今日からあなたは死神のパシリです ピタゴラスイッチ感覚で人を事故死させるパズルゲーム「Death Coming」:週末珍ゲー紀行
因果律により定められしモブキャラたちの消費期限。
死神となってドット絵のキャラクターたちをあの手この手で事故死させていくパズルゲーム「Death Coming」が、11月6日にSteamでリリース(早期アクセス)されました。
かわいらしいグラフィックと過激なコンセプトで、発売前から一部PCゲームファンの注目を集めていた同作、リリースされると早速Twitterでも「何これ面白そう!」と話題に。期待の「死なせゲー」は果たしてウワサ通りの楽しさなのか、「週末珍ゲー紀行」第10回は「Death Coming」を取り上げます。
ライター:Ritsuko Kawai
カナダ育ちの脳筋女子ゲーマー。塾講師、ホステス、ニュースサイト編集者を経て、現在はフリーライター。下ネタと社会問題に光を当てるのが仕事です。洋ゲーならジャンルを問わず何でもプレイしますが、ヒゲとマッチョが出てくる作品にくびったけ。Steamでカワイイ絵文字を集めるのにハマっています。趣味は葉巻とウォッカと映画鑑賞。ネコ好き。
ありふれた日常風景から殺人オブジェクトを見つけ出す
世の中にあふれる“変なゲーム(珍ゲー)”を紹介する「週末珍ゲー紀行」。第10回は死神の助手となって運命のいたずらを操る殺人パズルゲーム「Death Coming」を紹介します。ホラー・サスペンス映画「ファイナル・デスティネーション」を観たことがある人ならピンとくるはず。NPCたちには決してあらがえない終点が定められており、プレイヤーのクリック1つでぽっくり逝きます。ピタゴラスイッチのような感覚で、いかに多くの人間を同時に殺せるかが本作における最大の醍醐味です。
プレイヤーは死にました。今日からあなたは死神のパシリです。その目的は、運命により定められた“期限切れ”の人間から魂を集めること。死とは現し世の終点であり、生きとし生けるものへ平等に訪れるもの。しかし、幽世の住人となったプレイヤーが彼らに物理的に干渉することはできません。プレイヤーにできることは、あくまでも偶発的な死亡事故のきっかけを作ることだけ。大切なのは、ありふれた日常の風景から脅威となりうる殺人オブジェクトを見つけ出す観察力です。
バルコニーの端に置かれた植木鉢や、今にも落ちてきそうな高所の看板、プールの頭上に垂れ下がる漏電した電線、広場の樹木に潜む大量のハチなど、NPCを死に至らせるオブジェクトはありとあらゆる場所に存在します。それらを正しい順番やタイミングでクリックすることで、悲劇的な死亡事故を演出できるというわけです。同時により大勢の死人が出るほど高得点が加算され、死神が定めた殺人ノルマを達成すればステージクリアです。
各ステージには、主人公の生前に何らかのつながりを持っていた人物が3人ずつ登場します。こうした重要ターゲットは、特定のオブジェクトに干渉することで事故現場へおびき出してから別のオブジェクトに巻き込むなど、ピタゴラスイッチのようなコンボでしか殺せないことがほとんど。柔軟な発想と巧妙な手口で見事に死へ導くと、ボーナスポイントが入ります。しかし、ほとんどのオブジェクトは一度干渉すると再利用はできないので、使用する順番やタイミングを試行錯誤する必要があります。
特筆すべきは、本作が単なる趣味の悪いカジュアル虐殺ゲームに見えて、やればやるほど頭を使うパズルゲームであることが実感できる点です。最初のうちは物を頭上に落としてつぶしたり、赤信号をいじって人間性が皆無のドライバーにひき殺させたりと、単純な仕掛けの連続ですが、中盤からは時間経過によって状況や天候が変化したり、死神の行動を監視する天使が登場したりと、どんどんパズル性が増していきます。それに伴い大事故を誘発させて“メガキル”した瞬間の達成感もひとしおです。
対応言語は英語と中国語のみですが、価格は698円とお手ごろ。さらに11月14日までは、発売記念のスペシャルプロモーションとして35パーセントの割引中です。頭を使うパズルゲームが好きな人はもちろん、映画「ファイナル・デスティネーション」やピタゴラスイッチを愛してやまないからくりフェチには、脳みそのサプリメントとしておすすめです。もしかしたら明日からもっと日常に潜む脅威に注意深くなれるかもしれません。
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