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» 2015年12月07日 22時15分 公開

戦車道? いや戦車戦だ 「ガールズ&パンツァー リボンの武者」鶴姫しずか、推して参る!あのキャラに花束を

これが「裏・ガールズ&パンツァー」。

[たまごまごねとらぼ]
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 現在映画上映中の「ガールズ&パンツァー 劇場版」。エクストリームすぎるアクションが楽しめる、痛快戦車エンタテインメント。「和製マッドマックス」なんて声もTwitterでは頻繁に見かけます。「これ戦車なの!?」というものまで登場。インフレを全く恐れずガシガシとなんでも投入。戦闘規模は尋常じゃなくなりました。

 さてその一方で、ものすごく小さい戦車による戦闘を描いたスピンオフ「ガールズ&パンツァー リボンの武者」(〜3巻、以下続刊/月刊コミックフラッパー)が連載されています。


画像 不敵な笑み。我が行うは戦車道にあらず

 ガルパンで行われているのは「戦車道」。女子としての嗜(たしな)みであり、作法に則った礼儀正しいスポーツです。ところがこの作品に出てくる戦いは、違う。

 通称「強襲戦車競技(タンカスロン)」。ルールは一つだけ、10トン以下の戦車であること(ちなみにガルパンの西住みほが乗るIV号戦車は25トン)。それ以外は何をやってもOK。観客はフィールドの中に入って応援するもよし。戦車を何十両持ち込もうが問題なし。対戦中に横から殴りこんで試合をつぶしてもいい。戦車によるストリートファイトです。

 主催者なし。非公式の野良試合だから、いくら弾があたっても死なない安全安心のガルパン世界とはいえ、かなり危険。参加する少女たちも、戦車道を取り仕切っている連盟には内緒。


画像 さすがに轢き殺されるぞ! 荒っぽさが熱狂的な人気を誇る、野試合。乙女のたしなみとは、縁遠い(1巻6〜7ページ)

 この試合最大の面白さは、1両でも参加できるということ。

 勝つために何両も繰り出したり、チームを組んだりして策を練る相手校。それに対して、たった1両の軽装甲車で挑む2人の少女がいた。



姫、戦場に参る

 楯無(たてなし)高校に通う鶴姫(つるき)しずかは、成績優秀で物静か、人形のように気品漂うお嬢様。しゃべり方はまるで江戸時代の姫。

 彼女は元弓道部でした。ところが「道」がつくものは好かず、やめてしまいます。ちょうどその時、戦車道をやりたいと願っていた松風鈴と遭遇。

 学校に戦車道部はない。ならば「戦車道」をやらなければいい、「戦車戦」をやるまで。2人は九七式軽装甲車、通称テケ車に乗り、「タンカスロン」に参加します。もちろん、学校の許可なんてなし。松風鈴が操縦するテケ車に乗って、出陣。


画像 2人乗りの装甲車、テケ車。重量約4.5トンの騎馬だ(1巻91ページ)

 しずかは、戦いに飢えた武者。彼女の目的は栄光でも、名誉でも、プライドでもない。勝つ。それだけのために戦います。気高さに敬意を表して、彼女を「しずか姫」と呼びましょうか。

 相手は、アニメ本編にも出てくる、サンダース大学付属高校(アメリカ式)のM22ローカストや、アンツィオ高校(イタリア式)のカルロ・ヴェローチェ。アニメでは名前だけ出てきたBC自由学園(ヴィシー政権と自由フランス式)のルノーR35などなど。

 確かにテケ車は史実で活躍した豆戦車。とはいえ、多数で攻め込んでくる相手に対し、彼女らはたった1両。戦車道で戦ってきた歴戦の強豪校に、戦略よりも気迫で切り込んでいく。その様は、一歩進むごとに一人切り捨てる、刀一本だけ持った侍です。


画像 多勢に無勢なんてしったこっちゃない。彼女は全部喰らい尽くすつもりだ(2巻34〜36ページ)


やぁやぁ我こそは百足組也!

 通常であれば、見つからないように戦うのが常。ところがしずか姫、高らかに名乗りをあげる。祖先である武田軍団の使い番「百足衆」の旗印を掲げ、「いざ尋常に勝負!!」

 しずか姫は、どんな相手であろうと自らの信念を相手にまっすぐぶつけます。「戦う者、いかにあるべきか」を問い続ける。だからどんな相手でも、まっすぐ戦うものには敬意を払うし、強くても戦う心を持たぬものには怒鳴りつける。


画像 作中で何度か描かれる、彼女の手書き文字演説は必見。マイクを使わず、高らかに叫ぶのがしずか姫流(2巻95ページ)

 彼女が「道」を好まなかったのは、流儀や伝統、礼儀やルールが先立って、戦いの精神が失われることに我慢ならなかったからでしょう。実戦の中でこそ、精神が研ぎ澄まされ、真の心が磨かれていくと信じている。そもそも彼女たち勝ってもなんにももらえません。だって野良試合だもん。なのにみんな、タンカスロンに惹かれていく。戦いたくて仕方ないんだ。

 恐れ知らずとも思えるしずか姫。しかし彼女が圧倒される人物がいます。大洗女子学園の面々です。


画像 これが軍神、西住みほだ(3巻60ページ)

 アニメ「ガルパン」の主人公たち。ものすごい古いおんぼろ戦車をかきあつめ、強豪校に勝ちました。物量で押せるわけもなく、ギリギリの戦い方で死線をくぐってきた強者です。切り込み・組み討ちが得意なしずか姫と違い、テクニックと戦略で一回り上。その存在は、脅威。

 テレビ版や劇場版を見た人なら、「大洗の子たちは客観的に見ると、こんなにも育っている」という事実にゾクゾクするはず。3巻では大洗のあるチームと、奉納戦車戦の一騎打ちを行います。相手はベストメンバー。しずか姫、武者震い。

 しずか姫を軸に描かれる戦車戦は、劇場版のような派手さはありません。けれども彼女が見ている戦いの世界は「道」のつかない、スポーツではない真の戦い。彼女は、自分より強い戦車乗りとの合戦を所望し続けます。

 たとえどんな相手であろうと、しずか姫は騎馬である操縦手・松風鈴にまたがり、一騎で敵将の首を取りに切り込んでいく。


(C)Takeshi Nogami , Takaaki Suzuki
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