■「GT4」E3版詳報:クルマ撮影追求できるフォトモード
■2004年5月14日更新
昨年のE3では,オンラインへの対応,GT Force Proの発表などで大きな注目を集めたリアルドライビングシミュレーター「GT4」。今年の会場ではポスト「GT」の座を巡って各メーカーからドライブものの大作がいくつか発表されているが,やはり「GT4」の存在感はほかと一線を画し,大きな進化をとげていた。
実際にプレイした印象としては,「GT4 "プロローグ版"」よりもさらに自然なドライブフィールとなっているだけでなく,画面上に横G表示などが加わりインフォメーション,UIまわりも一新。
コースもニュルブルクリンク北コース,香港コース,イタリア・カプリ島のマルフィ・サーキットが3コースが新たに公開されたほか,1886〜2004年代の時代レンジによる時代ごとの収録車種も大幅に増大。E3版では250台が収録されているとのことだが,製品版では収録車種500台以上,50近いサーキットが用意されるのは既報の通り。
またE3初日に行われたプレスカンファレンスでは,プロデューサー山内氏自ら新しいゲームモードとなる“フォトモード”のプレゼンを開いた(会場でもフォトモードは公開中)。
このモードはGTシリーズが本来持っている「クルマを見る楽しみ」に特化したモードで,撮影専用の16ステージ(渋谷,京都の嵯峨野,イタリアのサンマルコなど)でカメラ位置・クルマの位置を自由に配置した後にプロカメラマンと同じような高度な写真表現(ブラー効果をはじめ,焦点距離や被写界深度,レンズ・フィルム・フィルタ選択なども設定できる)を使って撮影するモード。
撮影した写真はメガピクセルの高精細CGデータとして保存・USBプリンタで出力できるほか(L版出力でプリントされていたが,見た目は本当に写真そのもののクオリティ!),撮影データだけ(数KBで済むという)をオンライン上にマイフォトを流通させてクルマ好き同士が楽しめるコミュニティを築き上げることができるという。
2004年秋に発売される「GT4」の制作も順調も進んでおり,「GT4 "プロローグ版"」よりさらに精度の高い自動車物理シミュレーション・エンジンを導入。
これにより,ニュルブルクリンクサーキット(上写真)このコースは路面精度誤差15ミリ以下までこだわって再現したという!)では,GT-Rを開発した日産のトップガンテストドライバーが運転したところ「実車とのラップタイムの誤差が1%以下に収まる」精度までクオリティが上がっている。
また,横Gによって姿勢が変わるドライバー,ギャラリーのフルポリゴン化をはじめ人間表現も格段にアップしており,「クルマ・ヒト・自然」というそれぞれのアプローチからリアルさを追求する「GT4」は見ただけで「"プロローグ版"」から数段進歩していることも感じられた。
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なおプレスカンファレンス場で山内氏のコメントをいただけることができたので特別掲載!!
――“フォトモード”の構想はいつから,また搭載される機能はどのように決めていったのでしょうか。
山内:構想自体は3年前,「GT3」がマスターアップする前にありました。もともと「GT」のデータはオーバースペックで作られているので,レンダリングすればハイレゾ画面を出力できるんです。撮影については僕自身がもともと写真好きなので,わりと何を作るかは明快に決められていきました。
――今回発表されたE3版「GT4」の見どころを教えていただけますか?
山内:クルマの動き自体は「"プロローグ版"」以降も研究を続けていますので,E3版ではさらに挙動は進化しています。精度を高めるほど「クルマというのはもっと乗りやすいもの」という発見があり,今回もスキール音や風切り音,ロードノイズなども一新し,より多くの情報をユーザーに与えられることができるようになりました。
――新コース・ニュルブルクリンク走行時のポイントは?
山内:ニュルブルクリンクは「GT1」のころから再現したかった憧れのサーキットだったのですが,高度なメモリ圧縮などの技術によって今回ついにPS2で実現できたんです。
今もお気に入りでニュルブルクリンクを毎日走り込んでいるのですが,このコースは路面の変化が見た目よりも本当に激しい上,コーナーの曲率もどんどん変化し通常のサーキットでは考えられないシチュエーションの連続です。ただそうしたコースだからこそ,気持ち良く走れるようになれればクルマとの一体感も実感できるし,運転していて本当に気持ちいいんです。ニュルを走り込むと普通のサーキットがひどくつまらなく感じるかも知れません。
正直,レースゲームが新しい時代に入ったなという感じていただけるはずなので,こちらのコースはなるべく早く皆さんにも楽しんでいただけるような機会を設けたいと考えています。
――今年のE3会場の雰囲気はどのように感じましたか?
山内:E3は世界中のメディアの方と出会う機会がある場なのですが,皆「気長に待っているのでとにかくいいモノを出して欲しい」と言う雰囲気があるのはうれしいですね。すごく暖かい目で見ていただけるなと感じました。PSP版の反響も大きいのですが,こちらはまだ詳しくは言えないんです(笑)。
――最後に日本のユーザーの方に向けてメッセージを。
山内:まだ「GT4」の全貌の半分くらいしか発表していませんから,今年の動向はぜひ楽しみにしていただきたいと思います。ニュルブルクリンクが入ったことである意味究極のシミュレーターになったと思っていますので,東京ゲームショーもご期待ください。
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