助けてください 「ファイナルファンタジーVII REMAKE」は「龍が如く」なんじゃないか? という妄執にとらわれています

PCゲームや海外ゲームをこよなく愛するライター、文章書く彦さんによる不定期コラム。

» 2020年04月06日 17時15分 公開
[文章書く彦ねとらぼ]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

ファイナルファンタジーVII REMAKE 文章書く彦

 最近僕がずっと考えていることがある。きっと君は笑い飛ばすだろう。でも、僕はそれなりにシリアスだから、ひとまずは怒らずに聞いてほしい。僕が考えているのはファイナルファンタジーVII REMAKE(以下、FF7R)」は「龍が如く」なんじゃないか? ということだ。は? いや、そうだよね、分かる。きっと困惑する。そんな顔になるのも当たり前だ(驚いた顔を想像しています)。


ライター:文章書く彦

文章書く彦 プロフィール

主にPCゲームや海外ゲームが好きな陽気で楽しいゲームライター。どこかで美少女ゲームの連載を行ったり「ゲーム占い師」として活躍中。ライター業の傍らインターネットの片隅で「ワニウエイブ」としてラッパー/作曲家としての活動も行っている。ここ一年ぐらいはVTuberに激ハマりし1日に10時間ぐらい「にじさんじ」の配信やアーカイブを見るなどしているよ。 Twitter:@waniwave



 「FF7R」は「FF7R」であって「龍が如く」ではないのだから当然のことだ。多分、これは枝葉の話だけをしても分からないだろうから、根っこから話さなければいけない。そしてその話は少々長くなるだろうし、最後まで聞いても何も分からない場合もあるかもしれない。でも、ともかく、今僕は「ファイナルファンタジーVII REMAKE」は「龍が如く」なんじゃないか? という妄執にとらわれ、夜も眠れないというありさまになっている。うそだ。よく寝ている。寝てはいるが、この題材についてよく考えているというのは本当だ。だから、我慢して聞いてほしい。


ファイナルファンタジーVII REMAKE 文章書く彦

 発売まで1週間をきった「FF7R」、原作ファンやシリーズファンのみんなはさぞや楽しみにしていることだろう。原点である「ファイナルファンタジーVII(以下FF7)」が発売されたのはもう20年以上も前のことだけれど、当時「FF7」がもたらしたインパクトのことは鮮明に覚えている。「オープニングムービーの容量だけで『ファイナルファンタジーVI』のソフト容量を超えている!!!」という宣伝文句が謳われていて、当時まだ小学生だった僕は素直に「スゲー!!!」と関心したものだった。今から考えれば「そりゃ動画ファイルの容量は大きいでしょ」って話なんだけど。ともかく、「FF7」のインパクトは「ゲーム新時代の始まり」の象徴のように感じられたし、事実「プレイステーションではこんなことができますよ!」という最新技術のショーケースみたいな側面のあるゲームだったように記憶している。ファンタジーとサイバーパンクSFが混ざったような世界観も斬新だったし、キャラクターも美男美女ぞろいで(それが原因かは分からないが)女性ファンもかなり多い作品だ。


ファイナルファンタジーVII REMAKE 文章書く彦

 ところで、「FF7R」は3月2日から体験版が配信されている。長年待たされた期待のリメークだということもあって体験版ですら大きな話題になったし、配信開始したタイミングでは一時「TOBAL No.1」がトレンド入りするなど一種のお祭り騒ぎがSNS上では起こっていた(一応補足説明をすると「TOBAL No.1」とは「FF7」の体験版を同梱していることで当時話題になった3D格闘ゲームで、いまだにその印象が強いせいか「実質体験版」「体験版についてくるオマケ」「鳥山明の無駄遣い」「ドリームファクトリーが元気だったころ」などといった不当な誹りを受け続けているかなりふびんなゲームだ。)。僕はそんなにやるつもりなかったんだけど(正直言って買うつもりもなかった)「まあ、SNSで話題になっとるし、やるか〜」ぐらいのテンションで遊び始めたのだった。そしたらなんとこれが、「龍が如く」だったのである。


ファイナルファンタジーVII REMAKE 文章書く彦

 さて「龍が如く」シリーズの説明をしよう。「龍が如く」シリーズは恐らく世界で最も有名なヤクザが題材のゲームシリーズで、ついこの間最新作である「龍が如く7 光と闇の行方(以下龍が如く7)」が発売されたばかりだ。人並み以上に聡いねとらぼの読者諸君であれば察したかもしれないが、くしくも「7」である。一致……しちゃってるんだよね。


ファイナルファンタジーVII REMAKE 文章書く彦

 「龍が如く7」は(システムなどに賛否両論あるが)ストーリーやキャラクター描写が非常に巧みでべらぼうに楽しいゲームに仕上がっており、これまで多くのファンの中でシリーズ最高傑作とされてきた「龍が如く0 誓いの場所」に匹敵する、との声もちらほら上がっている(僕もそう思う)。まったくの余談だが、ゲーマーの間で「『FF』シリーズの最高傑作はどれか」などという話を始めようものなら血みどろの抗争に発展するのに対して、「龍が如く」シリーズのファンの前で「0が最高傑作だよね〜」と軽率に言っても多分怒る人はいない。


ファイナルファンタジーVII REMAKE 文章書く彦

 と、こう書くと「FF7R」と「龍が如く」は最新作が「7」である点を除いてまったく似ていないように感じるだろう。似ているところをあえて書いてこなかったからだ。言い換えるなら、今まで書いてきた要素以外全てが同じである。もしかしたら「すべて、は大げさだ!」と思うかもしれない。はい、大げさです。全てが同じというわけではないですが、ここから「この部分が同じだ」と特に感じた部分をピックアップして紹介していこうと思う書く彦なのであった。


コマンドバトルRPGとアクションRPGのすれ違うところ


ファイナルファンタジーVII REMAKE 文章書く彦

 まずはちょっと真面目っぽいポイントから。「FF」シリーズは長きにわたってコマンドバトル形式を採用してきたシリーズだ。対して「龍が如く」シリーズは恐らく「アクションRPG」に分類されるであろうシリーズである。いや、あった、というのが正しいだろうか。「龍が如く7」では今までのアクション的な戦闘が、コマンドバトル形式へと変更されている。そして「FF7R」はかなり(コマンドバトルも選択できるが)アクション寄りの戦闘スタイルになっている。


ファイナルファンタジーVII REMAKE 文章書く彦

 前作である「ファイナルファンタジーXV」の戦闘もアクションRPG的な要素があったが、体験版をプレイした手触りとして「FF7R」の戦闘は、よりシンプルに□ボタンを連打して戦うような「普通のアクションRPG」っぽい感じがした。かつての「龍が如く」シリーズの手触りにも近い。無論似たような操作のアクションRPGは山ほどあるからこれだけを根拠に両作が似ていると言うことはできないが、出発点はかなり違うはずなのにお互いがお互いのゲームジャンルに近づいていってついにすれ違った、というように感じられる点が面白い。ほら、意外と真面目だった。


一都市が舞台


ファイナルファンタジーVII REMAKE 文章書く彦

 「FF7R」は分作であり、今作だけでは物語が完結しない。今作で描かれるのは「ミッドガル脱出」までだという。つまり、今作は物語がミッドガルという都市から出ない、一都市を舞台にしたゲームだということだ。


ファイナルファンタジーVII REMAKE 文章書く彦

 「龍が如く」シリーズも元はといえば新宿歌舞伎町がモデルの「神室町」を舞台としたゲームだ。シリーズ作が続くにしたがって行ける都市が増えたりもしたが大まかに「街」のみを舞台としているところが共通している。あと歌舞伎町なんて海外の人がみたらちょっとサイバーパンクっぽいって思うんじゃないスかね。ちょっと無理やりな感じがするように読めるだろうけど、「FF7R」がミッドガル脱出までを膨らませまくった作品であるなら、ミッドガルの中で街中のお使いクエストを頼まれたりもするだろうし、そうなった場合プレイ感覚はかなり似てくるのではないだろうか。あくまで予想である点ご留意されたし……。


人気シリーズの過去作を現代技術でリメークしている


ファイナルファンタジーVII REMAKE 文章書く彦

 「龍が如く 極」は1作目「龍が如く」のリメークで、コンセプトが「FF7R」に似ている。過去の人気作を最新の現代技術でリメークというのは珍しい話ではないが、いまだに続く長寿シリーズでナンバリング最新作と並行するように発売されるという例はそれほど多くないように思う。「ポケットモンスター」シリーズぐらいしか後は思い付かない(「ドラゴンクエスト」シリーズでもかつてリメークは行われていたが最近はごぶさたある)。そういえば「龍が如く7」では「ポケットモンスター」のパロディーも行われていたが、そのあたりの文脈を踏まえたものであろうか? 違います。


プロレス


ファイナルファンタジーVII REMAKE 文章書く彦

 「FF7R」のバレットさんは見た目がかなり蝶野正洋に似ている。蝶野正洋に似ているのでさぞかっこいいんだろうなーと思って体験版をプレイしたらマジで馬鹿みたいな喋り方なのでかなりつらかった。



 そして「龍が如く 極2」には蝶野正洋本人が登場している。ガッデム!!!


3D格闘ゲームとうっすら関係している


ファイナルファンタジーVII REMAKE 文章書く彦

 前述の通り、「FF7」の体験版が3D格闘ゲームである「TOBAL No.1」に付属しいてたことは有名なエピソードである。


ファイナルファンタジーVII REMAKE 文章書く彦

 間をすっ飛ばして話すが「龍が如く」シリーズのルーツをたどっていくとそこには3D格闘ゲームの草分け的な存在である「バーチャファイター」シリーズがあり、ミニゲームとして遊べたりもする。


美的感覚


ファイナルファンタジーVII REMAKE 文章書く彦

 これは完全に個人の主観なのですが、「FF7R」の美的感覚は……なんというかこう……ダサ、いや、独特だ。昔のものを当時の雰囲気を残して現代技術にアップデートしたことのズレみたいなものがフルに展開されていて非常に居心地が悪い。

 前作「FFXV」はよく「ホストによるスタンド・バイ・ミー」みたいに揶揄(やゆ)されていたが、ホストにしたって一昔前のホストだし、そもそもこのリアルさだとノースリーブなのがいやだし(後日談という設定なのでおかしいことを承知でいうが「ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン」の片袖生えてる服だったらもうちょっと許容できた)……いや、カッコいいと思っている人がいるならそれを否定するわけではないけれど、他のゲームに比べて独特なのは間違いないだろう。


ファイナルファンタジーVII REMAKE 文章書く彦

 「龍が如く」シリーズにはヤクザのみならず裏社会や水商売なども描くシリーズなので当然ホストも登場する。そういう業界にありがちなちょっとヤンチャなファッションが誇張された形でゲーム内に現れるので、われわれのようなパンピーから見るとかなり独特のセンスに感じられる。「龍が如く」シリーズがダサいのにはきちんとダサいなりの理由もあるし、そういうものだ身構えてからプレイしているのであんまり気にならないけどね。あっ、ダサいってついに言ってしまった。

 いやマジな話、前から常々野村(哲也)さんと名越(稔洋)さんのセンスには通底してるものがあると感じていて「龍が如く」における「ゲスト芸能人」と「キングダムハーツ」における「ディズニーキャラクター」って同じことなのでは? みたいなことを考えていたので、「FF7R」の体験版は我が意を得たりみたいな感じだった。

総論


ファイナルファンタジーVII REMAKE 文章書く彦

 他にも「はしごの上り下りする感じが似てる」とか「会話のテンションが大げさな感じが似てる」みたいな感覚的かつ細かい点もいくつかあったが、ここでは割愛し確度の高い類似点を列挙するに留めた。確かに一つ一つはとるに足らない証拠だが、これだけ挙げると恐らく君にも似ているように思えてきたはずだろうと思う。思えなかったらごめん。

 もちろん「一都市モノとしてプレイ感覚が似てくるのでは?」など予測にすぎない点もある。現段階では「FF7R」が「龍が如く」なんじゃないか? というのはまだ確かめようのないことなのだ。発売まであと数日。本作が本当に「龍が如く」なのかどうかは、読者諸君が一人一人、自分の手で確かめてみてほしい!



Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2403/21/news036.jpg 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  2. /nl/articles/2504/19/news039.jpg 人里離れた山にカメラを設置→1週間後…… 「なんで?」映っていた“意外すぎる住人”に「笑った」「実在していたのか!」
  3. /nl/articles/2504/21/news024.jpg 「安すぎる!」 ワークマン“980円バッグ”に絶賛の声続出 「文句なし」「コスパ最強」「シンプルで使いやすい」
  4. /nl/articles/2504/18/news140.jpg 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」話題になった飼い主に聞いた
  5. /nl/articles/2504/19/news051.jpg 湘南の砂浜に打ちあがった“超危険生物”を飼育したら…… 貴重な姿に「初めて見ました」「かっこいい」と大反響→2年後の現在について話を聞いた
  6. /nl/articles/2504/21/news036.jpg 押し入れに眠っていた“40年前の出産祝い”、開けてみると…… “昭和らしい品”に反響「感無量ですね」「状態がいいのも驚き」
  7. /nl/articles/2504/20/news028.jpg 庭にビオトープを作ったら、生物多様性が爆上がりして…… “まさかの生き物”の来訪に驚がく「え?マジすかw」「存在感すごい」と620万表示
  8. /nl/articles/2504/21/news034.jpg ゴミ屋敷に嫁いだ女性 あるとき“9歳息子の本音”を耳にし……100日間の戦いが1000万再生「最後泣きました」「大変だったろうな」
  9. /nl/articles/2504/21/news043.jpg ←お弁当の理想 現実→ 高校生息子の母が明かした“リアルな光景”に「共感しかない」「ジワっときました」
  10. /nl/articles/2504/21/news032.jpg 150万円で買ったジャングル廃墟→家族3人で本気DIYしたら……「良くなりすぎた」 見違える結果に「やばい」「憧れる」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 小学生時代「こんなプラモ誰が買うんだよw」→40年後…… “大人になった”を実感するエピソードに「分かる」「特大ブーメランw」
  2. パパに、保育園へ行く娘のヘアアレンジを任せたら…… ママがひっくり返った“仕上がり”が400万表示「重力どこ?」「頑張った感がいい!」
  3. 「神パンツきた」 ユニクロ新作“3990円パンツ”が品切れラッシュの大人気 「過去イチかも」「本当にこれは買い」
  4. なんとなく捨てにくい紙袋→2カ所切り込みを入れるだけで…… 目からウロコの“活用術”に「これすごくいい!」【海外】
  5. 「見習うことばかり」 80代おばあちゃんの春服&収納術がステキ! 上品かつオシャレで「憧れです」「尊敬します」
  6. ファスナーに直接毛糸を編み付けていくと…… 完成した“便利でかわいいアイテム”が100万再生「天才だ」「これ大好き」【海外】
  7. 「尊厳を踏みにじる行為」 八代亜紀さんの“物議のCD”は「流通会社がすでに流通を中止」 タワレコが回答
  8. 古くなったジーンズは捨てないで! 目からウロコの“アイデア”に大反響「なにこれかわいい!」「こんなの作れるんだ」【海外】
  9. 指先サイズの小さな器に木を植えて、育てたら…… 「芸術だ」「半端ない」鳥肌モノの“神盆栽”に反響
  10. 義母「ランドセル代を振り込みました」→銀行口座を見ると…… 2児ママ絶叫の“神対応”が1520万表示「凄すぎる!」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 【べらぼう】“問題のシーン”、「子供に見せられない」 身体張った27歳俳優へ「演技やばくない?」
  2. 「恩師ビックリするやろなぁ」 中学3年で付き合い始めた“同級生カップル”が10年後…… まさかの現在に反響
  3. 「本当に迷惑」 宅急便の「不在連絡票」と酷似のチラシが物議…… ヤマト運輸「配布中止申し入れ」
  4. 「うそでしょ!?」 東京ディズニーランド、“老舗”レストランの閉店を発表 「とうとう来てしまったか」「いやだああああ」と悲しみの声
  5. 雑草ボーボーの運動場に“180羽のニワトリ”を放ったら…… 次の日、まさかの光景に「感動しました」「すごい食欲」
  6. 40歳・女性YouTuber「18年間、脇毛を処理していない」→“処理しない理由”語る 「脇のみならず……」
  7. コメダ珈琲店で朝、ミックスサンドとコーヒーを頼んだら…… “とんでもない事態”に爆笑「恐るべし」「コントみたい」
  8. 息子の小学校卒業で腕を組んだ34歳母→中学校で反抗期を迎えて…… 6年後の姿に反響 「本当に素敵!」「お母さん、変わってない!?」
  9. Koki,、豪邸すぎる“木村家の一室”がウソみたいな広さ! 共演者も間違えてしまうほどの空間にスタジオビックリ「コレ自宅!?」「ちょっと見せて」
  10. 使わない靴下をザクザク切って組み合わせると…… 目からウロコの再利用法が2500万再生「とてもクリエイティブ」【海外】