小説が求める“次の器”とは――。
「鏡さん――『とらドラ!』みたいな小説を書きませんか?」
よりによって、なぜ今日なのか。
誰かに認めて欲しかった。存在を認めて欲しかった。
彼の名は、講談社ラノベ文庫編集部の副編集長・庄司智。
作家志望者が作家死亡者にならないために。
そんな無茶な……。
綺麗であることは、彼女にとって、同時に呪いを意味していた。
これは私の物語でもあり、同時にあなたの物語でもある。
配っていたのはティッシュか、それとも。
ひと夏のアルバイトから始まる非日常。
誰にも愛されず、誰も愛することのできなかった少年が、小説にめぐり逢い、棺桶にいれられるまで。