2度の挫折を経て「FFXI」にハマりつつある独身男性の物語(その1)ヴァナ・ディールをもう一度(2/2 ページ)

» 2007年02月01日 02時12分 公開
[山本博幸,ITmedia]
前のページへ 1|2       

時代に取り残された浦島太郎は、釣りをすることもできない

方向キーを間違った方向へ倒すとFishゲージが回復するので、竿の動きの見極めが肝心。昔と違って釣り上げるまでの緊張感がある。いつかは師範を目指したいところだが、なかなかスキルが上がらず今は3で停滞中……

 フィールドに出て見覚えのあるモンスターを倒し、コツコツと経験値を稼いでいく。体力自慢のガルカ戦士なだけあって、1体のモンスターを倒すのにそれほど時間はかからない(ちなみに僕は過去2回のプレイでは、両方とも種族をガルカに選んだ生粋のガルカファンである)。順調に戦闘を重ねてレベルを上げて、そろそろクエストにも挑戦しようと一度バストゥークへと戻った。受けられるクエストはまだ少なく、そのほとんどは過去に一度クリアしたものばかり。ノウハウを熟知していた僕は次々とクリアして、まさに順風満帆なヴァナ・ライフを送っていたのだが、あるクエストで初歩的なことにつまづいてしまった。それは釣りに関するクエストだ。釣れる場所で竿を投げて、あとはヒットするまでひたすら待つ……はずなのだが、いくらヒットしても糸が切れて逃げられる。以前のシステムでは、獲物が釣れるかどうかは、基本的には運を天に任せればよかったはずだ。それなのにまったく釣れない。これはもしや操作方法自体が違うのではと、ヒットした瞬間にボタンを押したり色々試してみたがどの方法も見事に逃げられる。説明書を読んでも釣りに関する解説文がない。ネットで検索しても、濃い内容は書かれてはいたが釣り方はどこにもなかった(そういえばヒットしたときにやたらと竿が動くし、「Fish」ゲージって昔はあったっけ?)。

 過去の記憶をひっぱり出して比べてみるがどれも曖昧ではっきりせず、結果どうしても分からずじまい。最終手段として、ヴァナ・ディールの世界を熟知している知人に電話してみた。ゲームについて電話するなんて何年ぶりだろうか。それも単純な操作方法がわからないなんて、何とも情けない話だ。恥を承知で聞いてみた甲斐があり、ようやく謎は解決した。竿の動きとは逆方向に方向キーを入れるとのFishゲージが減少し、それがゼロになったら○ボタンを押すと釣れるそうだ。実際に試してみると、ついに念願のアイテムを釣ることができた(それが「錆びたバケツ」というのも、何とも情けない……)。昔はただ「待つだけ」の釣りが、今ではアクション要素が追加されている。しかも昔よりヒットする確率が高くなったように感じ、釣りが少し楽しくなってきた。少しのあいだ、ほかのクエストそっちのけでひたすら釣りに没頭し、竿が折れたのをきっかけに終了した。長い時間釣りをしていたはずなのに、釣りスキルは1上がっただけ。どうやらこのへんのシビアさは健在のようだ。

やはりコミュニケーション不能のパーティバトル

 レベルも10を越えたころ、初めてパーティに誘われた。しかも外国人からだ。コミュニケーションを最初から諦めきっていたあの頃とは違って、今は「定型文辞書」なるものがある。あらかじめ辞書に登録されている単語や文章をそのまま英語に翻訳するという便利なシステムで、これがあれば外国人とも会話できる! とタカをくくり自信満々でパーティを快諾した。しかし、実際に使ってみると自分が使いたい文章がない場合がほとんどで、たとえば「今からそちらに向かいます」の“向かいます”がどの項目を探しても見つからず、結局はネットの翻訳機を使うハメになってしまった。ようやくパーティと合流して挨拶を交わす(挨拶は定型文辞書にある)。あらかじめ英語が話せないことを、パーティに誘ってくれたプレーヤーに伝えてあったので、メンバー全員が定型文辞書で「こんにちは」と言ってくれた。これを見て(何とかなるかな)と思ったがそれもつかの間、それ以降の会話はすべて英語で交わされた。どのモンスターが標的なのか、作戦はあるのか、そんな疑問がいっさい解決せぬまま戦闘が始まった。

る。便利な機能なんだが適切な種類を探すのが大変で……。ちなみに写真は外国人にパーティに誘われて、それを定型文辞書で断った場合。どうもすいませんでした!!

 どうしたらいいのかもわからぬまま、とりあえずメンバーの1人が連れてきたモンスターを僕が挑発して盾役になり、ひたすらそれを繰り返す。特に文句は言われないので(そもそも英語なので文句を言われても気づかない)、これで良かったんだと自分で納得した。体力の回復を待っている間、僕を除くメンバーは英語で会話し、語尾に必ず「lol」を付けてものすごく盛り上がっている。「lol」が笑いを意味することは知っていたので(laughing out loudの略語)、何かおもしろいことを喋ってるんだろうなぁと想像するも、それがゲームに関することなのか、私生活に関することなのか内容はまったく想像できない。だんまりを決め込むのもどうかと思ったので、とりあえず僕も笑って愛想の良い日本人を演じてみた。別にこれといった反応は返ってこなかった(反応があっても理解できずに困るだけだか……)。しかし次の休憩中に、その会話内容をネットの翻訳機で調べたところ、それほどおもしろい内容でもなく、無駄に笑った自分を恥じて、以降はメンバーが「lol」しても何も言わないようにした。

 そんな最中、リーダーが僕に話しかけてきた。もちろんすべて英語だ。最初に英語が話せないと伝えたのに、なぜ英語で語りかけてくるのだろう。せめて定型文辞書を使ってくれたらいいのに……と半ば嫌気がさしてしまったが、できる限りわかり得る単語を拾ってみた。「want」と「LS」の2単語しかない。さすがに自分の英語能力の低さにlolしたが、もはや挫折したことは置いといて、僕も過去にプレイしたことのある経験者だ。この2単語だけで内容はなんとなく把握できる。どうやらこのリーダーは、僕に「リンクシェル欲しいですか?」と聞いているのだ。リンクシェル(LS)はそれを持ったプレーヤー同士でチャットできる、いわば仲間の証のようなもの。願ってもないチャンスだが、果たして僕が彼(or彼女)からLSをもらっても意味があるのだろうか。どうせチャット会話は全部英語だろうし……。少し悩んだものの、くれると言っているものを拒んでも失礼なので、ありがたく頂戴することにした。結局、このLSの仲間となじむことができなかったのだけど、それはまた別の機会に。僕は、このヴァナ・ディールで、日本語で会話できる日が来るのだろうか……。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/15/news019.jpg 4カ月赤ちゃん、おねむのひとり言が止まらず…… 心とけそうなおしゃべりに「とてつもなく可愛すぎる!」「ウルウルした」
  2. /nl/articles/2404/15/news020.jpg 1歳妹が11歳姉に髪を結んでもらうやさしい光景が160万再生 喜ぶ妹のノリノリのリアクションに「可愛すぎて息できない」「ねぇね髪の毛結ぶの上手」
  3. /nl/articles/2404/13/news014.jpg 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  4. /nl/articles/2404/14/news013.jpg 海岸を歩いていたら「めっちゃ緑のヨコエビがおって草」 作りものと見まごうほどの色合いに「ガチャの景品みたい」と驚きの声
  5. /nl/articles/2404/11/news165.jpg 遊び疲れた子猫を寝かしつけてみた 絵本のような光景に「きゃーあ」「可愛すぎて変な声出た!」
  6. /nl/articles/2404/15/news038.jpg ダイソーの材料を“くっつけるだけ”で作れる、高見え「カフェコーナー」 今流行りのジャパンディな風合いに「天才的に美しい」「まねする!」
  7. /nl/articles/2404/15/news103.jpg 「ケンタッキー」新アプリ、不具合や使いづらさに不満殺到…… 全面的刷新も「酷すぎる」「歴史に名を残すレベル」
  8. /nl/articles/2404/15/news014.jpg 100均大好き起業ママが「考えた人天才すぎる」と思わず興奮 ダイソー&キャンドゥの優秀アイテム5選が参考になりすぎる
  9. /nl/articles/2404/14/news006.jpg 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  10. /nl/articles/2404/15/news021.jpg 下っ腹に合わせて購入したGUデニムで50代女性に悲劇→機転を利かせたコーデに称賛!! 「笑って楽しんで60代、70代を迎えたい!」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「歩行も困難…言動もままならず」黒沢年雄、妻・街田リーヌの病状明かす 介護施設入所も「急激に壊れていく…」
  2. 500円玉が1つ入る「桜のケース」が200万件表示越え! 折り紙1枚で作れる簡単さに「オトナも絶対うれしい」「美しい〜!」
  3. 赤ちゃんがママと思ってくっつき爆睡するのはまさかの…… “身代わりの術”にはまる姿に「可愛いが渋滞」「何回見てもいやされる!」
  4. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  5. 日本地図で「東京まで1本で行ける都道府県」に着色 → まさかの2県だけ白いまま!? 「知らなかった」の声
  6. 中森明菜、“3か月ぶりのセルフカバー動画”登場でネット沸騰 笑顔でキメポーズの歌姫復活に「相変わらずオシャレで素敵」「素敵な年齢の重ね方」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. もう別人じゃん! 「コロチキ」西野、約8カ月のビフォーアフターが「これはすごい」と驚きの声集まる
  9. 娘がクッションを抱きしめていると思ったら…… 秋田犬を心ゆくまで堪能する姿が440万再生「5分だけ代わっていただけますか?」「尊いなぁ…」
  10. 業務スーパーの“高コスパ”人気冷凍商品に「基準値超え添加物」 約1万5000個販売……自主回収を実施
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」