卵の黄身が濃厚でモッチモチに たった一手間加えるだけの「冷凍卵」が衝撃的なウマさだった:ねとめし
ネットで話題の「冷凍卵」。卵を冷凍庫に入れるなんて……と驚くなかれ。衝撃的なウマさになるから!
昨年末からネット上でじわじわ話題になっていた「冷凍卵」。NHKの情報番組「あさイチ」で取り上げられるや否や、注目度は急上昇。何でも生卵をフリーザーバッグなどに入れて冷凍すると、黄身がモチモチプリプリになっておいしいのだと言う。SNS上でも「作ってみた」といった投稿が目立つ。
最初に「冷凍卵」というフレーズを耳にしたとき、正直脳内で一瞬の間を置いて「へっ?」「はいっ?」となった。冷凍に適さない食材は数あれど、卵なんてその最たるものなのでは……と考えていたのだ。
しかし、そんな固定観念を壊すのが、この冷凍卵。ここまで話題になっているのだから、ぜひ挑戦してみなければ、と思い「【あさイチ】凍らせるだけでモチモチの食感に!? “冷凍卵”が話題」(Togetter)の情報を参考に、いつぞやも挑戦した「卵の黄身漬け」を、冷凍卵で作ってみることにした。
ヒビ割れは気にしなくてOK! 丸1日冷凍庫へ
材料は卵と「黄身漬け」用のしょうゆとみりん。まず卵を冷凍するため、表面を軽く洗い流して(雑菌が気になるため)、フリーザーバッグにそっと入れて冷凍庫へ。冷凍庫に並ぶほかの食材の中で、明らかに異彩を放っている。
なぜか猛烈に心配になった。凍らせると割れるんじゃないか、割れてグチャグチャになっていたらどうしよう……など不安が募り、3時間後に冷凍庫を開けた。すると、大きなヒビが入っている。
やはり卵を凍らせるのは、肉や魚、野菜を凍らせるのとはワケが違うのだろう。それから待つこと丸1日。ようやく冷凍庫から出せるときがやってきた。
昨日よりもヒビが大きくなっていて、隙間から黄身が見える状態だ。ここで2度目の不安に襲われる。割ったときに黄身がドロッと出てきたらどうしよう……と。冷凍した卵を調理するなど、人生初の経験なのでついそわそわしてしまう。
まずフリーザーバッグから取り出した卵に、軽く流水を当てながら、ヒビ割れ部分からそっとむきはじめる。ゆで卵をむくときと同様、ただ普通にむくよりも、流水があるおかげでむきやすくなる。しばらくむいていくと、薄黄色をした氷の塊が中から出てきた。
20分漬け込むだけ! クリーミーな黄身漬けが完成
これが冷凍卵か……。3個すべてをむいて、ボウルに入れて自然解凍させる。だが、このときも気が気でなかった。「変に解凍しすぎると、黄身がドロッと形を崩してしまうのではないか」「白身と分離できないのではないか」など、慣れないことのため、いろいろな心配が次々と頭に浮かんでしまうのだ。
40〜50分ほどかけて自然解凍させた後は、半透明な白身と黄身を分離すべく、手でシャリシャリした白身をむいていく。卵黄膜部分を中心としたぬるっとした感触が「あぁこれは卵なんだ」と思い出させてくれる。
取り出した黄身はボールのようにころんとした触感で固かった。こんな黄身、いまだかつて持ったことがない。続いてしょうゆとみりんを混ぜ合わせたつゆに黄身を漬けて、20分ほど置く。その間に一度黄身を裏返して、まんべんなく味が付くようにした。
黄身漬けを作るには通常2日ほどかかるが、冷凍卵の場合わずか20分程度で完成する。その原理はブログ「テレビ番組☆最新・お得情報☆紹介ブログ」で説明されている。
「黄身の周りにある薄い卵黄膜は冷凍して解凍することで、ダメージを受けます。するとその組織がゆるみ、膜にすき間が生まれるので、しょうゆなどの調味料の成分が中に入りやすくなります」(「テレビ番組☆最新・お得情報☆紹介ブログ」より引用)
さっそく完成した黄身漬けを食べてみる、つゆの味がしっかり染み込んでいるのはもちろん、高級チーズのような濃厚さやモチモチ感に衝撃を受けた。表面はひんやりしているが、歯ごたえはもっちり、それが口の中でとろ〜りとまろやかに溶けていく……。まだちょっと凍っているのではと心配したが、ちゃんと溶けていて一安心。何個も食べたいと思うほどクセになる味わいで、思わず3個すべて平らげてしまった。
簡単に作れて時短にもなり、しかも高級なお味になる「冷凍卵の黄身漬け」。一度挑戦してみてはいかがだろうか。
(池田園子)
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