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2007年08月01日 00時00分 更新

くねくねハニィの「最近どうよ?」(その13):

くねくねハニィは見た! 本当のE3 (5/5)

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総括

 純粋に日本人ユーザーとして判断すれば「任天堂」のカンファレンスはすばらしかったと思う。ユーザーの裾野自体を広げて、新たなニーズを発掘していく姿勢には拍手喝采。これに異論はありません。それに、SCEのハードの高機能性をプッシュし続ける一貫性にもある意味感銘を受けるよね。この高い機能を十分に発揮するソフトが多数出てくれば、業界のレベルは一層高いものになるし、ゲームが「アート」としての地位を確立して、対お役所という意味でも、発言力を増すことができるようになるんだろうなぁと。

 でも! くねくねハニィのカンファレンス軍配は前述したとおりマイクロソフトでした。最後に熱弁を奮ってたムーア氏がEAに転職されるってオチも含めて(ウソ)。このカンファレンスの目的はビジネス。すでにゲーム機としてばかりではなく、エンターテインメントマシーンとしての意義を問われるコンソール機において、時代を先取りしていろいろな試みを自社のみならず他社との提携によって着々と現実にしてきているマイクロソフト。企業体としての底力を感じざるを得ないよね。自社で何でもやってしまう任天堂と、自社でやろうとしてなかなか進まないSCEとのハザマで、とてもバランスが取れたビジネス展開をしているのが印象的だったね。

 日本でゲーム市場を見ていると「浦島太郎」になっちゃうぞ〜。っていうか、マイクロソフトさん、お願いですから日本にももうちょっと力を入れてくださいませ。任天堂さんはもうちょっとサードパーティが入る隙を作ってください。SCEさんはもっとコンテンツやインフラに力を注いでください。って、たいそう勝手なことを思いながら帰国するハニィでしたが、ある意味、とてもそれぞれのカラーが鮮明に出ていたイベントでしたよ、ホント。

今後どうなる、E3?

 聞くところによると、E3を仕切っている北米のゲーム業界団体ESA(日本で言うところのCESA)はロサンゼルス市と「年に一度ロサンゼルス市で大きなイベントをやって経済的に盛り上げます」的な契約を継続的にしていたらしいのよ。その約束がいつまで拘束されるものなのか不明なため、E3がいつまで続くか、また、このままの規模でロサンゼルス市は満足しているのか、に関してコメントはできないけど、噂では来年以降はロサンゼルスとは決まっていないらしく、ラスベガス、ニューヨーク、サンフランシスコなども候補地として挙がっているらしいのね。

 でもさ、あんな小さいイベントでロサンゼルス市が経済的に盛り上がったのかは微妙だね。ハニィにとってはGDCのキーノートスピーチ(基調講演)のほうが、今回のプレスカンファレンスよりも大々的だった印象だけどなぁ。いずれにしても、今回とまったく同じ形ってのはなさそうです。E3って言葉が残るかも不明ときた。

 ハードメーカーや大手ソフトメーカーさんたちが大きな発表をする際のイベントは必要だから、来年からの展示会のスケジュールは要チェックだわ。昨年までESAと共同でE3を開催していたIDGが年末(10月)に「E for All」というユーザー向けイベントをするけど、これも実際に見てみないと規模がどのくらいか、どういう風に注目されるかってのもよく分からないし。大体時期が遅すぎるから難しいわね。そういった意味では、北米ではGDCが唯一のものとなるかも。北米以外での展示会では東京ゲームショウに頑張ってもらいたいところなんだけど……。8月にライプチヒで行われるGame Conventionが今のところ有力なのかな〜?

 ってことでハニィも引き続きいろいろなところから情報を取ってこようと思っていますよ。もうE3はなくなったに等しい、ということを実感しなくてはいけないのだね〜、残念だけど。

ハニィのあとがき

 展示されていたソフトの多くはXbox 360バージョンが多かったのは事実。複数の北米の大手ゲームWEBサイトが、独自でE3アワードなるものを発表していて、その解説の中でも述べられていましたが、パブリッシャーの80%はXbox 360で展示をしていたっていう情報もあるの。すでに複数の現地デベロッパーやパブリッシャーから聞いていたものの、マルチプラットフォームで展開するにあたっては、北米ではまずXbox 360で開発してそれをPS3にコンバージョンする、というのがお決まりのコースだってのは確証がもてたね。ということは、北米でマルチプラットフォームタイトルが発売される際には、Xbox 360が先に発売されるという構図なのね〜。日本では現状ありえないことですね。

 しつこいようだけど、今回のE3ではマイクロソフトのパワーをすごく感じたね〜。ハニィが日本の方々にはマイクロソフトの力というものが伝えきれていないことを本当に無力に感じるわ。すでに北米では、Xbox 360を使ってテレビ番組や映画などの映像やゲームをダウンロードするのが普通になってたりするわけで、そのサービスがフルに日本で展開される様子はないわけですわ。また、前述の通りコアユーザー向けのソフトはXbox 360に優先的に供給されつつある構図の中で、日本市場に日本版となってやってくるのには相当の時間を要すし、日本にやってこないっていうこともありうるわけ。

 実感として「次世代機」を感じるのはPS3がいろんなことができるようになってから、では遅いんではないかい? だって、ゲームオリジネーターの日本人が実感のない「次世代機」に対してフルパワーで供給できるわけがないんだもの。マイクロソフトが日本にテコ入れを早急にしてくれるか、またはSCEがPS3のインフラ整備を急速に加速させるか、いずれでも構わないけど、このままだと日本だけ置いていかれてしまう。マイクロソフトがんばれ! SCEももっとがんばれ!

 ちなみに、任天堂さんに関しては、プレスカンファレンスで書いた通り、ほぼ完璧だと思う。ユーザーに対して提供するものありきでソフトもハードも展開していくので、ある意味競合なし。マイクロソフトやSCEと単純に比べるのはすでに意味がないなぁとさえ思うのですわ。業界の人の中には「ゲーム業界と任天堂業界は違う」という人もいるくらい。任天堂の意図するハードの使い方に合わせてソフト開発企画をするのか、それとも今までの規定路線でソフトを供給するのかは本当に悩ましいところではあるよね。任天堂に合わせると「ライバルは任天堂!」になってしまうわけだし、今までのソフトを出したらユーザーにそっぽを向かれるのではないか? って危惧もあるし。業界としては好ましい部分と悩ましい部分が混在するハードだよね。

 しかし、E3は小さかった。そのくせ移動が大変だったのよん。意味があったのか、メイン会場? 結局ホントに見せたいものはパブリッシャーがそれぞれ押さえているホテルの宴会場でクローズドで見せますって方式だったわけで、メイン会場がガラガラな理由が後でわかったわん。E3の後、北米のパブリッシャー数社やメディアの方々に聞き込みをしてみたところ、「お付き合い」で出展したというのは否めないけど、意外に好評だったところもあるのよ。

 まずパブリッシャーのご意見。費用のお話としては、大手さんは十億円以上、通常でも数億円かかったと言われているE3参加費用(ブースや会議スペースなど)がなくなってほっとしていることがあげられたの。また、昨年までは世界中のメディア、デベロッパー、その他関係者とのミーティングが分刻みで行われていたので、ひとつのミーティングの重みがなかった。今回は北米にフォーカスしていたので、ひとつひとつのミーティングが深くて意味のあるものだった。へぇ、なるほど〜。費用が安くて、かつ効率的に使われたってことね〜。

 一方メディアさんは、というと、「会場から会場の行き来が不便」という文句があったものの、混み合っていない試遊台でプレイアブルに簡単に触れられて、さらに余裕のあるスケジュールで製品について質問をしたり、インタビューができるというのはとても有益だったんだって。へぇー。いいこともあったんですね。でも、北米のメディア向けって明確に言ってるから、「ハニィにはあんまり意味がないかもね」って現地の方に言われちゃったよ。いえいえ、ハニィの勤めは海外での状況を日本に伝えることなので、十分に有意義でした!

 E3が縮小されて北米の北米における北米のためのミニExpoになってしまった以上、日本から触れることが難しくなったよね。欧米のゲーム業界の動きをいっぺんに見る機会がなくなっちゃったわけで、それはつまり、海外と日本の違いを肌で感じることができなくなっちゃったってこと。東京ゲームショウではわからない海外の動向をどうやって日本に知らせていくか……。悩ましいところですね。

くねくねハニィのプロフィール

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1967年アメリカサウスダコタ生まれの日本人。

小学生からはゲームセンターに通いまくって育つ。

1990年に都内K大学を卒業後、大手ゲーム会社にて海外ソフト担当となり、2001年に退職。それ以降は自称フリーのゲームアナリストとして暗躍。暗躍しすぎたので名前を変えて表舞台に。くねくねと唐突に現れて「親父ギャグ」をかまして周りの人々のレベルを下げまくる困ったやつ。独特の口調ですが、慣れてください。言ってる中身は至極マジメ。ちなみに「風来のシレン」が好物で、名前もそこから借用。なんだか公認してもらったそうです。

ハニィさん、いろいろ大変だったんですね。次どこ行くんすか? そろそろアジアとかいかがでしょう。


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