東海道新幹線「のぞみ」30周年の記念駅弁、歴代のぞみ車両を思い出しながらいただいてみた:東海道新幹線「祝のぞみ30周年 東海道新幹線弁当」(1000円)
運行30周年を迎えた東海道新幹線・のぞみ。定番の東海道新幹線弁当も「祝のぞみ30周年 東海道新幹線弁当」の装いに! 早速いただいてみました。
【ライター望月の駅弁膝栗毛】
「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。
令和4(2022)年春で、平成4(1992)年から運行を開始した東海道新幹線「のぞみ」が30周年の節目を迎えました。これに合わせて、さまざまな記念グッズが登場しており、定番の東海道新幹線弁当も、「祝のぞみ30周年 東海道新幹線弁当」として、特別版のパッケージが用意されました。さっそく、東海道新幹線の歴代「のぞみ」車両を思い出しながら、いただいてみました。
真っ白な雪をいただいた富士山を横目に、東海道新幹線「のぞみ」号が下っていきます。東京駅から「のぞみ」に乗車しますと、富士山の絶景ポイントまでは45分あまり。駅弁を一折いただいて、ペットボトルの静岡茶でのどを潤していると、ちょうど車窓に、富士山が広がるといったところでしょうか。最高時速285kmで運行されるいまは、ここから名古屋まで50分ほど。新大阪までは1時間半あまりで到着します。
東海道新幹線「のぞみ」は、平成4(1992)年3月のダイヤ改正から運行を開始しました。このとき、第3世代の車両となる300系新幹線電車がデビュー。最高時速はそれまでの220kmから一気に時速270kmにアップ、東京〜新大阪間は2時間30分で結ばれました。それまでの食堂車やカフェテリアに代わり、サービスコーナー(7号車・11号車の売店)が設けられたことでも、高速化が感じられたものです。
平成11(1999)年には、早くも4代目となる700系新幹線電車が登場。300系に比べて、乗り心地が大きくアップしました。合わせて、0系新幹線電車や2階建車両のある100系新幹線電車とも世代交代。そして、平成15(2003)年の品川駅開業に伴うダイヤ改正で、いまに続く「のぞみ」の大増発が行われました。サービスコーナーがなくなって、代わりに自動販売機が設置されていたのも、懐かしい思い出です。
さらに、平成19(2007)年には5代目となるN700系新幹線電車がデビュー。東京〜新大阪間は5分短縮されて2時間25分となり、窓側席に電源用コンセントが設置されて、パソコンの作業やスマートフォンの充電に重宝するようになりました。平成25(2013)年には、N700系をブラッシュアップさせたN700A新幹線電車が登場。いまも東海道新幹線の主力として活躍しています。「のぞみ」と「ひかり」のワゴンによる車内販売も健在ですね。
そんな車内販売でも販売されている、この春いただきたい駅弁といえば、ジェイアール東海パッセンジャーズが製造している「祝のぞみ30周年 東海道新幹線弁当」(1000円)。東京・品川・新横浜・名古屋・京都・新大阪の「のぞみ」停車駅に加え、リニア・鉄道館の「DELICA STATION」で2月24日から販売中です。今回はN700Sの特別パッケージでしたが、全部で4種類のパッケージが楽しめます。
【おしながき】
- 白飯 穴子蒲焼き
- 深川めし あさり、あおさ
- 玉子焼き(30th刻印入り)
- みそカツ
- エビフライソース漬け
- 黒はんぺん
- 煮物(タコ、大根、南瓜、人参、パプリカ、がんもどき、湯葉)
- 山葵入り昆布佃煮
- たくあん漬け
あさりご飯から黒はんぺん、味噌カツ・海老フライ、たこの煮物まで、沿線の味が楽しめる「東海道新幹線弁当」。特別パッケージを開けると、真ん中の玉子焼きに「30th」と刻印されています。また、歴代「のぞみ」車両のエピソードが書かれたオリジナルの記念カードも封入され、こちらも基本は4種類。さらに“レア”バージョン1種類が入ったものもあって、いつもの味と、いまだけのメモリアル感を、一緒に味わえるのも嬉しいですね。
現在、東京〜新大阪間は最速2時間21分。2時間49分かかっていた「ひかり」と比べ、この30年で東京・大阪往復約1時間の現地滞在時間の増加をもたらしました。かつて、「会うのが、いちばん」のキャッチコピーとともに放映された新幹線のCMのように、1分でも長く人と会っていたいという、人間の“のぞみ”を叶えるために行われたさまざまな技術革新。オンラインもいいですが、実際に人と会うことも大切にしたい、のぞみ30周年の春です。
(初出:2022年3月30日)
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/
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