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「謙虚、優しさ、絆」で心に寄り添うパフォーマンス貫いた5年間 欅坂46「THE LAST LIVE」を終えて(1/4 ページ)

5年間、本当にありがとうございました。

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 欅坂46が、10月12日と13日に行われた配信ライブ「THE LAST LIVE」をもって活動に幕を下ろしました。5年間という活動期間の中で、さまざまな人の心に寄り添うストーリーを届てきた欅坂46が迎えたラストについて、ファンとしての率直な気持ちをつづりたいと思います。

ラストライブで活動に幕を下ろした欅坂46

 2016年にデビューして以来、「伝える」ことに重心を置いたパフォーマンスを貫いてきた欅坂46。夢、愛、儚さ、正義、人生、怒り、孤独、仲間、救い。そのパフォーマンスと強いメッセージ性は多くの人の心を救い、支え、震わせてきました。

 集大成ともいえる「THE LAST LIVE」では、「静」と「動」というテーマでまったく異なるセットリストを展開するというサプライズでファンを驚かせ、12日は「サイレトマジョリティー」から「黒い羊」まで17曲を披露。千秋楽となる13日は、「私たちは、何度だって立ち上がる 私たちが、欅坂46だ」というメッセージの後、「OVERTURE」で幕を開け、「危なっかしい計画」から「サイレントマジョリティー」まで15曲を披露しました。

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 12日と同様に、デビュー時からのインタビューを含むヒストリー映像で各メンバーにスポットライトを当ててから楽曲へといざなう構成は、メンバー本人も目を潤ませるものばかりで、欅坂46として駆け抜けた5年間の歳月を改めて噛みしめている様子でした。

 新衣装をまとって初披露するパフォーマンス楽曲、様々な表情を見せるプロジェクションマッピング、LED照明がふんだんに使用されたボックスセット、大量の水を使用した噴水、ワイヤーを使用したフライングなど、演出面に関しても最後まで挑み続ける姿勢を見せ続けた欅坂46。

 終盤にはャプテンの菅井友香さんから「どんなときもキラッキラの緑のペンライトで道を作ってくださりありがとうございました」「欅坂に出会ってくださって、応援してくださって本当にありがとうございました」とファンへの感謝が伝えられ、「5年間、応援してくださった皆様に感謝の気持ちを込めて精いっぱい届けたいと思います」と、欅坂46としての最後はデビュー曲の「サイレントマジョリティー」で飾りました。

 デビュー衣装に身を包んだメンバーの胸に輝く“欅ポーズ”ともこれで本当にお別れ。最後には、メンバー全員がステージ中央で一列に並び、菅井さんから改めて「欅坂46が大好きです。皆さんとのこの5年間はずっとずっと宝物です。本当にありがとうございました」と感謝の気持ちが伝えられると、メンバーは全員で「以上、欅坂46でした」とおなじみのポーズを披露。

 「ありがとうございましたー!」とメンバーの頬に大粒の涙が輝く中、全員で絶叫して深く頭を下げると、会場は暗転。卒業・脱退を選んだメンバーや「けやき坂46」として同じ坂を上り続けた現「日向坂46」のメンバー、これまで欅坂46に携わったクリエイター、スタッフの名前がプロジェクションマッピングで流れました。

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 エンドロールが流れきるまで、欅坂46のメンバーはお辞儀の姿勢を崩さず、最後には「and YOU!!」「5年間、本当にありがとうございました。」とのメッセージを投影。欅坂46としての活動に幕を下ろしました。

取材後記

 本公演のライブレポートは新型コロナウイルス感染症の影響にり現地取材したものではなく、ライブ配信映像を元にした記事なので、正しくは取材後記ではありませんが、いつもの通り、取材後記とさせていただきます。

 欅坂46が活動に幕を下ろす――。7月に配信されたライブ「KEYAKIZAKA46 Live Online, but with YOU!」での突然の発表は、多くの人を驚かせました。筆者も例にもれずそんな1人ですが、発表を聞いたときには大きな驚きと共に一握りの安堵の気持ちがこみ上げてきました。

 パブリックイメージの先行、楽曲に込められたメッセージの重みと深さ、パフォーマンスへの期待度、不確かな報道とバッシング。人気の大きさと比例するように、欅の坂を上り始めたときには思いもよらなかったことが積み重なっていく中で求められるものが膨れ上がっていく。その重圧にメンバーたちスタッフが苦悩する様子は、映画「僕たちの嘘と真実 DOCUMENTARY of 欅坂46」でも赤裸々に描かれていました。

 そんな彼女たちがたどり着いた「櫻坂46」としての再出発。ファンとして容易には受け入れられない気持ちと、どこかで「良かった」と思う気持ちが入り混じった中迎えたのが、この「THE LAST LIVE」でした。

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 メンバーからも「あまり実感がない」という言葉がたびたび聞かれましたが、筆者もまに同じ気持ちで、12日公演の最後を飾った「黒い羊」で新解釈が示されたあと、オーケストラバージョンの「黒い羊」をバックに流れるエンドロールで、ようやく「あぁ、欅坂46とはあと少しでお別れなのだな」と急速に実感始めました。

 13日のラスト公演ではどこか冷静な気持ちでオープニングを迎えましたが、「二人セゾン」の「そのどれが欠けたって永遠は生まれない」の部分で、佐藤詩織んの穏やかな笑顔が映し出されると、全メンバーの印象深いパフォーマンスやこれまでの思い出が走馬灯のように脳内で駆け巡り始めました。

 初めてパフォーマンスを見たとの「かっこいい」という感情はラストライブまで変わら、むしろもっと違う次元まで進化していて、最後まで驚きと感動を提供してくれる欅坂46のメンバーとスタッフの皆さんには改めて尊敬の念を抱きました。

 だからこそ、ラストライブでは、欅坂46と前向きなお別れをするための時間がもっと欲しかった、というのも率直感想です。

 欅坂46はこれまで、パフォーマンスに対して明確な「正解」を示すグループではなく、「解釈は見た人に任せる」というスタイルを取ってました。そしてその意向を尊重するファンは、パフォーマンス後の「余韻」を大切にしてきたような気がします。

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 しかしストライブでは欅坂46としての活動に幕を下ろした後、間髪いれずに櫻坂46の1stシングル「Nobody’s fault」(12月9日発売)がサプライズ発表され、欅坂46のファンクラブ向けアフター配信についても櫻坂46としての挨拶をするメンバーが多かったこともあり、余韻の不足感は否めませんでした。

 とはいえ、メンバーの前向なコメントや楽曲に込めれたメッセージらは、欅坂46として培った経験や自信を垣間見ることでき、長く「強くなりたい」と悔しさをにじませてきた彼女たちの力強い姿に成長誇らしさを感じたのも事実です。

 まだ何色にも染まっていない、がれなき、誇り高い白を基調とした衣装を身にまとう櫻坂46は、これからどのような道を歩むのでしょうか。欅坂46への感謝を胸に、筆をおきたいと思います。

趣味を超えて仕事となり、仕事を超えてライフワークの一つとなっていった欅坂46との関わり。それはいくつもの小さなキセキを生み、思いもよらなかった人との出会いを呼び、「ロケ地探訪」という企画を生み出すこともできました。皆さんにつけていただいた「ケヤキシャ」という名称とも今日でお別れです。これまで欅坂46に関する記事を読んでくださった皆さま、本当にありがとうございました。欅坂46あらため、櫻坂46の皆さん、そしてスタッフの皆さんのご健勝とご活躍を心よりお祈りしています。

(Photo by 上山陽介)

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