メガネ好きのメガネ好きによるメガネ好きのための漫画 松本救助「メガネ画報」がメガネホイホイすぎる:虚構新聞・社主UKのウソだと思って読んでみろ!第45回
まぁまぁメガネどうぞ。
ねとらぼ読者のみなさん、こんにちは。虚構新聞の社主UKです。
普段ネットでみなさまにお目にかけている社主はMiiで作ったのっぺり顔ですが、本当の中の人はもうかれこれ20年以上メガネとともに暮らしています。
そんなことも影響してか、マンガの登場人物もメガネびいきなところがあって、本連載でも第1回「となりの怪物くん」のメガネ委員長・大島さんに始まり、「僕らはみんな河合荘」の残念女子・麻弓さん、そして長らく社主のベストヒロイン・オブ・ザ・メガネの座にとどまり続ける「ひまわりさん」のひまわりさんなど、機を見ては彼女たちメガネ女子の魅力について語ってきました。
さて、今回ご紹介するマンガは全国に6千万人は下らないであろう、そんなメガネ女子好きのために描かれたと言っても過言ではない、メガネ好きのメガネ好きによるメガネ好きのための1作、松本救助先生の「メガネ画報」(芳文社)です! メガネ!
手がかりは遺留品の黒縁メガネ
舞台は神奈川県のとある商店街。この商店街で宝石店を営んでいた会長・大栗氏がテニススクールの帰り道、何者かに撲殺される事件が発生。物語はその聞き込み捜査に当たる小野寺警部補と部下・田切が休憩がてら喫茶店に入るところから始まります。
2人が喫茶店だと思って入ったのは、実はコーヒーの香り漂うメガネ屋「佐藤眼鏡堂」。「趣味でコーヒーも出している」と話すメガネ女子高生、そして本作のヒロインでもある佐藤花子は、その日店主である祖父の代わりに店番を任されていたのでした。
亡くなった大栗氏はメガネ1つに10万円をかけるほどのメガネ好きだったことから、念のため花子にも聞き込みをする2人。死んだ大栗氏より、彼が持っていたという黒縁メガネのことしか興味を持たない彼女は、田切が店に忘れていった黒縁メガネの遺留品写真を一目見て何かに気づきます。
一方、捜査はいまだ大した手がかりが見つからず、小野寺警部補の上司でもあり大栗氏の旧友でもあった捜査課長の「男の背中」からもただならぬオーラが漂い始めていました。
そんな署内にひょこんと現れた花子。彼女は室内に置いてあった遺留品の黒縁メガネを目ざとく見つけ、勝手にそれをかけると、恍惚(こうこつ)とした表情を浮かべ「このメガネは会長さんのものじゃない」と断言します。
大栗氏本人の指紋もちゃんと検出されている黒縁メガネを、花子はなぜ本人のものではないと言い切ったのか。となると、当日大栗氏がかけていたはずのメガネはどこに行ってしまったのか。そして大栗氏を殺した犯人は誰なのか――。全ての答えは並々ならぬメガネ知識とメガネ愛を兼ね備えた花子の口から明かされます。
「メガネ拓」ですべて持って行かれた第3話
本作にはこの第1話「レンズ越しの光景」を含む全9話が収録されているのですが、この第1話と、小学生のなくしたメガネを探す第2話「ちょっと大人」までは、「ほほう、20年以上メガネをかけてきたけど、そこまでちゃんと考えたことなかったわ」とまじめに読んでいたのです。
が! 第3話「メガネと一緒」で本作がおかしくなりました(いい意味で)。
バレンタインデーを目の前に控えたある日、友達と一緒に帰っていた花子は、突然小野寺警部補に捕まり、近くで起きたコンビニ強盗の事件現場まで引っ張っていかれます。メガネをかけていた強盗犯の顔に塗料入りの防犯用カラーボールが当たったあと、犯人が転倒した際地面についた「メガネ拓」から犯人を捜してほしいというのです。真顔で。
ええ、メガネ拓です。この先二度と使う機会がないかもしれない言葉なので、もう一度書いておきますね。メガネ拓。このフレーズが目に入った瞬間、社主は「このマンガは何としても世のメガネ好きに紹介しなければならない……!」という使命感を抱かざるを得ませんでした。
ちなみにこの第3話、このメガネ拓から容疑者が2人にまで絞り込まれます。本格的なミステリー好きの方からは総ツッコミが入るかもしれませんが、ここはひとまず落ち着いて「まぁまぁ眼鏡どうぞ」とだけ言っておきます。
メガネをかけるべくして生まれてきたヒロイン・花子
さて、ここまでは主にミステリーライクな物語を中心に取り上げてきましたが、メガネ女子好きとしてヒロイン・花子についても当然触れておきます。これはもうメガネをかけるべくして生まれてきたヒロインとしか言いようがありません。
第5話「ボクのメガミ」では、花子の隣の高校に通う男子・佐田がメガネ女子の魅力について5ページにも渡って熱く述べた後、最後には悟り切った表情で「メガネっ娘に悪い娘はいない……」と結論付けますが、その佐田が花子を「メガネの女神=メガミ」と崇める点は社主も同意です。
2次元・3次元含め世の中には無数のメガネ女子がいるわけですが、彼女は世のメガネ女子好きが共通して持っている理想を最大公約数的に束ねあげた「元型としてのメガネ女子」なんじゃないでしょうか。その上作中「メガネバカ」と形容されるほどのメガネマニアなのだから、性格としても言うことありません。
ちなみに松本救助先生、今回の「メガネ画報」発売に合わせ「問答無用でメガネっ娘にするセロテープ」というアイテムも販売しておられます(450円)。しばしばマンガにおいて起こる「メガネを外すと実は美人」という残念な展開から身を守るための防衛アイテムとのこと。天才か!
メガネ女子について語りたいことはまだまだたくさんありますが、その多くは本作において十分に語られているので、メガネ好きなら「そうそう」と頷きつつ、まだその魅力を知らない人は本作を読んでメガネの持つ奥深さを感じていただければと思います。
とりあえず社主は「いつもはコンタクトレンズの女性と休日ばったり出会ったらメガネをかけていた」というシチュエーションが大好きだということだけ書いて、今日は筆を置きます。
今回も最後までお読みくださりありがとうございました。メガネ!
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