■スクウェア・エニックスBUSINESS COFARENCE
■2004年9月24日更新
9月24日,東京ゲームショウの会場横にある幕張プリンスホテルで,流通向けのスクウェア・エニックス ビジネスカンファレンスが開催された。その模様をレポートする。
まず,代表取締役社長の和田洋一氏が,「ゲーム市場は実は元気である」と語り始めた。和田氏いわく,「海外がここ10年で3倍の成長を果たしているので,それに対し日本はそこまでいっていないが,これからのびる余地はある。」とのこと。
また,「北米のユーザーも加わり,先日「プロマシアの呪縛」を発売したFFXIの現在の同時アクセス数は,17万人に登っている。国内と海外ではアクセスのピーク時間が違うにもかかわらず,これだけの数を維持できている。」とアピールしていた。
さらに「30代の人に最近ゲームを遊ばなくなったと言われることがあるが,そもそも一昔前なら30〜40代のマーケットはなかった」と指摘する。携帯もふくめ,2003年には3440万人のゲームユーザーがいるという,CESA白書のデータをもとに,まだまだ,これからであると主張していた。
続いて,2004年度下半期の各ラインナップの紹介が行われた。目立った新発表はなかったが,それぞれをかいつまんで紹介していこう。
最初に登壇したのは執行役員の橋本真司,全世界で400万本が発売された「キングダムハーツ」の続編,「キングダムハーツ チェインオブメモリーズ」と「キングダムハーツII」を紹介した。
おなじみ宇多田ひかるの「光」をBGMに,プレイ中のゲーム画面とGBAで再生されたムービーシーンが流された。そのムービーのラストでは「KHII」へとつながることを暗示するように,リクと王様(フードをおろし人目でミッキーマウスとわかる)が赤いマスクの謎の男と対面するシーンもあった。
続く「KHII」の映像では,戦闘中に一瞬でブレイブフォームに変身するソラの姿や,ハデスの攻撃からソラを守るアーロンの姿なども見ることができた。
KHIIの発売日などはまだ未定だが,KHCOMは11月11日の発売が決定しており,GBASPとの同梱版も発売されるとのこと。またトミーからカードゲームが発売される。
さて,続いて紹介されたのは,今話題の渦中ともいえる,年末の台風,「ドラゴンクエストVIII」だ。ここでは堀井雄二氏自が登場し,「発売日をお知らせできてとにかくうれしい。VIIで5年かかったから,VIIIは10年かかるんじゃないかなんて言われましたけど,何とか4年で出すことができました。VIIIはどこまでも歩いていける広大な世界があります。旅に出て次の町を目指すけれど,日はどんどん暮れていく。やがて日が暮れてしまうのだけれど,遠くに町の灯りが見える。でも,モンスターも夜になるとちょっぴり強くなる」と語り,そんな生きた冒険ができることを教えてくれた。
そして,「開発も最終調整段階に入っているので,早くみんなにプレイしてほしい」と締めくくった。
続いて,堀井雄二氏がらみのもう一本。「ドラゴンクエスト&ファイナルファンタジーinいただきストリート」も紹介された。流されたムービーの最後にはFFのギルガメッシュらしきキャラクターの姿もあった。こちらも堀井雄二氏が「「いたスト」は,何度やってもおもしろいゲームで,一部のマニアにとても指示されている。今回ドラクエとFFのキャラクターが30人くらい登場するので,1人から家族まで遊んでもらえればと思う。
ドラクエ8の開発ももうすぐ終わるので,次はこれの調整を始めます」と語った。
ここで,ちょっと毛色の違う映像が流れ出した。ドキュメンタリー番組のような映像で,スクエニの新作をスクープするというもの。映像の中でT田氏という謎の人物からのリーク情報からはじまり,直接この人物と接触し,情報を得ていくといった内容だ。
もちろん,T田氏とは第7開発事業部の時田貴司氏だ。自らパロディ映像に登場し,新しい半熟英雄を紹介するあたり,実に時田氏らしい。「ばればれですいません。」と,登壇しゲームの紹介を始めた。スクウェア・エニックスのNintendoDSソフト第1弾となる「エッグモンスターHERO」は,DSのタッチパネルを使って「タッチ&スクラッチ」をキーワードに,実際に画面のエッグモンスターの体の部位をさわり,技を繰り出す。そして,従来のボタン連打の代わりに,画面をこするのだ。
半熟英雄4の紹介では,クオリティよりバラエティということで,映像的なきれいさよりも,ゲーム的ななんでもありというおもしろさを楽しんでくださいとのこと。シミュレーションRPGと思われがちなので,バラエティRPGとして,敷居の低さもアピールしたい。
それぞれは,エッグモンスターHEROは寒いうちに,半熟英雄4は完全に暖かくなる前に発売します」と語っていた。
続いて登場するのは,「ヴァルキリープロファイル」「スターオーション」でおなじみのトライエースの新作「ラジアータストーリー」だ。こちらは第10開発事業部の山岸功典氏が紹介してくれた。トライエースが初めて作るファンタジー世界。その世界で300人以上のキャラクターが登場し,そのそれぞれが自分の時間を持って行動している。さらに,そのうちの150人以上が仲間になってくれたりするので,彼らの行動にあわせて自らも行動し,仲間になってもらったりできる。
ちょうどオンラインゲームのようなもの」と表現していた。「会場にはTGSオリジナルのプレイアブルROMを持ってきたので,是非それを遊んでください」と締めくくる。
さらに,意外な組み合わせで話題となった海外MMORPGの雄「EVERQUEST」の新作「EVERQUESTII」もハイクオリティCGによるムービーが紹介された(おそらくオープニングムービーと思われる)。
こちらはSony Online EntertainmentのJohn Smedley氏が,「スクウェア・エニックスというこれ以上ないパートナーと組んで,EQ2を日本のみなさんに送り出すことができて大変うれしく思う」とスピーチ。
続いて,第10開発事業部のサンディ氏より,年内のベータテストの開始と2005年早々の発売が語られた。また,リネージュIIでもあったように,各PCメーカーよりEQIIに完全対応したモデルが発売されるのだという。
さて,この18日から突然TVCMが始まったことで驚かせてくれた「ロマサガ」の最新作,「ロマンシング サガ ミンストレルソング」も映像とともに紹介された。映像の中では,歌(あとで山崎まさよし氏の歌と発覚)をバックに,CMでも映っていた吟遊詩人の映像を挟みつつ,まったく新しいデザインとなったおなじみのキャラクターたちがの様子を見ることができた。
ロマサガで登場した8人(と思われる)のキャラクターたちは全員確認できた。ジャミルとバーバラは特に大きく変わった印象がある。さて,こちらは,プロデューサーでもありディレクターでもある河津秋敏氏自らが紹介。
「最初のSa・Gaから12年たちました。SFCからPS2になるにあたって,当たり前ですが完全に作り直しています。小林知美さんや伊藤賢治さんには今回もご協力いただいている。斬新なシステムを売りにしているシリーズだが,前作ではさすがにやりすぎたと反省したうえで,シリーズの集大成として,連携や閃きといったこれまでのシステムに加え,新たなシステムも盛り込み,より多くの人に遊んでもらえるようにしたい」と,新作への意気込みを語っていた。
さて,いよいよ最後となるのが「コンピレーション オブ FFVII」だ。こちらも,BC,AC,DCの映像が紹介された。特にBCは,ゲーム内のキャラクターイラストのテイストそのままのアニメーションムービーが流された。
BCはカンファレンスのあった当日から正式サービスが始まったが,ベータテスト同様の大混雑なので,課金開始を一カ月延期して,その間にサービスの快適化をはかることにしたという。また今後毎月新しいシナリオを配信したり,パワーアップしたマテリア援護ができるようにするという。
FFVIIACは,ヴェネチア映画祭で上映されたものをさらに4分ほどに編集した映像が流された。新しい映像シーンということでは,バレットが右腕に仕込んだ武器をバハムートに撃ち込むシーン(義手のような腕が変形しマシンガンのようになっていた)があり,やはり右腕の武器が健在であることが確認できた。こちらはまだまだ鋭意開発中とのこと。
そして,ひとまず「コンピレーション オブ FFVII」のラインナップのトリを努める「ダージュ オブ ケロベロス」の映像では,ヴィンセントが銃を撃ったり,スナイパースコープ越しに敵を見るシーン,雑誌では後ろ姿のみだったケット・シーがこちらを向いて手を振っているシーンなどを見ることができた。
そして,今回,一通りの紹介の終わったあと,ヴェネチア映画祭で上映されたFFVIIACがそのまま上映された。詳しくはネタバレになるので割愛するが,現状に苦悩しながらも,仲間とともにやがて苦難に立ち向かっていくクラウドの姿が描かれていた。そして,最後にはやはり衝撃のあの人物が!
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