西武新型特急Laviewが実現する、5つの「今までに見たこともないスゲーこと」月刊乗り鉄話題(2019年3月版)(4/4 ページ)

» 2019年03月12日 10時30分 公開
[杉山淳一ねとらぼ]
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(おまけ)西武鉄道の歴代特急車両とS-TRAINについて

 Laviewは西武鉄道の3代目の特急電車です。

 初代特急電車は5000系「レッドアロー」でした。1969年の西武秩父線の開業と同時に特急「ちちぶ」として運行を開始します。5000系電車は西武鉄道からは引退していますが、一部の車両は1995年に富山地方鉄道に譲渡され、16010形となりました。

西武鉄道 新型特急 Laview ラビュー 2019年春ダイヤ改正 富山地方鉄道16010形「特急アルペン号」 元西武鉄道5000系「レッドアロー」。レッドアローは西武鉄道の商標のため、富山地方鉄道ではレッドアローと呼ばない

 2代目レッドアロー号は1993年から営業運転を開始しました。形式は10000系。レッドアロー号と呼ばれていますが、車両の正式愛称は「ニューレッドアロー」です。車体にも「New Red Arrow」を示す「NRA」のロゴが入ります。

西武鉄道 新型特急 Laview ラビュー 2019年春ダイヤ改正 西武鉄道10000系電車。こちらがオリジナル塗装
西武鉄道 新型特急 Laview ラビュー 2019年春ダイヤ改正 本編でもLaviewの隣に並んでした西武鉄道10000系電車。こちらは特別塗装で、5000系のリバイバルカラー

 Laviewは大きな窓が特長ですが、この大きさの窓には先輩がいます。S-TARINとして運行する40000系電車です(関連記事)

西武鉄道 新型特急 Laview ラビュー 2019年春ダイヤ改正 S-TRAINとしても運行する40000系電車
西武鉄道 新型特急 Laview ラビュー 2019年春ダイヤ改正 先頭車の運転室寄りに車いすスペースを兼ねた展望スペースがある
西武鉄道 新型特急 Laview ラビュー 2019年春ダイヤ改正 40000系電車:大きな窓は「子どもが立ったときに景色を見やすくするため」とのこと。これが好調だったためLaviewで大きな窓を採用したのかな?
西武鉄道 新型特急 Laview ラビュー 2019年春ダイヤ改正 40000系電車:2列+2列のシートが並ぶ。S-TRAINとして使わない時は座席が移動し、背が窓側に置かれて普通の通勤電車になる
西武鉄道 新型特急 Laview ラビュー 2019年春ダイヤ改正 40000系は初めて中吊り広告を廃止し、デジタルサイネージに置き換えた
西武鉄道 新型特急 Laview ラビュー 2019年春ダイヤ改正 S-TRAINの車窓。Laviewは窓の下辺が下がるため、このS-TRAINよりも下の景色まで見える

 40000系は西武鉄道、東京メトロ副都心線、東急電鉄東横線、横浜高速鉄道みなとみらい線に直通する定員制列車「S-TRAIN」のために設計された電車です。平日は通勤ライナーとして、休日は横浜と秩父、長瀞を結ぶ観光列車です。

 40000系の行先表示板には西武鉄道の駅のほか、S-TRAINとして直通する東京メトロ、東急電鉄、みなとみらい線の駅データかあります。そして、Laviewにもみなとみらい線の「元町・中華街」行先表示が確認されました。これはLaviewの車両見学会を訪れた人が発見し、SNSで話題になりました。

 これで、Laviewが東京地下鉄と東急電鉄、横浜高速鉄道へ乗り入れる可能性が高まりました。Laviewが東急電鉄で走る日が来たら楽しそうですね。

【訂正:2019年3月12日13時】初出時、ニューレッドアローの略称に誤記がありました。お詫びして修正いたします。

杉山淳一(すぎやま・じゅんいち)

乗り鉄。書き鉄。1967年東京都生まれ。年齢=鉄道趣味歴。信州大学経済学部卒。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。出版社アスキーにてPC雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年よりフリーライター。IT・ゲーム系ライターを経て、現在は鉄道分野で活動。鉄旅オブザイヤー選考委員。ITmedia ビジネスオンラインで「週刊鉄道経済」連載。著書に『(ゲームソフト)A列車で行こうシリーズ公式ガイドブック(KADOKAWA)』『ぼくは乗り鉄、おでかけ日和。(幻冬舎)』『列車ダイヤから鉄道を楽しむ方法(河出書房新社)』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」。


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