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» 2019年09月26日 18時00分 公開

平成の特異点「ハートキャッチプリキュア!」 “キュアマリン”が今も愛され続けている理由サラリーマン、プリキュアを語る(1/2 ページ)

NHK全プリキュア大投票は「熱量」が可視化されたすてきなイベントでした!

[kasumiねとらぼ]

 2019年9月14日。NHK BSプレミアムで「全プリキュア大投票」が放送されました。公共放送であるNHKにおいて、プリキュアに関する番組が3時間30分にわたり放送される、という前代未聞の出来事はプリキュアファンに衝撃を与えました。

 作品部門は1位「ふたりはプリキュア」、2位「ハートキャッチプリキュア!」、3位「Yes!プリキュア5GoGo!」、プリキュア部門は1位「キュアブラック」、2位「キュアホワイト」、3位「キュアマリン」という結果となりました。

 注目すべきはプリキュア部門3位に入った「キュアマリン」です。キュアブラック、キュアホワイトのワンツーフィニッシュは歴史的に見て当然として、3位に入ったのが、子ども人気の高いピンクプリキュアでもなく、亡国の姫のようなストーリーを背負ったプリキュアでもなく、いわば「普通の少女」が変身するキュアマリンだったのです。

 なぜ、「ハートキャッチプリキュア!」の放送から9年たった2019年においてもキュアマリンは人々に愛され続けているのか? 彼女の魅力は何なのか? そして彼女の存在が後のプリキュアに与えた影響について記していきたいと思います。

プリキュア ハートキャッチプリキュア! キュアマリン 全プリキュア大投票 NHK キュアマリン(右、画像はAmazon.co.jpから)

kasumi プロフィール

プリキュア好きの会社員。2児の父。視聴率などさまざまなデータからプリキュアを考察する「プリキュアの数字ブログ」を執筆中。2016年4月1日に公開した記事「娘が、プリキュアに追いついた日」は、プリキュアを通じた父娘のやりとりが多くの人の感動を呼び、多数のネットメディアに取り上げられた。



キュアマリンの特異性

 キュアマリン(来海えりか)は2010年に放送された「ハートキャッチプリキュア!」のいわゆる「青キュア」です。明るく天真らんまんな中学2年生、「ファッション部」の部長で姉は現役の人気モデル、母親はファッションショップのオーナー、父親はカメラマンというファッション一家の女の子です。人気モデルのお姉ちゃんに少しコンプレックスを抱えていますが、裏表なく、常にポジティブで周りを明るくするタイプのキャラクターです。

 しかし、「明るく元気なプリキュア」は他にもたくさんいます。なぜキュアマリンが3位という栄冠に輝いたのでしょうか?


ギャップが魅力

 キュアマリンは「青キュア」です。プリキュアが「戦隊シリーズ」のように「カラー」でも語られるようになったのは2007年「Yes!プリキュア5」からなのですが、キュアマリン登場までの3年間、「青色プリキュア」は、「Yes!プリキュア5」のキュアアクア、「フレッシュプリキュア!」のキュアベリーといったクールビューティー系が主でした。

 だからプリキュアファンは放送開始前のキュアマリンのビジュアルを初めて見たときに、「この青いロングヘアの娘は、きっとおしとやかなお嬢様で敬語とか使っちゃうキャラなのだろうな。名前がエリカだし」。なんて思っていたものです。

 しかし「ハートキャッチプリキュア!」放送以後、その「青キュアの思い込み」は吹っ飛ぶこととなります。「青髪ロングヘア」の珍獣、それがキュアマリンであり、それこそが彼女の最大の魅力だったのです。

プリキュア ハートキャッチプリキュア! キュアマリン 全プリキュア大投票 NHK キュアマリン以前の「青キュア」はクールビューティー系でした(画像はAmazon.co.jpから)

とにかく規格外

 今回放送された番組「発表!全プリキュア大投票!」内でもたくさんの「キュアマリンの魅力」が語られました。ゲストの語るそのエピソード群は、どれも「プリキュアらしからぬ」、そして「キュアマリンらしい」エピソードでした。そう、彼女の最大の魅力はその「規格外の行動」です。

  • 敵と戦うためではなく、浄化の力で部屋を掃除するためにプリキュアに変身する。
  • 宿題をやりたくないという理由で、学校を破壊しようとする敵キャラに同意しようとする。
  • 映画「NewStage2」の全員集合ではみんなが横を向く中、1人だけこっちを向いている。

 ……これらは、番組中でも触れられた彼女の代表的な「規格外」エピソードです。

プリキュア ハートキャッチプリキュア! キュアマリン 全プリキュア大投票 NHK 左から3番目、キュマリンだけこっちを向いています(画像は映画プリキュアオールスターズNewStage2 公式サイトから)

 部屋を掃除するために変身したときはプリキュアファン全員の頭が「???」となったものです。

 その他にも、

  • 夏休みはダラダラと過ごし、連日夜更かしで昼に起きて朝食がアイスクリーム。
  • ラスボスを倒した後は「私たちはすごいことをしてしまった。世界が輝いているのも私たちのおかげ。たった14歳の美少女が地球を守ってしまった〜!」とドヤ顔で自慢する。(49話)
  • 映画オールスターズDX3で青キュア全員がきれいに着地する中、1人だけ海に落ちる。

 ……などなどエピソードには事欠きません。

 キュアマリンのエピソード群は(良い意味で)、「え? プリキュアってこんな風でも良いの?」と思わせるものが多く、その親近感からキュアマリンは大人気を博したのです(それでいて結構性格は真面目で、周りが見えなくなるときもあるけど、指摘されたら素直に謝れるところも良いのです)。

 いわゆる「物語的に良い子」の多かったプリキュアシリーズにおいて、メタ的に「プリキュアは真面目な良い子じゃなくても良い」ことを初めて提示したのです。それはファンにものすごいインパクトを与えました。

プリキュア ハートキャッチプリキュア! キュアマリン 全プリキュア大投票 NHK 来海えりか(中央)とファッション部のみんな(画像はAmazon.co.jpから)

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