ニュース
» 2013年03月04日 16時43分 公開

日本に「モテ期」がやってきた? 「ジャパン・パッシング」でも留学生がやってくる理由海外オタク見聞録

「ジャパン・パッシング」でも日本への留学生は増えています。ゲームやアニメが海外から学生を引きつけ、日本に「モテ期」をもたらしているようです。

[松岡洋,ITmedia]

 近年経済産業省が「クールジャパン」で日本を世界にアピールする動きがあります。「クール」とはかっこいいとかイケてる、と言う意味ですが、それよりも「モテ期」という表現のほうが今の海外の日本ブームを素直に表しているのではないかと思います。

 日本はバブル崩壊後20年ほど経済的に停滞し、「ジャパン・パッシング」と言われるほど国際的に存在感が薄くなってしまいましたが、逆にこの時期に日本への留学生は増加しています。独立行政法人・日本学生支援機構の調査によれば、1989年(平成元年)に3万1251人だった留学生総数は1999年には5万1047人、2011年には13万8075人へとこの約20年間で4倍以上に増えています(留学生数の推移より引用)。

 Wiredというアメリカのニュースサイトでゲーム関連の記事を紹介しているクリス・コーラーさんも、日本のゲームが大好きで留学した一人です。留学した金沢大学の学食でカレーのとりこになり、その後東京ゲームショウ取材からの帰りの飛行機で書いた記事が話題となりました(参考:「日本のカレーライス」を熱愛する米国人記者が語る『ゴーゴーカレーNY店』)。

 学生時代に日本のゲームに夢中になり、その後ゲームライターとして東京ゲームショウのたびに取材で来日しているクリスさん。彼の来日に合わせて「クリスさんとカレーを食べる会」も催されています。2011年の会では任天堂のバーチャルボーイのゲーム全種をコンプリートしたことが明らかにされ、「さすがゲームオタク」と参加者もそのマニアックさに驚いていました。

クリス・コーラーさん

 東京都内のある研究所は海外からのインターンも多く受け入れており、ある年MIT(マサチューセッツ工科大学)からインターンがやって来ました。MITはこれまでにノーベル賞受賞者を77人輩出している世界でもトップクラスの研究教育機関ですが、アメリカ国内で早い時期にアニメクラブが生まれたことでも知られています。インターンが研究所に提出するプロフィールには通常は研究分野などを列挙するのですが、こともあろうにMITからやってきたインターンのプロフィールの一番上には「アニメクラブ会長」と書かれており、プロフィールを見た人たちは「ああ、研究よりもアニメ見る方が優先順位が上なのね」と思ったそうです。

 また、昨年の慶応義塾大学の稲見教授の取材において、研究室の3分の1を占める海外留学生の留学の動機において、電子部品とマンガやアニメの集積地である秋葉原が決め手となっているとうかがいました(関連記事:きっかけは「攻殻機動隊」 “透明プリウス”の稲見教授が語るアニメと科学の関係)。日本のマンガやアニメ、ゲームといったポップカルチャーのとりこになり、あこがれの日本へ留学する人たちが増えているのです。

 筆者が出会う外国人はほぼ全員オタクですが、2012年の正月に秋葉原のGUNDAMカフェで出会ったアメリカ人女性との出会いもまた衝撃的でした。「けいおん!」の舞台・豊郷小学校でのキャラの誕生日会にムギちゃん(琴吹紬)のコスプレで参加した方で、コスプレ姿で豊郷小学校に現れたとき、あまりのそっくりな雰囲気に会場がどよめいたそうです。彼女はアメリカの大学の日本校で学んでいますが、大学ではあまりオタクな話ができないため、日本にやってきて日本人とヲタ話できたのは私が初めてだったそうで大変喜んでいました(関連記事:自宅警備隊も参上 コミックマーケット81フォトリポート「おまけ」欄)。

 日本への海外留学生は、経済成長してきた中国や韓国からが多いのですが、それでもアニメコンテンツエクスポで出会ったスペインからの留学生や、ワンフェスで出会ったイタリアからの留学生など、さまざまな国から「日本に行くしかない」とやってきています(関連記事:嵐の中でも大盛況! アニメコンテンツエクスポ会場リポート幕張メッセに「山の神」降臨!? 美女も宇宙人もワンフェスのコスプレをどーんとリポート)。

左:スペインからの留学生 右:イタリアからの留学生

 このような光景を目の当たりにすると「クールジャパン」と言うよりは「モテ」ていると言ったほうが適切なように思えてきます。

 日本はこれまで仏教が伝わってきた隋、唐に始まり、近代化の先生となったイギリス、ドイツやフランス、そしてアメリカに恋焦がれてきました。しかしそれは一方的な片思いであって、なかなか相手から振り向いてもらえませんでした。それがここ20年ほどでこれらの国々の人たちから「モテ」ている状況は、それまでの長い片思いのためにわかに信じられない人も多いようです。

 1980年代から世界に輸出されたアニメなどの文化が日本という国の存在感を、そして日本文化全般への入り口となって日本に「モテ期」をもたらしたのは間違いないのではないかと思います。

筆者紹介

松岡洋は日本のポップカルチャー情報を発信するONETOPI「日本のポップカルチャー」のキュレーター。海外で起きている日本ブームについて「なぜ日本に魅せられたのか」を調査し、ONETOPIで紹介している。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10

  1. /nl/articles/2111/26/news120.jpg 江頭2:50、憧れの女性に一世一代の大勝負 熱意こもった“告白”に「涙出た」「感情が崩壊しそう」
  2. /nl/articles/2111/27/news058.jpg みちょぱ、恋人・大倉士門とのラブラブムービーに大反響 “公開イチャイチャ”に「本当お似合い」「夫婦にしか見えない」
  3. /nl/articles/2111/26/news137.jpg 上白石萌音、「カムカム」悲劇の展開後に“未来に向けた言葉”を届ける 娘・るいを抱いて「どうか見守っていてください」
  4. /nl/articles/2111/27/news054.jpg MALIA.、山本“KID”徳郁さんとの16歳次男と親子初共演 「パパに似てる」「美男美女」と“美形ファミリー”に反響
  5. /nl/articles/2111/27/news051.jpg 【Amazonブラックフライデー】初日売れ筋ランキングTOP20 1位は圧倒的大差で「Fire TV Stick 4K Max」
  6. /nl/articles/2111/27/news041.jpg さだまさし、友人・平原まことさんの逝去に悲痛の思い 「綾ちゃん、がんばれ!」と娘・平原綾香にエールも
  7. /nl/articles/2111/27/news064.jpg お父さんめっちゃパンクだな! SUMIRE、父・浅野忠信の誕生日祝いに幼少期の貴重な2ショットを公開
  8. /nl/articles/2111/25/news148.jpg 【その視点はなかった】「ネイルする意味が分からない」という男がいたので塗ってあげたら「爪って目に入るから元気出る!」と理解してもらえた
  9. /nl/articles/2111/27/news028.jpg 飼い主に遊んでほしい猫ちゃん、胸キュン必至なおねだりを見せ…… 甘えん坊な元保護猫が最高にかわいい
  10. /nl/articles/2105/19/news041.jpg 【お仕事楽しい】「3日間育休をとる」という男性社員に「理解できない」と上司 予想外の真意に感動の声

先週の総合アクセスTOP10

  1. 「前歯を取られ歯茎を削られ」 広田レオナ、19歳デビュー作で“整形手術”を強制された恐怖体験
  2. ゴマキの弟・後藤祐樹、朝倉未来とのストリートファイトで45秒負け 左目腫らした姿を自ら公開し「もっと立って闘いたかった」
  3. キンタロー。浅田舞の社交ダンス挑戦を受け体格差に驚がく 「手足が長い!!」「神様のイタズラがすぎるぞ!!」
  4. おばたのお兄さん、“高額”ギャラ明細を写真で公開 「こんなに稼いでるんですね!」
  5. 仲村トオルと鷲尾いさ子の長女・美緒、23歳の誕生日に姉妹ショット 親譲りの美貌&175センチの長身
  6. ゴマキ弟、朝倉未来との瞬殺試合に「抵抗してるつもりだった」 “怪物”がメッタ打ちする姿に妻ショック隠せず 「息できなかった」
  7. 店で急に話しかけてくる“なれなれしいオタク”は「逃げて正解」 アキバで勧誘に遭った漫画に「自分も出くわした」と反響
  8. 朝倉未来、1000万円ストリートファイト批判へ反論 一部挑戦者の大けがに「それくらいの覚悟は持ってきているでしょ」
  9. 広田レオナ、12キロ増なデビュー時代の姿を公開「鼻も埋没していった…」 6月には激細姿に焦りも「脚が棒みたい」
  10. 工藤静香、次女・Koki,が腕を振るった“ゴージャス朝食”を公開 過去には「私より上手」と料理スキルを絶賛

先月の総合アクセスTOP10

  1. 「本当色々あったけど、おかえり」 市川海老蔵、義姉・小林麻耶との再会を胸いっぱいに報告
  2. 「くそが……!」 最上もが、奮発した「Uber Eats」の対応に怒り爆発 1400円ステーキの“中身”に「絶望」「もう頼まねえ」
  3. 葉月里緒奈、美人な元マネジャーと“再会2ショット” 「共演した俳優さん達は私ではなく彼女を口説いてました」
  4. 田中律子、美人な23歳娘とランチデート 2ショットに「本当に親子!? 姉妹だよ〜」「そっくりで美しい」の声
  5. 「やりました!」ニッチェ近藤、半年間で10キロ減量に成功 ダイエット前後の写真に「すごい」「勇気もらいました」
  6. 板野友美、エコー写真とそっくりな娘の顔出しショットを公開 ぱっちり目の美形な姿に「こんな美人な赤ちゃん初めて見た」
  7. 木村カエラ、夫・永山瑛太と“意外な場所”で出会って驚き 「連れて帰りました」報告にファンほっこり
  8. 戸田恵梨香、水川あさみと同様に長文公開 「私を追いかけて、どうか車の事故を起こさぬようお気をつけください」
  9. docomo×進撃の巨人キャンペーンの商品「リヴァイ兵長フィギュア」が悲惨な出来だと話題に → 公式が謝罪「対応方法を検討しております」
  10. 加護亜依、「エヴァ」綾波レイのコスプレ姿に絶賛の声 体形くっきりのプラグスーツ&歌唱に「流石は元トップアイドル」