■岩田氏「馬力の時代は終わった。DSは真のニューハード」
■2004年5月12日:AM10:00更新
E3に先立って開催されたメディアブリーフィングで,任天堂代表取締役社長の岩田聡氏は「馬力の時代は終わった」として,性能の向上のみを主体とした新ハード設計が限界に達していることを改めて示唆した。
任天堂はかねてよりCPUやグラフィックなどの性能向上のみを目的としたスペック競争を否定してきたが,今回のNintendo DSの発表は,それらに対するひとつの「解答」といえる。岩田氏は,「優れたテクノロジーは素晴らしいものだが,テクノロジーだけでは十分ではない」として,新ハードに求められているのはテクノロジー的な数値の向上だけではなく,新しいアイデアや遊びが盛り込まれているべきだとの見解を示した。
「“ニューハード”の定義そのものを変えていかなければならない」という発言からは,たんに性能が上がっただけではもはや“ニューハード”とは呼べないという強い意思が伝わってきた。
今回発表されたNintendo DSは,こうした意味で真の「ニューハード」と呼ぶことができるだろう。近年の3Dゲームは,画像やグラフィックこそリアルで美麗になったが,一方で立体化されたゲームフィールドの把握が困難になり,複数のボタンを同時に操るといった操作系の複雑化が進んできた。Nintendo DSは,2つめのスクリーンに平面地図などのサポート情報を表示することで,立体的なフィールドでの位置関係の把握を補助したり,タッチスクリーンと音声認識で簡単な操作&命令を実現できる。
複数のボタンを同時に操作する現在のゲームは,手軽に遊ぶには複雑になりすぎていると言われて久しいが,2つのスクリーンで感覚的に情報をキャッチし,画面に触れたり,声で命令するなどして操作できるNintendo DSのプレイ感は高度に複雑化したゲームから離れてしまったユーザ層を取り戻すひとつの契機になるかもしれない。
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