第16回:ゲームは見た目がすべて!? ひと目でプレイヤーを虜にするデモ画面の工夫なぜ、人はゲームにハマルのか?(1/6 ページ)

「なぜ、人はゲームにハマルのか?」をまじめに考察する不定期企画の16回目は、演出面に注目。いわゆるコーヒーブレーク、最近見なくなりました?

» 2012年02月10日 17時45分 公開
[鴫原盛之,ITmedia]

 人はなぜゲームにハマルるのかを、プレイ動画や画面写真を見ながら楽しくかつまじめに考える当コラム。今回は、これまでとはちょっと視点を変えてプレイヤーが誰も遊んでいない状態のときの演出、いわゆるデモ画面をテーマにしてお送りしたいと思います。

 デモ画面あるいはトレーラー映像は、ユーザーが今まで見たことのないゲームの内容を知るためには欠かすことができない存在です。例えばゲームセンターでは、我々ユーザーはまずデモ画面をざっと見てから「遊び方も何となく分かったし、これは面白そうだ!」などと関心あるいは確信を持ってから初めてプレイしよう(お金を払おう)とアクションを起こすことにつながります。

 と、ここでひとつの疑問がわいてきます。今までまったく遊んだことのないゲームに対して、なぜ私たちは店員や周りにいる人にも相談せずにデモ画面を見ただけで興味がわき、ついつい財布のヒモを緩めてしまったのでしょうか? そのカラクリを調べてみると、やはりそこには面白いヒミツが隠されているのです。

「なぜ、人はゲームにハマルのか?」バックナンバー


アーケードゲームはデモ画面の出来栄えが命!

 冒頭でも触れましたが、アーケードゲームはお客さんに筐体や画面をひと目見ただけで、「絵がとてもカッコイイ!」「面白そう!」などと興味を引くことができるかどうかが生命線と言っても過言ではありません。もし仮に、誰もプレイしていないときは画面内にタイトルロゴだけが表示されるゲームがあったとしたらどうでしょうか? 答えは言わずもがな、その画面を見たお客さんに対していったいどんなゲーム内容なのかがまるで伝わらず、すぐにお金を払って遊ぼうという気にはならないですよね。

 家庭用ゲームにおいても、お店の棚に並んだパッケージやポスターを見ただけではその内容がなかなかピンとこないもの。そこで、店頭に売り物とは別にデモ用の実機やトレーラー映像を流すモニターを設置することによって、ユーザーはゲームの特徴を明確に理解できるようになります。つまり、ゲームの本編とは別にわざわざデモ画面を用意するのは、新規のユーザーに対してその内容を宣伝する役目があるからというのが大きな理由のひとつなのです。

 では、ここからは実際に過去のヒット作がどんなデモ画面を用意してユーザーに自らの存在をアピールしていたのかを見ていくことにしましょう。

 まずは過去の当コラムでも何度も取り上げている、1978年にタイトーが発売して空前の大ヒットとなったシューティングゲームの「スペースインベーダー」から。本作では敵のインベーダー各種の紹介および倒したときの得点リストと、実際のステージで戦っているところの2種類のデモを交互に流すことで、画面を見た人に対してゲームの遊び方を教えてくれるようになっています。

画像画像 「スペースインベーダー」は実際のプレイ中の様子とは別に得点リストも表示するようになっていました
※プレイステーション2版「タイトーメモリーズ上巻」を使用
(C)TAITO CORP. 1979-2005

 このような仕組みは、インベ―ダーブームとほぼ同時期に登場した他のメーカーの作品でも見ることができます。

 以下の動画は、1979年にナムコ(現:バンダイナムコゲームス)が発売した当時のヒット作「ギャラクシアン」のデモ画面ですが、本作でもやはり敵の種類ごとに得点リストが表示されることが分かります。ただ目の前にいる敵を撃つだけでなく、その種類によって得点が変わるという本作ならではの個性をアピールしているというわけですね。

※プレイステーション版「ナムコミュージアムVOL.3」を使用
(C)1996 NAMCO LTD., ALL RIGHTS RESERVED

 さらに「ギャラクシアン」のデモ画面をよく見ると、一番上に表示される黄色い敵(ギャルボスといいます)の「CHARGER」(※)と書かれた側の得点が、点滅するごとに4種類の数字がローテーションで出てくるようになっていることに気がつきます。なぜ同じ敵なのに複数のスコアが存在するかというと、倒したときのシチュエーションによって加算される得点が変化するから。しかしこの表示だけでは、初めて見た人にとってはいったいどんな法則で得点が変わるのかが正直ピンときません。

※「CHARGER」:敵が画面上の集団を離れ、降下して攻撃中の状態を指します。なお、「CONVOY」は敵が待機中の得点です。
       1|2|3|4|5|6 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/18/news202.jpg 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの行動”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」【大谷翔平激動の2024年 「家族愛」にも集まった注目】
  2. /nl/articles/2412/20/news023.jpg 60代女性「15年通った美容師に文句を言われ……」 悩める依頼者をプロが大変身させた結末に驚きと称賛「めっちゃ若返って見える!」
  3. /nl/articles/2403/21/news088.jpg 「庶民的すぎる」「明日買おう」 大谷翔平の妻・真美子さんが客席で食べていた? 「のど飴」が話題に
  4. /nl/articles/2412/21/news038.jpg 皇后さま、「菊のティアラ」に注目集まる 天皇陛下のネクタイと合わせたコーデも……【宮内庁インスタ振り返り】
  5. /nl/articles/2412/21/news056.jpg 真っ黒な“極太毛糸”をダイナミックに編み続けたら…… 予想外の完成品に驚きの声【スコットランド】
  6. /nl/articles/2412/21/news088.jpg 71歳母「若いころは沢山の男性の誘いを断った」 信じられない娘だったけど…… 当時の姿に仰天「マジで美しい」【フィリピン】
  7. /nl/articles/2412/20/news096.jpg 新1000円札を300枚両替→よく見たら…… 激レアな“不良品”に驚がく 「初めて見た」「こんなのあるんだ」
  8. /nl/articles/2412/18/news015.jpg 家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
  9. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  10. /nl/articles/2412/17/news195.jpg 「ほぼ全員、父親が大物芸能人」 奇跡的な“若手俳優の集合写真”が「すごいメンツ」と再び話題 「今や全員主役級」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」