「パパ嫌!」じゃなくて「パパイア」に 「トロピカル〜ジュ!プリキュア」が徹底する“親子で見るための配慮”サラリーマン、プリキュアを語る(1/3 ページ)

プリキュアは「親子で見ること」を強く意識したアニメーションなのです。

» 2021年12月23日 18時00分 公開
[kasumiねとらぼ]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 プリキュアは「保護者と一緒に見ること」を強く意識したアニメーションです。

 「トロピカル〜ジュ!プリキュア」の一人「キュアパパイア」は、果物の「パパイア」をモチーフにしているのですが、日本語表記としては「パパイヤ(や)」もある中で「パパイア(あ)」になったのは、「親子で見ること」に配慮した、ある重要な理由があったのです。

プリキュア アニメ ニチアサ トロピカル〜ジュ!プリキュア 一之瀬みのりが変身するキュアパパイア

kasumi プロフィール

プリキュア好きの会社員。2児の父。視聴率などさまざまなデータからプリキュアを考察する「プリキュアの数字ブログ」を執筆中。2016年4月1日に公開した記事「娘が、プリキュアに追いついた日」は、プリキュアを通じた父娘のやりとりが多くの人の感動を呼び、多数のネットメディアに取り上げられた。


 「トロピカル〜ジュ!プリキュア」も12月に入り、残すところ放送もあと1カ月。物語も佳境へと入ってきました。

 この時期のプリキュアでは、一人一人の「最後の個人回」が描かれ、1年をかけて成長したプリキュアの姿が見られると同時に「もうすぐ終わってしまう……」という寂しさもある複雑な季節ですよね。

 第38話「決めろ!あすかの友情スマッシュ!」の、あすか先輩と百合子先輩、最高にトロピカっていました。

 そんな「トロピカル〜ジュ!プリキュア」。その「楽しく明るい作風」が子どもたちに大人気なのですが、一緒に見ている保護者もハマってしまう、とSNSなどでも大好評なのです。

プリキュア アニメ ニチアサ トロピカル〜ジュ!プリキュア 第38話であすか先輩は百合子先輩と仲直りしました

「パパ嫌!」を避けるため「パパイア」に

 2021年11月に発売された書籍『「トロピカル〜ジュ!プリキュア」特別増刊号』(徳間書店)にこんなエピソードがあります。

 プリキュアの一人「キュアパパイア」は、その名の通り果物のパパイアをモチーフとしたプリキュアなのですが、日本語表記としては「パパイヤ(や)」もある中、あえて「パパイア(あ)」にしたのは「パパ嫌!」と聞こえちゃうのを避けるためだった、とのことなのです。

プリキュア アニメ ニチアサ トロピカル〜ジュ!プリキュア 「パパ嫌!」を避けるため「パパイア」に

「果物としての日本語表記は『パパイヤ』もあるかと思いますが、それだと『パパ嫌!』って聞こえちゃうので『パパイア』になりました」(村瀬)
引用:『「トロピカル〜ジュ!プリキュア」特別増刊号 アニメージュ』2022年1月号増刊(徳間書店、P13)

 一緒に見ているお父さんにしてみれば1年間ずっと子どもに「パパ嫌!」といわれるのは確かにつらいのかもしれませんね。

 ものすごく細かい配慮なのですが、プリキュアシリーズにはこのようなたくさんの「親子で見ること」への配慮がされているアニメなのです。

プリキュア アニメ ニチアサ トロピカル〜ジュ!プリキュア キュアパパイアは変身前と変身後のギャップも魅力

親子で見ることを意識しているプリキュア

 プリキュアシリーズでは、「汚い言葉使いをしないこと」や、劇中で「苦手な食べ物」が描かれてもそれを克服する描写があること、そして「敵であっても顔面は殴らないこと」や「流血を表現しないこと」など、数多くの不文律が存在していたことが雑誌インタビューで明かされています(参考:『Go!プリンセスプリキュアオフィシャルコンプリートブック』(学研プラス、2016年)。

プリキュア アニメ ニチアサ トロピカル〜ジュ!プリキュア 「トロピカル〜ジュ!プリキュア」では敵サイドもコミカルに描かれている

 またシリーズ開始当初は、大人からの性的な視線を避けるために「水着」の描写も自主規制していました。

 時代の変遷を経て2015年「Go!プリンセスプリキュア」以降は「海に行けば水着になるのは当然」として、普通に水着も表現されるようになりましたが、胸の谷間などのセクシーな表現は全く無く、あくまで自然に「子どもや保護者から見てかわいい」と思えるようなものとなっているのです(過去記事:プリキュアの水着表現はなぜ規制され、そして解禁されたのか 15年の歴史を探る)。

プリキュア アニメ ニチアサ トロピカル〜ジュ!プリキュア 「トロピカル〜ジュ!プリキュア」でも水着回が実施されました。かわいらしい水着姿が子どもたちにも好評だったようです

 「保護者が眉をしかめるような表現をしない」を徹底することにより、プリキュアは「戦う」という描写がありながらも「保護者が子どもたちに安心して見せられるアニメーション」として歴史を重ね定着しているのです。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/20/news096.jpg 新1000円札を300枚両替→よく見たら…… 激レアな“不良品”に驚がく 「初めて見た」「こんなのあるんだ」
  2. /nl/articles/2412/20/news034.jpg 「博物館行きでもおかしくない」 ハードオフ店舗に入荷した“33万円商品”に思わず仰天 「これは凄い!!」
  3. /nl/articles/2412/18/news015.jpg 家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
  4. /nl/articles/2412/20/news050.jpg 「マジかーーー!」 新札の番号が「000001」だった…… レア千円を入手した人が幸運すぎると話題 「555555」の人も現る「御利益ありそう」「これは相当幸運」
  5. /nl/articles/2412/20/news148.jpg 浅田真央、男性と“デート” 驚きの場所に「気づいた人いるかな?」
  6. /nl/articles/2412/20/news016.jpg 身内にも頼れず苦労ばかりの“金髪ギャルカップル”→10年後…… まさかまさかの“現在”に「素敵」「美男美女でみとれた」
  7. /nl/articles/2412/18/news144.jpg 海岸で大量に拾った“石ころ”→磨いたら…… 目を疑う大変貌に「すごい発見!」「石って本当にすてき」【カナダ】
  8. /nl/articles/2412/18/news047.jpg トイレットペーパーの芯を毛糸でぐるっと埋めていくと…… 冬に大活躍しそうなアイテムが完成「編んでるのかと思いきや」【海外】
  9. /nl/articles/2412/15/news077.jpg 生後1カ月の保護子猫、後頭部を見るとあのアルファベットが……→9カ月の現在にびっくり 「プレミアム猫」「本当にPですね」
  10. /nl/articles/2412/19/news190.jpg 辻希美、17歳長女・希空に「ダサすぎるって」とツッコんだ格好 
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」