プリキュアはいま、何人いるのか “プリキュア人数問題”の歴史をひもとく:サラリーマン、プリキュアを語る(2/3 ページ)
プリキュア人数の歴史
2004年、初代「ふたりはプリキュア」がスタートします。全てはキュアブラックとキュアホワイト、この2人から始まりました。
翌年、続編の「ふたりはプリキュアMaxHeart」が開始します。「ふたりはプリキュア」というタイトルは残しつつ新しいキャラを出すため「3人目の新たな仲間」という名目でキュア○○と名前を冠しない「シャイニールミナス」が登場します。当時「シャイニールミナスはプリキュアではない」旨の文などもあり「プリキュア人数論」の最初の口火を切ります。しかし後年、「プリキュアオールスターズ」に組み込まれることによりシャイニールミナスはプリキュアと確定しています。
2006年には、キャラを一新した「ふたりはプリキュアSplash☆Star」がスタートします。この作品では敵キャラ「霧生満、霧生薫」が論争の焦点となります。この2人は中盤以降、物語を盛り上げ終盤には妖精の力により変身、プリキュアと共闘したことにより「満、薫もプリキュア問題」が発生します。スプラッシュスターは惜しくも2期が作られなかった経緯から満と薫に思い入れが強い人ファンも多く、15年以上たった今でも解が出ない「プリキュア人数界の最大の難問の一つ」となっています。
2007年「ふたりは〜」の呪縛から離れ5人ものプリキュアが登場する「Yes!プリキュア5」がスタート。一気に5人の正規プリキュアが増えるとともに、この年公開された「映画Yes!プリキュア5鏡の国のミラクル大冒険」においては、初の敵プリキュア「ダークプリキュア5」の5人が登場します。ダークドリームの悲哀の物語は多くの感動を生み「彼女たちもプリキュア」という声が起こるのです。
さらに2008年スタートの「Yes!プリキュア5GoGo!」では、シャイニールミナスと同様に「キュア○○」と呼称されない「ミルキィローズ」が加入します。
プリキュア開始からわずか5年で既に「プリキュアは何人いるのか」はファンを悩ませる大きな問題となっていたのです。
現在のプリキュアフォーマットである「開始時に2〜5人のプリキュア」+「初夏に追加プリキュア」の構図となった「フレッシュプリキュア!」(2009年)での想像上キャラ「キュアタルト」を経て、2010年「ハートキャッチプリキュア!」では敵サイドに「ダークプリキュア」が登場しプリキュアVSプリキュアが描かれます。
終盤には主人公の祖母が変身する「キュアフラワー」、番外で番ケンジ君の「キュアファイヤー」、さらには映画では「キュアアンジェ」含む過去のプリキュアが多数確認され、プリキュアの人数は混迷を極めていくのです。
プリキュア人数界を揺るがす大事件
そして2012年。「映画プリキュアオールスターズNewStageみらいのともだち」の公開に伴いプリキュア人数界を揺るがす大きな出来事が起こります。
この作品では映画限定の主人公「キュアエコー」が登場します。当時の公式サイトでは「29人目の全く新しいプリキュア」と扱われました。
しかしキュアエコーは以降オールスターズ映画に数回出演しますが、映画によってプリキュアとしてカウントされなかったり、映画本編には出るけどエンディングダンスには参加しなかったりと、存在に「ゆらぎ」が生じ「確かに存在しているが、いざ観測しようとすると存在が見えなくなる」という、いわば量子力学的な存在となります(2016年「映画プリキュアオールスターズみんなで歌う奇跡の魔法!」での大活躍にファンは歓喜したものです)。
この公式サイドですらカウントが曖昧なキュアエコー問題もプリキュア人数界を悩ます大きな難題となっています。
そしてもう1つ、この映画では重大な事実が提示されます。
キュアミューズが終盤「女の子はダレだってプリキュアになれるのよ」と発言するのです。
これによりプリキュアの人数が一気にインフレし、地球上35億人の女性がプリキュアとなれることが判明したのです。
(正確には「友達を守りたい。そんな優しい心があれば、女の子は誰だってプリキュアになれるのよ」なので、優しい心がなければプリキュアにはなれないし、なれる候補が35億人というだけで実際になっているわけではないのですが、その議論はまた別の機会に)
さらにこの年「スマイルプリキュア!」で「バッドエンドプリキュア」5人や、FUJIWARA原西「キュアゴリラ」も登場し、プリキュアの人数はもはやカウント不可能なレベルになっていました。ちなみにキュアゴリラはNHK全プリキュア大投票のキャラクター部門で3位に入るほどの人気なのですよ。
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