最終回直前スペシャル! なぜこれらのゲームは取り上げられなかったのか?:ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(2/2 ページ)
読めないプレイ時間
まだ理由はある。続編がなくても、プレイ時間が長いゲームは取り上げづらかった。その最たるものが「ラストハルマゲドン」(ブレイングレイ)。昔わたしがMSX2でハマったゲーム。「モンスターが主人公になる“逆RPG”は、凝ったシナリオの作品が多い」という持論を展開するために取り上げようと考え、ハドソンから出されたPCエンジン版をプレイした。だが何しろレベル上げが大変で、1カ月やっても中盤の“戻らずの塔”にすら進めなかった。
「ダービースタリオン」(アスキー)と「ウイニングポスト」(コーエー)の比較もやりたかった。どちらも一度始めるとプレイ時間がとんでもないことになるので、手を出せなかったのが敗因。……でも学生時代はそれぞれにハマって、とんでもない時間プレイし続けてたんだよなぁ(遠い目)。
コーエーのゲームはどれも長時間楽しめるので、値段は高いがコストパフォーマンスも高い。でもそれだけに当連載では扱いにくいというジレンマ。「三國志」や「太閤立志伝」は取り上げることができたが、「信長の野望」や「維新の嵐」などについても書きたかった。
シミュレーションゲームは総じてプレイ時間が長く、ファミコンウォーズ(任天堂)やファイアーエムブレム(任天堂)も取り上げられなかった。RPGも長いものが多い。リストには、MOTHER(任天堂)、メタルマックス(データイースト)、ウルティマシリーズ(ポニーキャニオン)、星をみるひと(ホット・ビィ)などが入っていたのだが。もっとも「星をみるひと」の場合は、ゲームバランスの悪さと移動速度の遅さが、プレイ時間を無駄に延ばしているわけだけど。
ぬるいゲーマーの宿命
アクションゲームは、取り上げたくてもクリアできなかったので取り上げられなかったものが本当に多い。ニコニコ動画で「思い出は億千万」や「エアーマンが倒せない」が流行していた頃に「ロックマン」(カプコン)を取り上げようと思ってプレイして、1ステージもクリアできずに挫折したのはいい思い出。
また、テレビゲームの歴史を語る上で絶対に外せないし、ゲームブック版の話も書きたかった「ゼビウス」(ナムコ)をプレイして、エリア6あたりを越えられずに挫折。「高橋名人の冒険島」(ハドソン)。1作めが難しいことは知ってたから、ハナから取り上げる気がなかった。でもファミコン最後のソフトとなった「IV」は、どんなゲームか知らない人も多いだろうし、紹介してみようと思った。そこで、ゲームボーイアドバンスの「ハドソンベストコレクションVol.6」に収録された「高橋名人の冒険島IV」をプレイしてみたのだが、最初のエリアすら越えられずにやっぱり挫折した……。
芸能界、特にアイドルについての話を書きたくなって、「ワンダーモモ」(ナムコ)か「誕生 Debut」(NECアベニュー)のどちらかを取り上げようと考えたことがあったが、どちらも序盤で先へ進めなくなって挫折した(こんなのばかり)。ワンダーモモは仕方ないとしても、誕生は育成シミュレーションだから、攻略法はあるんだろうと思うが……。
「スーパーマリオブラザーズ」シリーズは、1作目もクッパにやられてクリアできてないけど、「2」はもちろん、「3」もそんな佳境まで進む前に挫折している。ほかにも、リブルラブル(ナムコ)、悪魔城ドラキュラ(コナミ)、サッカー(任天堂)、ドアドア(エニックス)、ナッツ&ミルク(ハドソン)、アクションゲーム以外では麻雀倶楽部 永田町(ヘクト)にも挫折した。
もっとも、4面ボスのビッグスターブレインを倒せていない「スターソルジャー」(ハドソン)を取り上げたこともある。ゲームそのものの解説というより、このゲームが使われていた映画「GAME KING 高橋名人VS毛利名人 激突!大決戦」の解説になっていたけれど。
個人的に好きだった、冠ソフトや版権もの
あと単純に、芸能人が出てくるゲームや、漫画・アニメ・映画など原作があるゲームは、権利関係の問題で取り上げられなかった。個人的に「ラサール石井のチャイルズクエスト」(ナムコ)が好きだったのだが。このゲームはRPGのシステムを、現代社会に沿った解釈で置き換えることに成功している。特に戦闘は相手を“よいしょ”して味方にしてしまうのが目的であり、システム自体はファンタジー世界のRPGに近くても、設定1つでほのぼのとした平和な世界観を成り立たせている。
アドベンチャーゲームでほのぼのとしていて良かったのが、PCエンジンの「鏡の国のレジェンド」(ビクター音楽産業)。パンダに毒を盛るシーンが唯一雰囲気を壊していた以外は、実に居心地のいい世界観だった。収録曲の「夢冒険」もいい曲だった。……酒井法子さんがあんなことにさえならなければなあ。数少ない、わたしと同い年のアイドルだったのに。
「鈴木爆発」(エニックス)も好きなゲームだった。緒沢凛さん演じる“鈴木さん”の周りの物がなぜか次々と爆弾になってしまい、それらを解体していくというゲーム。それぞれの爆弾に強烈な個性があり、また解体の手順も変化に富んでいた。加藤浩次さんはこのゲームをプレイしたことがきっかけで緒沢凛さんのファンになり、後の2人の結婚につながったらしい。
……水野裕子さんが出てるゲームってないかなあ?(←いろいろツッコミ可)
もう1つ、個人的に好きだったゲームが「ガボール スクリーン」(アンティノスレコード)。“小室哲哉プロデュース”の作品で、小室さんのコンピュータからさまざまな世界に飛び散った音楽トラックを探し出すという設定。ステージをクリアするごとに、篠原涼子さんや仲間由紀恵さん、宇都宮隆さんなどの音楽PVが流れる。
各ステージの仕掛けが浅く、気になった場所を調べていくうちにトラックはすぐ見つかってしまう。だが、作り込みが浅かったことで、わたしはむしろ、ゲーム内に描かれていない陰のストーリーを想像することができて、楽しかった。
そのほか、「たけしの挑戦状」(タイトー)、「さんまの名探偵」(ナムコ)、「マイケル・ジャクソンズ・ムーンウォーカー」(セガ)といった定番どころも。たけしの挑戦状あたりは使えそうな気がしなくもなかったけど、あちこちで語り尽くされているゲームでもあるし。
次回も引き続き、さまざまな理由で取り上げられなかったゲームについて。この連載ならではの理由もあります。そして6年間の連載をちょっと振り返って、「レトロゲームが大好きだ」は終了いたします。
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