もうすぐ新幹線がやって来る! 福井・敦賀の名物駅弁「元祖鯛鮨」の製造現場に密着敦賀「元祖鯛鮨」(1030円)

2024年春に敦賀まで延伸開業予定の北陸新幹線。福井・敦賀で育まれてきた名物駅弁の製造現場を見てきました!

» 2022年02月26日 12時00分 公開
[ニッポン放送(1242.com)]
ニッポン放送
敦賀の名物駅弁 元祖鯛鮨 敦賀「元祖鯛鮨」(1030円)
敦賀の名物駅弁 元祖鯛鮨 敦賀の名物駅弁 元祖鯛鮨 敦賀の名物駅弁 元祖鯛鮨 敦賀の名物駅弁 元祖鯛鮨 敦賀の名物駅弁 元祖鯛鮨 敦賀の名物駅弁 元祖鯛鮨 敦賀の名物駅弁 元祖鯛鮨 敦賀の名物駅弁 元祖鯛鮨 敦賀の名物駅弁 元祖鯛鮨 敦賀の名物駅弁 元祖鯛鮨 敦賀の名物駅弁 元祖鯛鮨 敦賀の名物駅弁 元祖鯛鮨 敦賀の名物駅弁 元祖鯛鮨

【ライター望月の駅弁膝栗毛】

 「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。

 2024年春の開業を目指して現在、金沢〜敦賀間の工事が行われている「北陸新幹線」。金沢〜敦賀間の所要時間は最速40分台となる見込みで、いまの金沢行「かがやき」が、そのまま延伸したとすると、東京〜敦賀間は3時間10分程度になると予想されており、北陸への新たなアクセスルートになることは間違いありません。今回は、新幹線開業に向けて大きな工事が進む、福井・敦賀で育まれてきた名物駅弁の製造に密着しました。

敦賀の名物駅弁 元祖鯛鮨 683系電車・特急「サンダーバード」、北陸本線・南今庄〜敦賀間

「駅弁屋さんの厨房ですよ!」第32弾・塩荘編(第1回/全6回)

 大阪〜金沢間を最速2時間半あまりで結んでいる特急「サンダーバード」。昭和39(1964)年に運行を開始した特急「雷鳥」をルーツに、平成7(1995)年、「スーパー雷鳥(サンダーバード)」として登場しました。いまも、毎時1〜2本の列車が9〜12両編成で運行され、北陸本線のエース的な存在。電化区間が直流・交流にまたがるため、両方を走れる681.683系電車が充当されるのも特徴です。

敦賀の名物駅弁 元祖鯛鮨 敦賀駅

 北陸本線の電化方式は現在、敦賀〜南今庄間で直流から交流に切り替わります。手前の敦賀駅は、多くの特急が停まる福井県南部(嶺南)のターミナル駅。京阪神からの「新快速」と北陸本線の普通列車、小浜線も接続しています。2年後の令和6(2024)年には、東京・金沢から北陸新幹線が延伸され、敦賀が当面の間の「終着駅」となります。いまは新しい駅舎の突貫工事中。駅周辺には多くの工事関係者の姿が見られました。

敦賀の名物駅弁 元祖鯛鮨 元祖鯛鮨

 敦賀駅の名物駅弁として知られるのが、「元祖鯛鮨」(1030円)。明治36(1903)年から、敦賀駅の構内営業者となっている「株式会社塩荘」が、製造・販売しています。駅弁膝栗毛の恒例企画、「駅弁屋さんの厨房ですよ!」第32弾は、この株式会社塩荘に注目。駅からは少し離れた国道8号沿いにある工場にお邪魔して、名物「元祖鯛鮨」の製造に密着しました。

敦賀の名物駅弁 元祖鯛鮨 元祖鯛鮨の酢飯

 調理場の一角に酢の香りが広がりました。塩荘では酢は甘めの米酢を使用。米は、福井県産コシヒカリを使っていますが、酢飯については、コシヒカリに福井県産のハナエチゼンをブレンドしています。

敦賀の名物駅弁 元祖鯛鮨 鯛を3枚におろす

 いまは、ガス釜による自動炊飯システムを入れ、品質を安定させているとのこと。それでも冬は、秋に獲れたばかりの新米が入ってくるため、ご飯を炊き上げるのに水の加減が難しい季節だと言います。

敦賀の名物駅弁 元祖鯛鮨 鯛を1枚ずつ盛り付けていく

 一方では鯛の準備が進められていました。現在の「元祖鯛鮨」は、遠洋で獲れた桜鯛を使って作られています。提携した業者から塩漬けにされた鯛を仕入れ、それを職人さんが包丁を使って、手作業で3枚におろしていきます。おろされた鯛は1枚ずつ、丁寧に酢飯の上に載せられていきます。

敦賀の名物駅弁 元祖鯛鮨 機械で押される

 酢飯と鯛が詰められた升が、プレス用の機械にかけられ、概ね3分〜5分押されます。この「押し」がこだわりの1つ。押しが強いとご飯の粒が潰れてしまいますし、逆に弱いと押し寿司とはなりません。その日の製造個数などを加味して、「押し過ぎない」のが、美味しい押し寿司を作るコツ。昔は大きな石を使って押すために、力仕事だったと言いますが、いまは機械の力を借りて、その日に最適な品質を保っています。

敦賀の名物駅弁 元祖鯛鮨 1つずつ包丁でひと口大にされる

 絶妙な加減に押された鯛鮨は、食べやすいようにひと口大の大きさに、包丁が入れられていきます。カットされた鯛鮨は、ひし型の折に1つ1つ、丁寧に並べられていきました。

敦賀の名物駅弁 元祖鯛鮨 盛り付け

 この上にシートを挟んで、ガリと醤油が載せられると、塩荘が誇る「元祖鯛鮨」の完成! なお、醤油はなくても十分に美味しくいただけますが、東日本エリアにお住まいの方から「醤油がない!」という声が多数寄せられたこともあり、いまは醤油も添えているそうです。

敦賀の名物駅弁 元祖鯛鮨 元祖鯛鮨

【おしながき】

  • 鯛鮨(酢飯:福井県産コシヒカリ・ハナエチゼン使用、鯛)
  • ガリ
  • 醤油
敦賀の名物駅弁 元祖鯛鮨 元祖鯛鮨

 緑のパッケージを開けると、ひし形の容器から、甘めの酢の香りがフワ〜っと広がります。軽く酢で〆られた鯛、程よく押されつつも、ふんわりとした食感を残した酢飯のバランスが、じつに見事な、塩荘の「元祖鯛鮨」です。ひし形の容器なのは、魚に見立てているから。昔はひし形の折箱にレッテル(掛け紙)をかけると、角の部分が魚の尾ひれのように見えたからだと言います。

敦賀の名物駅弁 元祖鯛鮨 681系電車・特急「しらさぎ」、北陸本線・敦賀〜南今庄間

 かつての特急「雷鳥」と並んで、昭和39(1964)年からの歴史を誇る北陸の特急列車が、名古屋・米原〜金沢間で運行される「しらさぎ」です。いまの「サンダーバード」が関西〜北陸を結ぶ列車であるの対し、「しらさぎ」は中京〜北陸を結ぶ列車。北陸は中部地方の一部ですので、名古屋との結びつきも強い地域です。次回は「元祖鯛鮨」を製造する、株式会社塩荘の刀根荘兵衛社長に、敦賀と鉄道・駅弁の歴史を伺います。

(初出:2022年1月24日)

連載情報

photo

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史

昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。

駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/


「駅弁膝栗毛」バックナンバー



おすすめ記事

Copyright Nippon Broadcasting System, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/15/news016.jpg 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. /nl/articles/2411/16/news077.jpg 大谷翔平、インスタ最新投稿で活躍シーンのハイライト公開 一瞬映る“妻・真美子さんと母・加代子さんの笑顔満開ハイタッチ”に注目
  3. /nl/articles/2411/16/news007.jpg まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  4. /nl/articles/2411/14/news014.jpg ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  5. /nl/articles/2411/16/news039.jpg 「ディズニーのそういう所だよ」 1歳息子、初ディズニーで言われた“まさかの一言”は…… キャストの愛ある“神対応”が656万表示
  6. /nl/articles/2411/14/news169.jpg 「ちょっと怖い!!」 ミニトマト“1粒”を土に埋めて1カ月育てたら…… → “予想外の光景”に驚がく 「そうなるとは」
  7. /nl/articles/2411/15/news162.jpg 「とんだ裏切りwww」 整骨院が休業→店舗の張り紙を見たら…… “まさかの理由”にツッコミ殺到 「これは仕方ない」
  8. /nl/articles/2411/15/news187.jpg 「2度とライブ来るな」とファン激怒 星街すいせい、“コンサート演出の紙吹雪”が「3万円で売買されてる」 高値転売が物議
  9. /nl/articles/2411/16/news014.jpg 330円で買ったジャンクのファミコンをよく見ると……!? まさかのレアものにゲームファン興奮「押すと戻らないやつだ」
  10. /nl/articles/2411/11/news056.jpg 大量のハギレを正方形にカット→つなげていくと…… “ちょっとした工夫”で便利アイテムに大変身! 「どんな小さな布も生き返る」
先週の総合アクセスTOP10
  1. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  2. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  3. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  4. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
  5. イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
  6. 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
  7. 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
  8. 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
  9. 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
  10. 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた