コラム
» 2011年04月28日 09時46分 公開

第9回:テクニック・イズ・スコア! プレイヤーに「ゲームがもっとうまくなりたい!」と思わず夢中にさせてしまう得点アップの仕組みなぜ、人はゲームにハマルのか?(3/3 ページ)

[ITmedia]
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まだまだあります、スコアアップのスッゴイ仕掛け

 今度はアクションパズルゲームにおける面白いスコアアップのシステムを見てみましょう。日本では1988年にセガがアーケードゲームとして発売し、いわゆる落ち物パズルゲームを世に知らしめた存在といえば、もちろん「テトリス」。本作ではブロックを横一列のラインに並べて消すと得点が入り、同時に多くのブロックを消すとさらに高得点となるのはみなさんもよくご存知のことでしょう。

 ゲーム内容も得点システムもいたってシンプルなゲームですが、得点の仕組みには実はもうひとつ大事なポイントがあります。ムービーを見てみると、ゲーム開始直後に落ちてきたブロックが着地したときはスコアが0点のままですが、2番目に出現したブロックが落下した後では得点が入っていることが分かります。では、ブロックを消したとき以外に得点が入る条件とはいった何でしょうか。

ムービー:「テトリス」
(C)1987 ACADEMYSOFT-ELORG
(C)1988 TENGEN
LICENSED BY MIRRORSOFT LTD.
ADAPTED BY (C)SEGA 1988

 もうお分かりですね? そうです、本作ではブロックが空中にあるときにレバーを下に入力すると落下スピードが急激に加速するようになっているのですが、実は加速している最中は1点ずつ得点が入るようになっています。あらためてプレイ動画を見ると、ブロックが加速している最中はスコアの1の位がすごい勢いで増えていることが分かります。

 と、いうことで本作は、短時間でブロックの置き場所を決断できる上手な人ほど、消したライン(ブロック)の数が同じであってもスコアがより高くなるという仕掛けになっているわけです。一見しただけでは何の変哲もないルールにも思えますが、プレイヤー同士で1点単位でのハイスコア争いを可能にしたこのアイデアは、世紀の大発明であると思うのは筆者だけでしょうか?

 同様の例が、同じくセガが1987年に発売したアーケード用ドライブゲームの「スーパーハングオン」にも存在します。本作では、プレイヤーの操作するバイクがアクセル全開で走り続けると最高時速が280キロメートルまでアップします。さらに280キロメートルで走行中にターボボタンを押すと、バイクが急加速して最高324キロメートルにまで速度がアップします。

 本作ではバイクが進むごとにスコアが少しずつ加算されるシステムになっていますが、実はターボをかけながら走っている間は、使用していないときに比べてより高い得点が入るようになっているのです。ムービーを見れば明らかなように、同じステージをターボを使った時と未使用の時とでは、得点にハッキリと差が出ることが分かります。

 ベストタイムでゴールする、すなわちハイスコアを目指すためには、ターボを使ってハイスピードで走る時間をできるだけ長くとりつつ、なおかつ敵のバイクを避けたりコースアウトせずに走れる度胸とテクニックが求められることになります。最近のドライブおよびレースゲームでは得点の存在する作品をほとんど見かけなくなりましたが、昔は本作のように走行タイムとは別にスコアを計算・表示するシステムが普通に存在していたんですよね……。

ムービー:「スーパーハングオン」
※Wiiバーチャルコンソール版を使用。
(C)SEGA

 ちょっと変わったところでは、やはりセガが1986年に発売したシューティングゲーム「ファンタジーゾーン」の例があります。

 本作の面白いところは、特定の敵を倒すと得点が増えるのとは別にコイン(お金)が出現することです。コインをたくさん集めてゴールド(所持金)を増やしてからショップに行くと、主人公のオパオパの移動速度がアップするエンジンをはじめ、レーザーやツインボムなどのさまざなま装備品を購入することが可能になります。特に、各ステージごとに10基ずつ存在する敵の基地を破壊したときに出現するコインは、ザコ敵を倒したときに比べてはるかに高額のコインを落とすようになっています。

 と、いうことで、ここでまたまたクイズです。本作のムービーを見ると、基地を壊したときに落ちてくるコインの金額が全部同じではないことに多くのみなさんがきっと気付いたのではないかと思います。では、そのコインの金額はいったいどのような法則で変化しているのでしょうか?

ムービー:「ファンタジーゾーン」
※PS2版「セガエイジス2500シリーズ ファンタジーゾーン コンプリートコレクション」を使用。
(C)SEGA “FANTASY ZONE GEAR” (C)SEGA REPROGRAMMED BY SANRITSU 1991 (C)SIMS “SUPER FANTASY ZONE” (C)1992 SUNSOFT (C)SEGA “FANTASY ZONE NEO CLASSIC” (C)SEGA (C)SUNSOFT

 正解は、ステージ開始からの経過時間が長くなればなるほど、出現するコインの金額が下がるようになっているから。今回用意したのは3面のプレイ動画ですが、最初は1枚2000ゴールドのコインが出現していたのに、最後から2番目の基地から出てきたコインは1000ゴールドに減り、さらにしばらくたってから一番最後の基地を倒した後に取ったコインは500ゴールドにまで減額されていることが分かります。つまり、ゴールドをたくさん集めるためには敵の出現配置を覚えて速攻で倒すテクニックが必要となります。ゴールドをたくさん貯めれば、ショップで強力な装備が購入できて敵をより倒しやすくなり、同時にスコアアップにもつながるというわけですね。

 それでは、今回はここまで。次回はさらに、見る者をあっと驚かせるスコアアップの意外なアイデアの数々をお送りする予定です。お楽しみに!

今回登場したソフトはココで遊べます!

  • 「スペースインベーダーカラー」:PS2用ソフト「タイトーメモリーズ上巻」
  • 「ギャラガ」:PS用ソフト「ナムコミュージアムvol.1」、Wiiバーチャルコンソール
  • 「空手道」:Wiiバーチャルコンソール
  • 「ストリートファイターII」:PS2用ソフト「カプコン クラシックス コレクション」、PS用ソフト「カプコン ジェネレーション 〜第5集 格闘家たち〜」
  • 「テトリス」:PS2用ソフト「セガエイジス2500シリーズ テトリスコレクション」
  • 「スーパーハングオン」:Wiiバーチャルコンソール
  • 「ファンタジーゾーン」:PS2用ソフト「セガエイジス2500シリーズ ファンタジーゾーン コンプリートコレクション」

著者プロフィール

鴫原 盛之 Morihiro Shigihara

 1993年よりゲーム雑誌および攻略本などでライター活動を開始。その後、某メーカーでのグッズ・店舗開発や携帯コンテンツの営業、ゲームセンター店長などの職を経て、2004年よりフリーに。現在は各種雑誌やwebサイトでの執筆をはじめ、某アーケードゲームの開発なども手掛ける。著書は「ファミダス ファミコン裏技編」(マイクロマガジン社)、「ゲーム職人第1集 だから日本のゲームは面白い」(同)の他、共著によるゲーム攻略本・関連書籍を多数執筆。近刊は共著「デジタルゲームの教科書 知っておくべきゲーム業界最新トレンド」(ソフトバンククリエイティブ)がある。

 Twitterは「@m_shigihara」です。

(著者近況)

 先日、東京・新宿にあるゲームカフェ・バー「Ninety(ナインティ)」さんのご協力のもと、筆者が企画した東日本大震災チャリティイベントを実施させていただきました。当日ご参加いただいたみなさまには、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。もしかしたら第2回目を開催するかもしれませんので、ぜひまたみなさんのご参加をお待ち申し上げております!


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