キメラはそのころ、とっくに日本を制圧していた!?「レジスタンス2」Insomniac Games現地取材(5/5 ページ)

» 2008年12月26日 14時49分 公開
[加藤亘,ITmedia]
前のページへ 1|2|3|4|5       

テッド・プライス氏ミニインタビュー:その時、日本はどうなっているのですか?

 取材の合間に、インソムニアック社長兼CEOのテッド・プライス氏にインタビューをする時間をいただいた。まずは日本人として、キメラの侵略が開始したころ、日本はどうなっているのかを聞いてみた。だって気になるでしょ?

―― ロシアから広がったキメラの猛攻ですが、日本はどうなっているのでしょうか?

プライス氏 実際、ちゃんと設定があるんですが、1930年代にまず中国とインドに広がります。その後、日本まで到達していますね。時代的には1940年代には到達していることになっています。そのころには、アジア圏にはキメラが席捲(せっけん)して、もう何もなくなっています。もちろん、人間なんて存在していません。皆、キメラ化しているわけです。イギリスとアメリカがキメラの攻撃から逃れることができたのは、地理的にもっとも遠いところにあったためです。それと大西洋と太平洋をなかなか越えることができなかったということでしょう。しかし、ついに「レジスタンス2」で戦艦が登場し、海を渡ることになったわけです。

―― 日本はすでに壊滅していましたか……。日本を戦場にキメラと戦ってみたかったですね。

プライス氏 それが実現できれば素晴らしい事なのですが、開発するのにあたり、その環境を知る必要があるんです。我々の環境に慣れ親しんでいる場所でないと、リアルなものが作ることができません。開発者が欧米出身者ということもあり、その地を舞台にするのは自然な流れなわけです。

―― ゲームの設定上、キメラの影響が及んでいなかったのはイギリスとアメリカだけですか?

プライス氏 まだアフリカ、オーストラリアが残っていますが、「レジスタンス2」の時点で欧州や北米は壊滅しました。

―― 今後のシリーズによってはそこも舞台になりえるかもしれませんね。

プライス氏 我々はこのシリーズを息の長いフランチャイズにしたいと思っております。3部作などと噂されたこともありましたが、もっと続けていきたい。もちろん、たくさんゲームを製作することには興味ありますが、今は最新版に注目してもらいたいので、「レジスタンス2」を何度も楽しんでもらえたらうれしいです。

―― 「レジスタンス:人類没落の日」と「レジスタンス2」とでもっとも異なる点はなんですか?

プライス氏 おかげさまで前作ではハードのローンチタイトルということもあり、早い段階からPS3に慣れることができました。我々は当初から高い目標を意図的に設定して経験を積んできたので、「レジスタンス2」ではさらに磨きをかけて発表できたと思っています。その経験値が今回の製作に関して、より開発を容易にし、よりよくする技術や仕掛けを発見できました。あえていうのであれば、圧倒的にプレイ感がよくなったと思います。

―― 何か本作で伝えたかったものなどあったのでしょうか?

プライス氏 モラル上伝えたいことは存在していません。あえていうならキメラを殺すことはいいことだということくらいです。実際、道徳上のメッセージというものは含んでいないのですが、いわゆる“よくない内容”と言われるものが伝わる感じはあるかもしれません。内容的にも。ただ、本作ではネイサン・ヘイルが抱える問題を解決できるかもしれないし、圧倒的な不利な状況での1人の男の戦いを描いています。おっと、訂正させていただきますと、悪いキメラは殺してもいいということにさせてください。

―― キメラの造形で参考にした作品などはなにかあるのですか?

プライス氏 私自身がキャラクター設定したわけではありませんが、多くは前作からの継続であり、ホラー映画やSF映画を参考にしています。しかし、特定のものはありませんね。ほとんどオリジナルのクリエイションです。ただ、クリーチャーの動きはウィル・スミス主演の「アイアムレジェンド」を参考にしています。元々はゾンビも敵をゆっくり動かすという概念があったのですが、それをやってみたらあまり面白くなかったんです。登場するグリムもそうしてあの素早い動きとなったわけです。

―― お気に入りのキメラは?

プライス氏 それぞれのタイトルでお気に入りがあるのですが、前作ではメリアルというゾンビのようなキメラが好きでした。本作では選ぶのが難しいのですが、やはりカメレオンですね。怖いし、すぐ身体を切り裂かれる。ゲームに慣れたワタシでも何度も殺されるほどです(笑※)。実際、このゲームでのカメレオンの評価は、驚かせてくれるから好きという意見と、難しいという意見を聞きますね。

※プレイス氏はデモの際、カメレオンで何度も死んでみせるという本当に開発者? と疑うイージーミスを連発していた。

―― インソムニアックの会社サイトには、それぞれメンバーの紹介文が掲載されてますよね? プライスさんの紹介文に「必殺技:超しかめっ面」とありますが、ゲーム中で「超しかめっ面」になったところは?

プライス氏 「レジスタンス2」に関しては、常にしかめっ面でしたね。いつも改修しなくてはならないバグなどを探しながらプレイしていたので、本当にいつもしかめっ面でした。でもそれは開発中だけで、発売後は満たされてますよ。ただ、マルチプレイの時、ひどくやられたときはさすがにしかめっ面になってしまいますね(苦笑)。

―― 対戦プレイで今回60人を実現していますが、何人までならできると思いますか?

プライス氏 さらに突き進むことはできますが、現状80人以上は可能だと思います。というのも、クライアントサーバのアーキテクチャがP2Pではないことが幸いしていまして。ただし、課題になることは設定していく中で、あまり多くのプレイヤーを扱うとデザイン上、ゲームを楽しむこと自体が難しくなるんです。プレイヤーはおおむね、自分が中心という考えのもとプレイしていますよね? プレイヤーはゲームに楽しませてもらっているという感覚ですが、参加人数が増えるとプレイヤーはその感覚がつかみにくくなるんです。そのバランスを考えないといけないと思います。ちなみに、60人というのはスクワッド(分隊)扱いにすることで、対処しています。

―― では最後に、ずばりキメラとはなんですか?

プライス氏 それはゲームで明かされます(笑)。というのは冗談で、いわゆるパラサイトのような生物の種族であり、良心など微塵もなく、出会うものすべてを壊滅させる意図を持っており、集団として機能しているものですね。我々とはまったく違う目的意識を持っています。ゲームのデザイン上、クリエイティブ観点からとらえると、ゲームをプレイするのに予想できない展開にもっていくために登場する存在です。従来のFPSで出てくるような、伝統的な敵とは違うアプローチを可能にしてくれました。彼らによって柔軟性を与えられることになり、よりいろいろなことができるようになりました。従来のルールがなく、これができてこれができないというしがらみがない存在ですね。大変重宝していますよ(笑)。

―― ありがとうございました。


「RESISTANCE(レジスタンス) 2」
対応機種プレイステーション 3
ジャンルアクション・シューティング
発売予定日2008年11月13日
価格(税込)6980円

「RESISTANCE 〜報復の刻(とき)〜」
対応機種PSP
ジャンルアクション・シューティング
発売予定日2009年3月12日
価格(税込)UMD版4980円、ダウンロード版3800円
RESISTANCE is a registered trademark of Sony Computer Entertainment Inc.
Developed by Insomniac Games. (C)2008 Sony Computer Entertainment America Inc.
RESISTANCE is a registered trademark of Sony Computer Entertainment Inc.
Developed by Bend Game Studio. (C)Sony Computer Entertainment America Inc.


前のページへ 1|2|3|4|5       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2405/12/news021.jpg 「900円は安過ぎる」 喫茶店でプリンアラモード購入→見本と違いすぎる“激盛り”に仰天 「逆写真詐欺」
  2. /nl/articles/2405/10/news140.jpg 「怖すぎ」「絵面つよい」 “あの果物”が発火!? 知らないとヤバい「電子レンジに入れてはいけないTOP10」がためになる
  3. /nl/articles/2405/10/news123.jpg 「世界一好きな顔かも」 70万再生の“5分メイク”がスゴすぎる……! ゴージャスな仕上がりに驚き【海外】
  4. /nl/articles/2405/12/news002.jpg 8歳兄が0歳赤ちゃんにぴったり添い寝→2年半後の現在は…… 尊すぎる光景に「かわいい〜!」「成長はやい」
  5. /nl/articles/2405/08/news177.jpg プログラミング言語で書かれた謎の広告→「分かる人」が見ると……? 粋なアイデアが「おしゃれ」と話題 東急に制作背景を聞いた
  6. /nl/articles/2405/12/news004.jpg 9歳長女の連絡帳にサインしようと見てみたら…… こっそり書かれたママ宛てのメッセージに「ママ幸せだね」「胸がぎゅうってなった」と200万表示
  7. /nl/articles/2405/11/news023.jpg 【今日の計算】「899×9」を計算せよ
  8. /nl/articles/2405/12/news016.jpg 海の危険生物“ゴンズイ”を水槽に入れてみたら…… ヒヤリとする光景に「毒は絶対やばい」「ガチ草」
  9. /nl/articles/2405/12/news008.jpg 幼稚園の「名札」を社会人が大量購入→その理由は…… 斜め上のキュートな活用術に「超ナイスアイデア」「こういうの大好きだ!」
  10. /nl/articles/2405/02/news008.jpg ジャングルのようだった庭が…… 12時間かけた掃除の成果に「感動的な変貌」「素晴らしい」と称賛の声
先週の総合アクセスTOP10
先月の総合アクセスTOP10
  1. 庭に植えて大後悔した“悪魔の木”を自称ポンコツ主婦が伐採したら…… 恐怖のラストに「ゾッとした」「驚愕すぎて笑っちゃいましたw」
  2. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  3. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  4. 「歩行も困難…言動もままならず」黒沢年雄、妻・街田リーヌの病状明かす 介護施設入所も「急激に壊れていく…」
  5. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
  8. 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  9. 築152年の古民家にある、ジャングル化した水路を掃除したら…… 現れた驚きの光景に「腰が抜けました」「ビックリ!」「先代の方々が」
  10. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評