ほぼ毎日カレー生活 無類のカレー好きが作った同人誌『カレーのぬりえ』でカレーと向き合う:元司書みさきの同人誌レビューノート
「インドカレーとナンのセット」「あいがけスパイスカレー」など9皿分。
大型連休もそろそろ終盤。どこかにおでかけされたり、いつもと違うことにチャレンジされた方も多いのではないでしょうか。そして、その特別な連休を支えるために、いつもと変りなく……いえ、いつも以上にがんばって日常の業務をこなされた方もきっといらっしゃることでしょう。とにもかくにも、明日からを頑張るために肩の力を抜いて一息つきたい、そんなときにこの同人誌はいかがでしょうか。
今回紹介する同人誌
『カレーのぬりえ』A5 20ページ 表紙カラー・本文モノクロ
著者:咖哩なんぽ(KABO)
メニューはカレーだけ。9皿分のぬりえが楽しめる
こちらの同人誌はぬりえの本です。ぬりえにもさまざまなジャンルがありますが、このご本に載っているのはカレーだけ。「インドカレーとナンのセット」「あいがけスパイスカレー」など、1枚めくってカレー、もう1枚めくってカレー……と9皿分のカレーのぬりえを楽しむことができます。
カレーって何色だっけ? 自分の中のカレー観に挑む
ご本の形は横長で中とじになっているので、ちゃんと開きやすく、塗りやすさが考慮されています。白い紙に黒だけで印刷されたカレーのイラストは、お米のシルエットが丸いか長いかまで分かる繊細さで、モノクロのままでも……と思うようなおしゃれな雰囲気。けれど、せっかくなので手触りのいい、ぬりえにも耐えられそうな頼もしい紙の厚みにも背中を押され、いざ色付け開始、とページと向かい合って、はた、動きが止まりました。カレーって何色でしたっけ……?
例えば「インドカレーとナンのセット」のインドカレーってどんな色なんでしょうか。「玉子のせ黒カレー」は黒いのは分かりますが、どの程度の黒さなんでしょう? 「スリランカカレープレート」に至っては、ごはんらしきものの上に乗っているこれは何かしら、と構成の読み解きから試みました。ああ、自分の中のカレー情報がなんて薄いのでしょう。知っている方ならば、すぐ色えんぴつを持って取り掛かれそうなのに! 9皿のカレーがバリエーションに富んでいるだけに、白黒で提示されるイラストは自分の中のカレー観が問われているかのようです。
参考作品もあり。おいしいを想像してリラックス
ぬりえのもとになっているカレーは作者さんが食べてきたカレーのようです。イラストにはシンプルにタイトルが添えられているだけでほかに文字情報はありません。記載はされていませんが、バラエティー豊かなカレーたちは、きっとどれも食べた日も、場所も違うことでしょう。白い画面を眺めながら、おいしそうなカレーってどんな色なのかな? もしかしてスパイスを入れると色が変わるかな? と味や匂いも想像しているのは、知らない土地の知らないお店で注文した料理が出てくるのを待っているかのような、少しそわそわした、けれどわくわくした気持ちに通じるようでした。
そして実はご本にはQRコードが掲載されており、Webページに行くとぬりえの見本と、付け合わせなどの短い説明文を追加で読むことができます。すごく迷ったら参考に見本を見てみたり、塗り終わったあとで謎だった部分と答え合わせをしてみるもよし。最初から“正解”を横に載せるのではなく、紙の本とインターネットを行ったり来たりしながら楽しめる仕組みになっているのは今の時代を生かした面白い本づくりですね。
良く親しんでいるはずのメニューの多彩さに気付いて、頭の中で組み合わせや味を想像してみる。それはおいしいもののことを考えるリラックスした穏やかな時間を作り出してくれるようなご本です。
今週の余談
カレーってご家庭のやさしい味から、エキゾチックさ、からさへの挑戦……と多種多様ですね。でもどれも元気の出るメニューのように思うんですよ。
みさき紹介文
公共図書館、専門図書館に勤務していた元司書。自身でも同人誌を作り、サークル活動歴は「人生の半分を越えたあたりで数えるのをやめました」と語る。
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