【LGBTカップルのデート事情】周囲の目は気にする? 気にしない? エッセイ漫画「あさな君はノンケじゃない!」インタビュー

「僕は周りの目を気にしないタイプなんですが、彼は打ち明けないタイプなので、そこを尊重して」。

» 2019年11月01日 18時00分 公開
[佐藤星生ねとらぼ]

 アパレル企業で働きながら、ゲイである自身の体験を描いたエッセイ漫画「あさな君はノンケじゃない!(※)」(著者:あさなさくまさん)。ほっこりエピソードを通じてゲイの日常を描き、Twitterやピクシブ上でも反響を呼んでいる同作の誕生秘話や見どころについてあさなさんにインタビューしました。漫画本編もあわせて掲載します。(聞き手:佐藤星生

※ノンケ:異性愛者のこと。同性愛者、特にゲイの立場から用いられる語として知られる



漫画「あさな君はノンケじゃない!」とは?

 あさな君は、アパレル会社に勤めるごく普通のアラサー男子。ひとつだけ違うのは、ゲイであること――。2017年に開催された第2回ピクシブエッセイ新人賞受賞作品。あたたかく、少し切ない。今どきアラサーゲイの日常を描くコミックエッセイ。

 自分の性のあり方の、母へのカミングアウト、初恋の男の子の想い出、そして運命の人との出会い。ノンケ(異性愛者)では味わえない日常や過去の思い出を優しいタッチと言葉で描写しており、これまでセンセーショナルに描かれがちだったゲイ関連作品とは一線を画した内容に仕上げています。

著者プロフィール:あさなさくま(Twitter:@sakuma_asanapixiv:あさな さくま

漫画家・イラストレーター。アパレル企業でデザイナーとして働く傍ら、Webメディアを中心に創作活動を行う。「あるある!」と共感を呼ぶ作風だけでなく、そのファッション描写にも注目が集まっている。












その他の一部エピソード、購入先などはWebマンガ誌「コミックエッセイ劇場」に掲載されています


―― あさなさんのパートナーである、テツ君が作中に登場します。イチ読者として読んでいてキュンキュンしました(笑)

 ありがとうございます(笑)。テツ君は本当に自由な性格で天然キャラ。趣味は全然違ったりするんですが、基本的な考え方や笑いのツボが本当に一緒で、何か面白いことが起こったときにすごく相性がいいなあと実感するんです。心配になるくらい信じられない行動をとったりすることもあるんですが……。子どもみたいな無邪気な性格なので、笑って終わることが多いですね。

―― 作中に登場しない、もっと過激なエピソードがあるということですか?

 ……本人の名誉のために描いていないことはありますね(笑)。例えば、付き合い始めの頃に、格好つけて「今日は料理を作るからお腹をすかせておいて」と言われたことがあったんです。料理上手なんだ! と楽しみに待っていたんですが、なかなかできないのでキッチンに行ったら、鍋いっぱいのゲ○みたいなものがあって……。

―― それはある意味才能ですね

 本人を見るとほぼ半泣きの状態で「見ないで! 食べて」と……。どうやら肉団子鍋を作ろうとしたらしいんですが、煮ているうちに団子の形状がなくなってしまい、誰もが「うわっ」と思うような仕上がりに。そんな間抜けなエピソードが山ほどありますね。

―― 笑いが絶えない関係ですね(笑)。ディズニーシーに行ったエピソードがありましたが、普段のデートはどうされているのですか?

 お互い食いしん坊で、食べることが大好きなので食事に行くことが多いですね。

 人気のデートスポットにもっと行きたいのですが、人目が気になるのでなかなか行けないのが現状です。僕は周りの目をあまり気にしないタイプなんですが、テツ君は完全にクローゼット(※)なので、そこを尊重して。自分が気にしないからといって相手にそれを求めるのは良くないので、バランスをとっています。

※クローゼット:自身のセクシュアリティを公表しない人のことを指す言葉。「隠れている」という意味合いが強い

―― 最後に、次回作の見通しについて教えてください

 このエッセイは本当にあったことだけを描いているので、何年かしてエピソードがたまったときに2冊目が出せたらいいなと思っています。

 一方で、フィクション作品を描いてみたいという気持ちもあります。エッセイはさまざまな人と思いを共有できる喜びがある一方で、作品に対する辛辣(しんらつ)な反応があったときに、これまでの生き方や考え、思い出まで丸ごと否定された気持ちになってしまって、精神を消耗する部分もあったんですね。

 編集の方も「次は趣味に走ったフィクションを描いてみては?」とねぎらってくださったので、今は思い切りファンタジーな物語の構想を練っているところです。でもそこには、僕が体験してきたことをベースにしたメッセージ性や裏テーマがある……そんな作品にするつもりです。楽しみにしていてください!

(了)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/21/news011.jpg 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. /nl/articles/2404/21/news005.jpg 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  3. /nl/articles/2404/22/news028.jpg 0歳双子を19時15分に寝かせ続けたママ→1年後…… メリットだらけの挑戦記録に「偉い&すごい!」「寝る子は育つ、その通りですね」
  4. /nl/articles/2404/21/news013.jpg 【今日の計算】「101×99」を計算せよ
  5. /nl/articles/2404/16/news027.jpg 中古軽自動車をキャンピングカー仕様にして日本一周するカップル 車内で料理中、思わぬアクシデントが…… その後の姿に「すごい」「尊敬します」
  6. /nl/articles/2404/22/news122.jpg 「あの頃の橋本環奈すぎる」21歳の無名アイドル、幼少期ショット公開で再びどよめき「凄い完成してる」「美少女の片鱗が見えすぎてる」
  7. /nl/articles/2404/22/news026.jpg ご機嫌でルンルンステップを踏む柴犬、それをパパがまねすると…… ルンルンはひとりで楽しみたい派の塩対応に「めっちゃ可愛い」と100万表示
  8. /nl/articles/2308/31/news023.jpg 庭の草刈り中に小さな卵を発見、孵化させてみたら…… 命の誕生の記録に「すごい可愛い!」「すてきな家族」
  9. /nl/articles/2404/21/news029.jpg 飼い主を引っかいてしまった黒猫“自分の犯した過ち”に気が付いて…… いつもと違う行動に「反省してるのが分かる〜!」と190万再生
  10. /nl/articles/2404/22/news020.jpg 「飼い主ビビる」猫たちに猫草をあげたら……“ちがうもの”を食う1匹の姿が182万表示! 予想外の展開に「ちょっww」「狂気を見た」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」