連載
» 2021年07月22日 18時00分 公開

プリキュアが歌い出した日 Perfumeの振付師MIKIKO先生が手掛けた「ドキドキ!プリキュアEDダンス」の衝撃サラリーマン、プリキュアを語る(2/4 ページ)

[kasumi,ねとらぼ]

プリキュアエンディングダンスの歴史

 プリキュアエンディングダンスは、今やプリキュアの代名詞ともいえる存在となりました。少しその歴史を見てみます。

 プリキュアのエンディングダンスが3DCGとなったのは2009年「フレッシュプリキュア!」から。当時はまだCGで動かすのは「ロボットなど無機質なもの」が主流で「女の子をかわいくCGで動かす」のは難しいといわれていた時代です(プリキュアのエンディングダンスもそれまでは「手描き」でした)。

 そんな中「フレッシュプリキュア!」のエンディングは世界に衝撃を与えました。3DCGのプリキュアがテレビの中でまさに「踊り出した」のです。

プリキュア アニメ ニチアサ トロプリ トロピカル〜ジュ!プリキュア MIKIKO ダンス プリキュア3DCGダンスエンディングは「フレッシュプリキュア!」から始まった(画像はAmazon.co.jpから)

 そのセルルックCG表現の完成度とかわいさ、ダンスのキュートさは子どもだけでなく大人さらには3DCG業界にも大きな影響を与えます。

 なんと前期EDの「You make me happy!」はモデリング開始から納品まで1カ月半というタイトな製作期間だったそうです。(出典:『プリキュア10周年公式アニバーサリーブック』東映アニメーション)。髪などの「揺れ物」も手作業で付けられていたとのことです。

 初期のプリキュアエンディングダンスは、前田健さんが振り付けを担当されました。モンキーダンスを取り入れるなど「子どもにも踊りやすいキャッチーな動き」を意識していた、と言います。

 このプリキュアエンディングダンスはキャラクターショーなどでも定番となり、子どもたちとプリキュアを近づける大きな発明にもなったのです。イベントではニッコニコで踊る子どもたちの姿が見られました。

 前田さんは「フレッシュプリキュア!」「ハートキャッチプリキュア!」「スイートプリキュア♪」「スマイルプリキュア!」の4シリーズ8作品の振り付けを手掛け「プリキュアエンディングダンスといえば、前田健」を定着させます。

プリキュア アニメ ニチアサ トロプリ トロピカル〜ジュ!プリキュア MIKIKO ダンス 前田健さんの代表作の1つスマイルプリキュア!「イェイ!イェイ!イェイ!」(画像はAmazon.co.jpから)

 その「プリキュアエンディングダンス」に新しい風を吹き込んだのがMIKIKO先生です。MIKIKO先生の「曲の世界観を可視化する振り付け」が、急速に進化するCG表現と融合します。「指先の表現」や「歌う表情」までもがCGで表現され一気にリッチな絵作りとなり、より精度の高いダンスが表現されました。

 2010年代後半になると、プリキュアに加え「アイカツ!」や「プリパラ」といった女児向けアニメ、「ラブライブ!」などのアイドルアニメ、アイドルマスターといったゲームなどでも3DCG技術の競い合いが起こります。加速度的に「かわいい女の子が躍るCGダンス」の表現の幅が広がっていた時代でもありました。

プリキュア アニメ ニチアサ トロプリ トロピカル〜ジュ!プリキュア MIKIKO ダンス 年々進化し続けるプリキュアの3DCG(画像はYouTubeから)

 MIKIKO先生へと受け継がれたプリキュアエンディングダンスの振り付けは、原ななえさん、振付稼業air:man、CRE8BOYといったアイドル、アーティストの振り付けの第一線で活躍する振付師が担当し、プリキュアダンスの表現の幅が広がっていきます。その根底には「小さな子どもたちにも踊りやすいダンス」が徹底されているのです。

 そのダンス表現を支える3DCGも、毎回のように新しい技術が導入されます。

 「魔法つかいプリキュア!」の後期エンディング「魔法アラ・ドーモ」ではゲームエンジン「Unity」が活用されたり、「ヒーリングっど プリキュア」の後期ED「エビバディ☆ヒーリングッデイ!」ではシリーズ初のUnreal Engine 4によるリアルタイムCGによって仕上げられるなど、日々その表現方法も進化しているのです。

 ただ、プリキュアのエンディングダンスは3DCGだからといって手描きアニメより楽に動かせる訳ではなく、(近年では髪の揺れなどはある程度自動化されているとはいえ)最終的には人間の手による地道な調整作業により仕上げられていることも忘れてはいけません。

プリキュア アニメ ニチアサ トロプリ トロピカル〜ジュ!プリキュア MIKIKO ダンス CG専門誌でも取り上げられるプリキュアの3DCG(画像はAmazon.co.jpから)

 大学や専門学校の講義などで「3DCG進化の歴史」を教えるときにも「プリキュアエンディングダンス」が利用されているとも言われています。

 楽曲、振り付け、3DCGが融合し進化し続けるプリキュアエンディングダンス。

 この先、僕たちにどんな世界をみせてくれるのでしょうか。楽しみですよね。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10

  1. 勝手に「サービス終了ゲーム総選挙」をやったら6700票も集まってしまったので結果を発表します 2位の「ディバインゲート」を抑えて1位に輝いたのは……
  2. ママとの散歩中、田んぼにポチャンした柴犬さんが帰宅後…… パパに一生懸命アクシデントを報告する姿がいとおしい
  3. “26歳年の差婚”の菊池瑠々、第4子妊娠を発表「もう、とにかくうれしいです!」 年上の夫も満面の笑み
  4. 桐谷美玲、隠し撮りに「絶対ヤバい顔」 “ほぼ半目”な不意打ち写真に「100点満点に可愛い」と全力フォローの声
  5. 村田充、3匹目の愛犬の存在明かす 神田沙也加さんから引き取ったブルーザーとは「数日で仲良くなりまして」
  6. 三浦孝太、母・りさ子誕生日に“家族4ショット”でお祝い キングカズも笑顔の写真に「家族が1番!」
  7. バレー日本代表の清水邦広の再婚に盟友・福澤達哉さん「相手は私ではございません」 元妻は中島美嘉
  8. 「駅の待合室をバケモンが占領している」→“謎の生き物”の正体について大分県立美術館に話を聞いた
  9. 滝沢カレン、倖田來未の“バックダンサー”になりすまし 感極まって「人一人洗えるくらい泣きました」
  10. 宮崎駿愛用の「電動消しゴム」が故障 → サクラクレパス公式が倉庫の奥から発掘 Twitterが繋いだ温かな展開が話題に

先月の総合アクセスTOP10

  1. 「どん兵衛」新CMに星野源が復活も衝撃の新展開 “どんぎつね”吉岡里帆の正体明かされ「完全なホラー案件」「狂気を感じる」
  2. ハラミちゃん、“公称145センチ”も本当の身長にゴチメンバー驚き 「デカイっていわれるのが嫌になっちゃって……」
  3. 西川史子、退院を報告 「生きていて良かったと思っていない」と告白も、力強い現在の心境明かす「私は医師です」
  4. 「もうアヒル口」「美人確定ですね!」 板野友美、生後2カ月娘の“顔出しショット”にみんなメロメロ
  5. 「気ぃ狂いそう」 木下優樹菜、生配信中止で“涙のおわび動画” やらかしたスタッフに「生きてたらミスぐらいする」
  6. 東大王・鈴木光、“お別れの笑顔”で司法試験合格を報告「本当にありがとうございました」 SNS閉鎖に涙のエール続々
  7. 「こんな普通に現れるの?!」「バレそうで心配」 倖田來未、駅のホームに“普通に並ぶ”姿にファン驚き
  8. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」「どストレートに餅で笑った」と称賛集まる
  9. 第1子妊娠のすみれ、母・松原千明と2年ぶりに涙の再会 「やっとママに会えました」と感動的な親子ショット公開
  10. 渡辺裕之、66歳バースデーで息子と2ショット 合同誕生日会に「すごいお料理とケーキ」「イケメン息子さん」