悪く、さらに重ねるのが困難
- 守りの2キリン:数字は回転ボタンを押す回数に対応。キリンは2度回転させてから置くと安定性が高かった
- 崖掛け:「崖つかみ」「崖フック」などとも。ステージの左右の端に、動物を引っ掛ける。失敗すると即落下(敗北)のリスクがあるが、極めるまでやり込む人もいる
など
あれから2年、“DTBガチ勢”もまた消えてしまったわけではなく、プレイヤー主導でさまざまな大会が行われています。2018年3月から続く「DTB獣王杯」などの運営に関わるだずんさん(@dazun_dtb)は、「このゲーム(DTB)の上位層がやってることは、完全にeスポーツ」だといいます。
同氏によれば、カジュアル層の「どうぶつタワーバトル = 気軽に遊べる、シュールなゲーム」という認識に反して、プレイヤー同士の読みと、緻密なテクニックとがぶつかり合う“実力ゲー”として楽しまれているとのこと。
また、トッププレイヤーたちの戦いの中で新たなテクニックも生まれているようです。
例えば、かつてアジアゾウを逆さにして落とす「5象(5.5象とも)」と呼ばれる置き方が存在。地面についている背中は丸く不安定で、上に動物を載せようものなら巴投げのように投げ飛ばしてしまうことから、強力な技として知られていました(その後、アップデートでやりにくくなったといわれる)。
しかし、現在はこれ以上に不安定な状態を作り出す「ZANTO」というテクニックがあり、それはなんと“アジアゾウをしっぽの先だけで立たせる”というもの。フレーム単位でのタイミング調整を行うと可能……らしいのですが、素人目には一体何が起こっているのかさっぱり分からないはず。だって、アジアゾウがしっぽの先だけで立っているんですから。
次回:“現代DTB”トッププレイヤーの戦い方
「どうぶつタワー」バトルの上級者は何を考え、どのように戦っているのかをトッププレイヤーにインタビュー。
- DTBプレイヤーの運命をつかさどるのは、神や偶然ではなく、「盤面論」「ディレイ」といった戦略やテクニック
- タワーに不安定な要素を仕込む「崩壊」を使う技もあるが、最も危険なワナ、それは不発弾
- 自爆、誘爆、御用心
関連記事
- 大学中退、ひきこもりを経てアプリ開発の道へ 「どうぶつタワーバトル」作者がヒットの苦労と喜び明かす 新どうぶつ追加も示唆
メガネグマやオリックスなどマニアックな動物も。 - どうぶつタワーバトルで勝つ方法、物理学的に教えます キーワードは「トルクをゼロにせよ」
レートを上げて、物理(学)で積めばいい。 - わずか29時間で配信停止に 「画太郎ババァタワーバトル」は何がダメだったのか
他の“そっくりゲーム”とは何が違っていた? - “1000回遊べるRPG”を4000回遊んだ男 「SFCトルネコの大冒険」に挑み続けるプレイヤーが語る「不思議のダンジョンには、まだ不思議がある」
求道者のごとく追い求める「トルネコ」の理論的限界。 - 地雷を探して15年 マインスイーパ日本最速プレイヤーが挑む“思考のスピードを超越した戦い”
マインスイーパ「上級」世界第2位のよわぽんさんに取材しました。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
庭で見つけた“変なイモムシ”を8カ月育てたら…… とんでもない生物の誕生に「神秘的」「思った以上に可愛い」
-
「これが生えたら庭終了」 プロも降参する“何をやっても全部ムダな最恐雑草”の正体が400万再生「ほんとこれ厄介」「土ごと変えないと不可能」
-
イトーヨーカドー春日部店が閉店へ 「クレヨンしんちゃん」に登場するスーパーのモデル 「残念」「寂しい」惜しむ声
-
夜、山中の側溝をのぞいてみたら…… 思わず声がもれる“あらぬ生物”の姿に「ヤバいw」「生で見てみたい」
-
水槽の中で卵を発見→慎重に見守って1カ月後…… 小さな命の誕生に飼い主も視聴者もメロメロ「まじで可愛すぎるほんとに可愛い」
-
「お父さんはママのオタクだった」 母親が「元・おニャン子」のタレント、アイドルとオタクが“つながっちゃいけない理由”を問いかける
-
「立体的に円柱を描きなさい」 中1の“斜め上の解答”に「この発想は天才」「先生の優しさも感じます」
-
スーパーで買ったレモンの種が1年後…… まさかの結果が635万再生「さっそくやってみます」「すごーい!」「手品みたい」
-
工藤静香、15歳の愛犬が天国へ 感謝の言葉つづるも……「泣いてばかり」「心が追いつかない」と悲痛な思い
-
外国人が来日して“3年後”…… マクドナルドの“オーダーの変化”に「胃袋が日本人のそれなんよw」とツッコミ
- プロが本気で“アンパンマンの塗り絵”をしたら…… 衝撃の仕上がりが360万再生「凄すぎて笑うしかないww」「チーズが、、、」
- 6年間外につながれっぱなしだったワンコ、保護準備をするため帰ろうとすると…… 思いが伝わるラストに涙が止まらない
- 「お釣りで新紙幣来た!!!!!と思ったら……」 “まさかの正体”に「吹き出してしまった」「逆に……」
- 赤いカブトムシを7年間、厳選交配し続けたら…… 爆誕した“ウルトラレッド”の姿に「フェラーリみたい」「カッコ良すぎる」
- ダイソーで買った330円の「石」を磨いたら……? 吸い込まれそうな美しさが40万回表示の人気 「夏休みの自由研究にもいいのでは?」
- 「これ最初に考えた人、まじ天才」 ダイソーグッズの“じゃない”使い方が「目から鱗すぎ」と反響
- もう笑うしかない Windowsのブルースクリーン多発でオフィス中“真っ青”になった海外の光景がもはや楽しそう
- アジサイを挿し木から育て、4年後…… 息を飲む圧巻の花付きに「何回見ても素晴らしい」「こんな風に育ててみたい!」
- スズメの首は、実は……? 「心臓止まりそうでした」「これは……びっくり!」“真実の姿”に驚愕の声
- 【今日の計算】「8×8÷8÷8」を計算せよ
- 18÷0=? 小3の算数プリントが不可解な出題で物議「割れませんよね?」「“答えなし”では?」
- 日本人ならなぜかスラスラ読めてしまう字が“300万再生超え” 「輪ゴム」みたいなのに「カメラが引いたら一気に分かる」と感動の声
- 「最初から最後まで全ての瞬間がアウト」 Mrs. GREEN APPLE、コカ・コーラとのタイアップ曲に物議 「誰かこれを止める人いなかったのか」
- 「値段を三度見くらいした」 ハードオフに38万5000円で売っていた“予想外の商品”に思わず目を疑う
- 「思わず笑った」 ハードオフに4万4000円で売られていた“まさかのフィギュア”に仰天 「玄関に置いときたい」
- かわいすぎる卓球女子の最新ショットが730万回表示の大反響 「だれや……この透明感あふれる卓球天使は」「AIじゃん」
- 「これはさすがに……」 キャッシュレス推進“ピクトグラム”コンクールに疑問の声相次ぐ…… 主催者の見解は
- 天皇皇后両陛下の英国訪問、カミラ王妃の“日本製バッグ”に注目 皇后陛下が贈ったもの
- 「この家おかしい」と投稿された“家の図面”が111万表示 本当ならばおそろしい“状態”に「パッと見だと気付けない」「なにこれ……」
- 和菓子屋の店主、バイトに難題“はさみ菊”を切らせてみたら…… 282万表示を集めた衝撃のセンスに「すごすぎんか」「天才!?」